医学界新聞

高松宮妃癌研究基金

平成9年度学術賞,研究助成金贈呈式開催


 (財)高松宮妃癌研究基金(理事長=和田武雄氏)の平成9年度学術賞ならびに研究助成金の贈呈式が,さる2月28日,東京のパレスホテルにおいて開催された。
 今回の学術賞を受賞者は,基礎領域から長田重一氏(阪大教授,大阪バイオサイエンス研部長)と米原 伸氏(京大ウイルス研教授),臨床領域からは二村雄次氏(名古屋大教授)。また,研究助成は10件10名に授与された。
・学術賞(2件3名)
〔基礎領域〕長田重一氏,米原伸氏「細胞死を支配するFas抗原の発見とその作用機構の解明」
〔臨床領域〕二村雄次氏「肝門部胆管癌の根治手術法の確立」
・研究助成金(10件10名)
(1)稲澤譲治氏(東大医科研助教授)「分子細胞遺伝学的アプローチによる癌のゲノム異常解析と新規癌関連遺伝子の単離」
(2)神奈木玲児氏(愛知県がんセンター研部長)「細胞の悪性化に伴う異常糖鎖発現の転写制御機構」
(3)小西陽一氏(奈良医大教授)「アポトーシスを指標とする膵癌進展阻止物質の検索」
(4)斎藤政樹氏(北大教授)「ガングリオシドgm3合成酵素(シアリルトランスフェラーゼ1)遺伝子の癌における発現機構解明とその情報の制御への応用」
(5)佐藤孝明氏(理化研主任研究員)「癌細胞における細胞死回避のメカニズムに関する基礎研究」
(6)佐谷秀行氏(熊本大教授)「ショウジョウバエ癌抑制遺伝子のヒト相同遺伝子の同定とその機能解析」
(7)藤也寸志氏(国立病院九州がんセンター室長)「癌の浸潤転移の分子機構の解明;新しい癌転移関連遺伝子mta1に関する基礎的研究」
(8)豊島秀男氏(都臨床医学研室長)「細胞周期の進行においてG1サイクリン・CDK複合体のリンパ酸化標的となる新たな細胞周期制御因子の同定」
(9)益谷美都子氏(国立がんセンター研)「ジーンターゲティングによるポリ(ADP‐リボーズ)合成酵素の機能解析」
(10)三木義男氏(癌研部長)「乳癌関連遺伝子の単離とそれらを用いた遺伝子診断の確立」
・平成10年度中原記念シニア・フェローシップ受領者(1件1名)
長尾美奈子氏(国立がんセンター研)「PhⅠPの発癌標的臓器決定機構の解明」