医学界新聞

ナースが動く 看護が変わる

「規制緩和は看護の自立の追い風になるか」第2弾開催


 さる1月30日,東京・大久保の龍生堂ホールにおいて,在宅看護研究センター(村松静子代表)主催による「規制緩和は看護の自立の追い風になるか」の第2弾,「ナースが動く 看護が変わる-看護職のネットワークづくり」が開催された。これは昨(1998)年9月に続いて第2回目。当日は看護職に加えて有償ボランティア,病院の事務長など多方面からの参加があった。

看護の自立に欠けているもの

 初めに,司会の細井恵子氏〔日本在宅看護システム(株)〕が会の趣旨を「様々な垣根を超えて看護の自立について話合う場としたい」と説明。全体交流に続いてワークショップ「看護の自立を考える」が開始された。最初に「看護の自立に欠けているもの」として(1)プロ意識,(2)看護判断の確実性,(3)看護の実践行為の確実性,(4)買ってもらえる看護,(5)マネジメント能力((6)その他)の5項目が記入された用紙が参加者全員に配布された。その中で自立に最も欠けていると思われるものから順番をつけ((4)が最多,(3)が最少),回答によって6グループに分けられ,それぞれ看護の自立を考える上での問題点を話しあった。その後,各グループの代表者がそれぞれの論旨を報告。
 それを受ける形でコーディネーターである村松氏が口演。ある医師から「(看護婦は)教育者は臨床をせず,臨床家は教育をしない。不完全ではないか」と苦言を呈され,また同僚から開業ナースを始める時「看護を売るとはどういうことか」と問われたエピソードを披露。しかし参加者の多くが(4)が看護の自立に欠けていると選んだことから,新しい時代の到来を実感したと語った。さらに現在の看護教育は看護の「管理」,「教育」,「実践」がバラバラであることを指摘。これでは新しい時代に対応できる看護職は生まれないとの危惧を呈し,また看護職には「他との連携」や「自学自習」などが必要とした。

看護の自立に何が必要か

 この後参加者は,ワークショップであげられた5点が記された用紙を再度受け取り,今度は各項目に対する自己評価を行なった後,参加者1人ひとりがこれから自身がどう行動化していくかを,自己紹介と合わせて一言ずつ発言する場が設けられ,参加者の持つ様々な背景と今後の自分の課題などが語られた。
 最後に村松氏は,看護の自立の第一歩に「自己評価」「自己認識」が必要とし,さらに専門家としての「自覚」「責任」「行動化」に加えて,関係者や患者・家族の納得がした上での自分の「納得」が重要であるとした。さらに,自分ができないことを理解し,できる人と連携していけば看護はもっと大きくなると述べ,看護におけるネットワークの意味と重要性を提示。最後「看護は人間の最も高度な活動である心にかかわる仕事」として結びの言葉とした。
 同センターではこの第3,4弾を6月,12月に開催予定している。問合せは下記まで。
 TEL(03)3362-3193