医学界新聞

高齢者の入院時からの自立へ向けた退院指導



 さる6月17-19日の3日間,福岡市のアクロス福岡で開催された,第40回日本老年医学会(会長=九大教授 藤島正敏氏)の「看護・介護」の一般演題発表で,札幌の渓仁会西丸山病院は,MDS(Minimum Data Set)を用いて高齢患者の医療看護介護の管理,評価を行ない,処遇の向上に努める一方,CGA(高齢者総合評価)を導入しケアプラン作成を試みていることを報告。また,モデル事業としてCGAを実施している東京都老人医療センター総合内科病棟から(看護科 石井静江氏,写真)は,「入院当初からのCGAの実施は,他職種の介入による高齢者個々人に合った指導が,自宅退院,在宅介護の促進につながった」との報告がされるなど,CGAが高齢者の早期退院および自立支援の検討策として期待できることを予感させた。なお,同セッションにおいて座長を務めた小山和作氏(日赤熊本健康管理センター長)は,「これからの老年医学は医師だけで背負えるものではなく,看護職との協働が必須。老年医学会により多くの看護職からの発表を含めた参加を望みたい」と,看護職へのメッセージを送った。