医学界新聞

 

第30回日本看護学会-老人看護で
劇団9(ナイン)がミュージカルを公演


 第30回日本看護学会-老人看護が,さる10月19-20日の両日,新井サダ会長(埼玉県看護協会長)のもと,「高齢社会-ともに生きる看護」をメインテーマに,大宮市の大宮ソニックシティで開催された。同学会では,78題の一般演題発表をはじめ,シンポジウム「高齢社会とともに歩む看護のこころみ」の他,埼玉県看護協会が1988年より県の委託で実施している「痴呆性老人介護講習会」の中から誕生した劇団9(ナイン)によるオリジナルミュージカル「風がとまる日」が特別講演として上演された(写真)。
 同劇団(団長=獨協医大越谷病院 神尾加代子氏)の設立は1996年5月。演出家以外の団員は,同病院と越谷市立病院の看護職を中心とする医療職で構成され,これまでにも埼玉県を中心に12回の公演を重ねている。アルツハイマーとなった母と介護をする長女の結婚,姑との同居をめぐり展開される「風がとまる日」は1997年からの上演。本年からミュージカル仕立てとし,今回はその2回目ながら,進行するアルツハイマーの母とその介護を助ける昔ながらの近所付き合い,そして迎える死と老いゆく義母の思いなど,深刻な内容ながらユーモアを交えた展開に,満員の会場から喝采を浴びた。