医学界新聞

「医師のためのクリティカル・パス研究会」開催


  

 平均在院日数の短縮と医療の質の向上を目的として,さる2月28日,銀座キャピタルホテルにおいて,「ドクターフィーとホスピタルフィー分離に対応した医師のためクリティカル・パス研究会」(主催:医療経営研究センター「コンタクス」)が開催された。
 同研究会では,病診連携を積極的にすすめている済生会熊本病院の須古博信院長(写真右)および済生会山口総合病院の湧田幸雄脳神経外科部長(写真左)が講演。
 須古氏は,「インフォームドコンセントを充実させるためにクリティカル・パスを患者用と医療チーム用に開発し,現在40種類のクリティカル・パスを導入,平均在院日数は15.6日となったが,その裏には看護部の働きかけと協力があった」ことを述べた。
 一方湧田氏は,平均在院日数の長い脳卒中患者のクリティカル・パスの開発と実践を報告。その中で「退院を長引かせている因子として,患者の在宅ケアに対する医療的,経済的不安や,医師が病棟あるいは病院の在院管理を考えていないことなどがあげられる」と指摘。また,「クリティカル・パスの開発と成功の背景には,同病院が設置している退院調整専門看護婦(本紙2234号,1997年3月31日付参照)の活躍があった」と,その役割についても解説を加えた。