医学界新聞

 

第11回国際女性技術者・科学者会議開催

新たに医療部門分科会が設立される


 1920年に,イギリスで設立された「女性技術者学会」の呼びかけにより,1964年にアメリカで第1回国際女性技術者・科学者会議(ICWES)が開催された。以来,ICWESは約3年ごとに欧米を中心に世界各国で開催されてきたが,さる7月24-27日の4日間,日本で初めて第11回ICWESが,千葉市の幕張メッセで開かれた(名誉総裁=高円宮久子妃,会長=参議院議員 石井道子氏,主催=日本学術会議,他)。
 なお,「女性技術者・科学者が,日頃の研究成果を国際交流の中で発表すること,相互理解と社会への啓蒙を図ること,女性技術者・科学者の地位を確立すること」を目的とするICWESには,これまで医療部門がなかった。今回初めて医療部門が設立され,濱中すみ子医療部門実行委員(山口労災病院部長)のもと,医学の基礎から臨床の幅広い部門にわたり各国36名(日本は28名)が,口演およびポスターによる発表を行なった。
 この場で「日米医学部におけるジェンダーの実態」の報告が行なわれた。それによると,日本の医学部の女子学生数は同学部全体の30.3%(1998年現在)となり,10年前のアメリカに匹敵(現在は約43%)しているが,女性教官数は教授(日:米=2.8%:10.4%),助教授(同5.5%:21.6%),講師(同7.7%:33.5%)と大きな差がみられた。