医学界新聞

金原一郎記念医学医療振興財団
第23回認定証贈呈式が開かれる


  

 (財)金原一郎記念医学医療振興財団(理事長=理科研国際フロンティア研究システム長 伊藤正男氏)の平成9年度下期助成金の認定証贈呈式が,さる3月2日,東京の医学書院本社において開催された。
 今回助成金が交付されたのは,海外での学会や研究会への渡航費用を助成する「第12回研究交流助成金」31名と,海外からの留学生受入に対して毎月一定額を1年間助成する「第12回留学生受入助成金」3名の計34名(対象者は本号4面参照)。
 贈呈式には,金原優同財団常任理事(医学書院社長),財団役員の他,助成対象者の中から代表4名が出席し,金原常任理事より助成認定証が手渡された。
 挨拶に立った金原常任理事は,「医学出版社を母体とする小さな財団の助成だが,“国際化”と“双方向性”という観点からも,学会に出席して海外の研究者と交流することも貴重な体験になると思う。今回の受賞を励みとして,今後の研究を推進してほしい」と祝辞を述べた。
 続いて選考経過を詳細にわたって報告した後に,野々村禎昭選考委員長(帝京大教授)は,「応募の質が向上し,留学生受入助成は今回33倍もの競争率があった」と紹介し,「当財団が発行する雑誌『生体の科学』への投稿などを通して,今後の研鑽を期待したい」と受賞者を激励した。
 また,受賞者を代表して俣野哲朗氏(国立感染症研エイズ研究センター,写真右)は,「多忙をきわめている折りにもかかわらず,選考の労をとっていただいた選考委員の方を初め,財団関係者の方々には深謝したい。適切な時期に,過不足なく助成していただいて,理想的な形になったと思う。海外の学会に出席することにはさまざまな制約があり,特に人件費や渡航費が軽視される傾向にある。現代はインターネットなどの発展によって,情報入手が容易になったと言われているが,金原常任理事が指摘したように,学会に参加することは研究者との交流という意味でも大きな意義を持つ。この機会を存分に生かして,今後の研究に資するようにしたい」と述べた。
 なお同財団はこれまで,(1)基礎医学医療研究助成,(2)研究交流助成,(3)留学生受入助成,(4)研究出版助成などの分野において助成を行なってきているが,今回の助成で総計791件,総額3億5310万円の助成金を交付したことになる。