医学界新聞

人工臓器 長期装着,身体にフィットしたものを


●移植などの心臓置換が唯一の治療法となる重症な心臓病患者が依然として数多く存在する。しかし日本における提供心臓の不足から,いまだ心臓移植は国内で再開されていない。米国においても,心臓置換適応者は年間3万人に及ぶとされているが,実際には年間約2000例に移植が実施されるにとどまっている

●2005年の臨床応用開始に向けて,準備を進めている体内完全埋込型人工心臓の概要。1度装着すれば3-5年は取り替え不要となる

 本紙では,人工心臓を中心に紹介しているが,他の臓器を見てみると,肝臓では,血漿交換などが実用化される一方で,豚など人間以外の動物の肝細胞を使うハイブリット型の研究が進められている。また血糖値を制御する人工膵島は,携帯型が開発されつつある。
 その他,人工骨,人工血管や人工透析などは既に臨床現場で用いられている。
 全体的に,長期装着をめざした方向へ,また生体細胞や組織を利用したハイブリット型の研究が進められている