医学界新聞

埼玉・西太平洋地域ワークショップ
「がん疼痛治療と緩和ケア」開催


 埼玉県立がんセンター主催,WHO西太平洋地域事務局共催による,埼玉・西太平洋地域ワークショップ「がん疼痛治療と緩和ケア」が,さる3月27日に,関連15か国からの参加を得て,埼玉県大宮市のソニックシティで開催された。
 「世界の癌患者のすべての痛みの解決」をめざして,1990年に続いての開催となった本ワークショップでは,2度の主催の労にあたった武田文和氏(前埼玉県立がんセンター総長,本年3月末退官)が,「がん疼痛救済と緩和ケアに関するWHOの戦略と方策」と題し基調演説。また,西太平洋地域諸国における癌疼痛治療と緩和ケアの進展状況と展望が,中国,マレーシア,フィリピン,韓国,シンガポール各国から報告された。
 なお,午後からは2部構成のワークショップを企画。癌疼痛治療と緩和ケア教育のあり方や薬剤規制,癌患者の身体的・精神的痛みとその対応などが論議された。その中で,C. S. Cleeland氏(テキサス大アンダーソン癌センター)は,各国の文化や地域性に関係なく痛みの測定が可能な「簡易疼痛調査表」を提示。新たな評価法として注目された。