医学界新聞

医薬品の臨床試験の実施基準(GCP)説明会開催

新GCP普及定着総合研究の最終報告が行なわれる


 昨(1997)年4月の薬事法改訂に基づき,「医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令」(新GCP省令)」が定められ,新GCPは本格施行をめざし本年4月より完全実施に踏み切った。これに伴い,医薬品開発の国際化を含め,医療機関は臨床試験(治験)のあり方の変革など,新たな対応が迫られることになった。
 これに先立つ3月28日に,厚生省医薬安全局・日本製薬団体連合会共催による「医薬品の臨床試験の実施の基準(GCP)説明会」が,東京の九段会館で開催された。同説明会では新GCP実施のために必要な治験環境の整備のあり方等を検討すべく厚生省に設置されたGCP適正運用モデル事業(治験のモデル病院事業)および1997年度厚生科学研究としての「新GCP普及定着総合研究班」からの最終報告が行なわれた。
 倫理性,科学性,信頼性の確保に主眼を置いた新GCP下の治験では,治験依頼者,実施医療機関・治験責任医師,被験者(患者,一般市民)の3者による共同作業,3者間の共通理解が求められることや,これからの臨床試験における基盤整備の必要性が報告の中で強調された。日米欧3極間での共通基準による臨床試験,相互利用を可能にする国際的ハーモナイゼーション(ICH)の動きは必然的な時代の要請ともいえるだろう。