医学界新聞

CANCER WEEK IN KYOTO, 1998開催


 さる3月18-20日の3日間,第20回癌局所療法研究会・第7回日本癌病態研究会の合同大会および第3回日本緩和医療学会総会が,「CANCER WEEK IN KYOTO, 1998(ガン週間IN京都)」と銘打ち,近藤元治当番世話人(京府医大教授)のもと,京都市の国立京都国際会館で開催された。


初の合同大会を開催

 2研究会の合同大会では,鼎談「癌病態から見た癌局所療法の現況と展望」が行なわれた。磯野可一氏(日本癌病態研究会長・千葉大教授),佐治重豊氏(癌局所療法研究会長・岐阜大教授),および田口鐵男氏(癌局所療法研究会前会長・阪大名誉教授)の3氏が登壇し,両研究会の設立目的や活動,歴史を振り返るとともに,「事前の打ち合わせをあえてせずに,ぶっつけ本番の放談を期待したい」(近藤世話人)との主旨にたがわぬ貴重な意見の応酬となった。
 中でも,「学会,研究会が数多く設立されてきたが,目的を達成した学会,研究会は発展的解散をしてもよいのではないか。乱立するほど,研究者にとって経済的負担も膨らみ,質の低下を招くおそれがある。整理,統合される時代ではないか」との共通の意見が注目をあびた。
 また合同大会ではその他にも,シンポジウム2題,ワークショップ5題の他,「転移性肝癌の局所療法」および「T細胞養子免疫療法」に関する海外からの特別講演,「重イオン治療の現状と可能性」と題する辻井博彦氏(放医研・重粒子治療センター)による教育講演が行なわれた。

看護職者らとともに歩む緩和医療

 一方,日本緩和医療学会(阪大教授 柏木哲夫理事長)総会には多くの看護職者らも参加。3題のシンポジウムでは,それぞれに看護職者も登壇し意見を述べた他,ワークショップ「一般病院における緩和医療の実態」や海外招聘者を含む特別講演3題,および「難治性癌疼痛治療」,「Evidence―based Medicineと臨床の実際」など4題の教育講演が行なわれた。また,ユニークな試みとして,開催地区の特性を活かし「京滋緩和ケア研究会,京都緩和医療セミナー合同展示―病院間,病院ホスピス間,病診連携の現状と将来像について」が,半日規模のロングランシンポジウム形式で開催され,多くの参加者を集めた。
 さらに,ガン週間の最後を飾るべく同学会主催による市民公開講座「緩和医療を行なう現場―ホスピスの現状と将来について」が,日野原重明氏(聖路加国際病院理事長)の司会のもと,山崎章郎氏(聖ヨハネホスピスケア研究所長),柏木哲夫氏を演者に開催された。なお本紙3面に,合同大会・総会のプログラムからのトピックスを紹介する。