医学界新聞

 

第93回医師国家試験<合格体験記>

勉強は効率よく

山沢一樹(慶大卒)


 私は晴れてこの春,第93回医師国家試験に合格しました。そこでこれから国試を受けられる皆様の何かのお役に立てばと考え,微力ながら合格体験記なるものを書かせていただきます。
 私の大学では独立自尊の気概をいいことに,一部の学生を除いて定期試験前以外はほとんど勉強をしません。私自身も6年の夏までテニスに明け暮れておりましたし,口頭試問でアミラーゼは胃から出るなどと言っていました。
 本格的に国試の勉強を始めるのは6年の10月頃が平均的でしょうか。私もその頃から内科・外科を始めました。まず『内科チャート』(医学評論社)を通読し,その範囲の『Question Bank』(以下,QB;Medic Media)の臨床問題で個々の疾患の概念をつかんだ後,一般問題や『Year Note』(Medic Media)で知識の蓄積をはかる,といった感じでした。単純な暗記には語呂あわせも効果的です。年内にQBの内科・外科の範囲を終え,1月は産婦人科,小児科を同じ方法で勉強しました。2月に1週間ほどQBで公衆衛生をやり,その後,これらの2周目を国試直前までしました。このように過去問を2回やれば,いくら基礎がなくてもまず6割以上の得点は取れるようになります。そうすると問題となってくるのがやはりD問題と禁忌肢でしょう。私も2月頃から並行して必修対策を始めました。具体的にはQB必修問題集と過去問,過去の模試の復習などです。特に手技など実地的なことは盲点となりがちなので,しっかり学習する必要があります。また,ガイドラインを意識して勉強すると効率がいいと思います。マイナーは直前まで手つかずで,結局2日ほど『アプローチシリーズ』(医学評論社)の最近の過去問を解いただけでしたが,それで十分でした。模試はTECOMとMECを計4回ほど受け,間違えたところのみ軽く復習しました。直前情報はほとんど見ていません。
 国試当日はやはり緊張しました。今回は例年より難しかったようです。C問題がほとんど複択でしたので,次回以降も注意すべきでしょう。D問題でも迷う問題が多く試験中青ざめましたが,結局裏をかいて引っかける問題はDではまず出ないので,他の受験者が最も選びそうなポピュラーな選択肢を選ぶのが得策です。ホチキスは必須,昼食も持参すべきです。ちなみに会場近くのコンビニは受験生で大混雑します。
 これが少しでも皆様の参考になることを願いつつ筆を置かせていただきます。ご健闘をお祈り申し上げます。