医学界新聞

ゴードン名誉教授を迎えて

NECシンポジウム98開催


 さる10月9日,看護診断などで知られるマージョリー・ゴードン氏(米・ボストン大名誉教授)を迎えたNECシンポジウム98が,東京のNEC本社ビルで開催された。「看護教育の21世紀への展望」をテーマとした本シンポジウムは,看護診断シミュレータ「シム・ナーシング(CD-ROM for Windows)」(制作=NEC,販売=医学書院)の発売を記念して開かれたもので,「臨床現場における先進的なコンピュータの利用状況」について長峰敦氏(NEC)が解説した他,基調講演としてゴードン氏が「看護診断とCAI(computer-assisted instruction)」を,またシンポジウム「看護教育の21世紀への展望」(司会=東海大教授 藤村龍子氏)が,ゴードン氏を交えた5名のシンポジストの登壇により行なわれた。

看護教育“夢”宣言

 シンポジウムでは,1部として「今までの教材と教授法」に関する長所・短所について,江川隆子氏(阪大教授)が主に「ビデオ教材」に関して,江本愛子氏(三育学院短大教授)は「ペーパーシミュレーション」について,また「医学教育の現状から」を中木高夫氏(名大教授)が,さらに「患者シミュレーションを持つCAI教材」について中村恵子氏(杏林大教授)が,それぞれの立場から発言した。
 その後の2部では,テーマに沿った21世紀の看護教育の展望として,(1)どのような看護婦を育てたいか,(2)環境も教材の1つと考えれば,どのような環境が望ましいと考えるか,(3)アセスメント能力を向上させるのに必要なことは,などに関してのディスカッションが行なわれた。その中では,「コンピュータに看護診断をさせるままにしていたら,患者の心を生かさないものになってしまうのでは」という危惧も呈示され,「機械に動かされてしまわない教育」の必要性などが論議された。
 なお,NECは今後もコンピュータによる看護教育支援を強化し行なうべく,「看護教育“夢”宣言」を発表した。