医学界新聞

金原一郎記念医学医療振興財団

第13回基礎医学医療研究助成金贈呈式が開かれる


 金原一郎記念医学医療振興財団(理事長=理化研脳科学総合研究センター所長 伊藤正男氏)では,基礎医学の振興を目的として毎年,(1)基礎医学医療研究助成,(2)研究交流助成,(3)留学生受入れ助成,(4)研究出版助成の4つの助成事業を行なっているが,このほど「第13回基礎医学医療研究助成」が決定し,さる9月24日,東京・文京区の医学書院本社において贈呈式が開かれた。今回は応募総数287名の中から36名が助成対象として選出され,総額1510万円が贈呈された(助成対象者ならびに研究内容の掲載)。
 贈呈式では,まず伊藤理事長が同財団設立の経緯を説明するとともに,この助成の特色として,(1)自らの意思で応募できること(所属機関の長の承認は不要),(2)採択率がきわめて低いこと,(3)助成対象になりにくい若い研究者を対象としていること,(4)多くの人に交付すること,などをあげた。
 認定証贈呈の後に,選考委員長の野々村禎昭氏(東大名誉教授・帝京大教授)が選考経過を報告。「選考委員の推薦を優先する賞もあるが,この賞はその点フェアであり,毎回のことではあるが選考は困難をきわめた。受賞者は自信を持っていただいて結構であり,その研究成果を雑誌『生体の科学』(同財団刊)へ投稿することも歓迎する」と激励の言葉を贈った。
 また,金原優同財団常任理事(医学書院社長)は,「若い基礎研究者への助成を目的としたこの賞を受賞されたことにプライドを持ち,今後の研究に邁進してほしい」と祝辞を述べた。
 続いて交付対象者を代表して挨拶に立った竹島浩氏(東大大学院医学研究科)は,「選考の労をとっていただいた野々村選考委員長はじめ選考委員の方々,および多大なご尽力を割いていただいた財団関係者の方々にまず深謝したい。今回の受賞を大きな励みとするとともに,今後の研究推進の糧としたい。また,所属機関の長の推薦を必要としない,きわめてユニークな面を持つこの助成の今後の発展を祈念したい」と感謝の意を表した。