医学界新聞

第5回介護力強化病院研究会開催


 さる10月31日-11月1日の両日,第5回介護力強化病院研究会が,松川フレディ会長(湘南長寿園病院長)のもと,「高齢者に選ばれる介護力強化病院をめざして」をテーマに,横浜市のパシフィコ横浜で開催された。
 なお,医師,看護婦,介護職を中心に2300名の参加があった同研究会では,テーマに沿ったシンポジウム「高齢者に選ばれる介護力強化病院をめざして」(司会=国立医療・病院管理研 小山秀夫氏)の他,一般演題は看護・介護分科会のほか,ケアプラン,チームアプローチ,レクリエーション,栄養,リハビリテーションなど18分科会に分かれ275題の発表が行なわれた。

患者から選ばれる病院とは

 小山氏の司会で進められたシンポジウムでは,坂梨俊彦氏(阿蘇温泉病院副院長),田元孝子氏(近森リハビリテーション病院婦長),中間浩一氏(青梅慶友病院リハビリ室長),星野和子氏(西丸山病院栄養科長)の4名が「選ばれる病院とは」についてそれぞれの立場からの意見を述べた。
 坂梨氏は,「平成6年には平均在院日数が219日だったものが,慢性期患者のケアプランを実施したところ,精神面,社会面に改善が見られ,平成9年には110日までに減少した。また,病室など療養環境の改善により精神機能が安定し,ADLも改善した」と,ハード,ソフト面の改善は患者の機能のみならず,平均在院日数等病院機能の改善にも寄与することを証明した。
 同様に田元氏も,「密度の高いケアを看護とリハビリテーションの共働により初期時から行なうことで,平均在院日数の減少につながった」と報告。入院時から退院,在宅への目標を設定し,また入院中から訪問看護ステーションなど,在宅へ向けた話し合いを実施していると,継続看護の重要性を強調した。
 司会の小山氏はシンポジウムをまとめるにあたって,「選ばれる病院になるためには,病棟から栄養科までの管理と評価の積み重ね,実践の繰り返しが必要。高齢者施設間での競争が激しくなってくる中,介護力強化病院連絡協議会のあり方が問われよう。無駄のないマネージメントポリシーが必要となり,中身の改善,検討がなければ『選ばれない』ことになる」と指摘した。