医学界新聞

「骨と関節の日」の記者発表会開かれる


「十」と「八」で「ホ」に

 わが国でも高齢化が急速に進んでいるが,それにしたがって「高齢者になっても,健康維持の重要な柱の1つである“健全な骨と関節”を保っていたい」という願望を持つ人が増えてくるのは当然である。しかし,一方では骨や関節の健康保持に実際に役立つ最新の知識が一般に伝わる機会は決して十分とはいえないのが現状であろう。
 このような状況を背景に,日本整形外科学会(理事長=黒川高秀東大教授,会員数約1万8000名)では,広く一般の人々に,骨と関節の健康を思い起こし,正しい知識を持ってもらおうと,10月8日を「骨と関節の日」と定め,「骨と健康-電話相談室」開設をはじめ,全国各地でさまざまな催しを展開している。
 なぜ10月8日が「骨と関節の日」であるかというのは,骨の「ホ」の字が「十と八」に分解されること,さらには10月10日の体育の日に近いことにちなんでいる。この記念日が制定されたのは4年前(1994年)で,その後毎年,春の日本整形外科学会開催の折りに記念シンポジウムなどを開いていたが,一昨年からは一般市民に向けて全国規模でのキャンペ-ンを展開している。

今年のテーマは「リウマチ」

 日本整形外科学会では,今年もさる9月11日,KKR HOTEL TOKYOにて大谷清理事(国立療養所村山病院院長)らの出席のもと,報道関係者を集めて「骨と関節の日」記者発表会を開催した。
 昨年の「スポ-ツと整形外科」に引き続き,今年は「リウマチ-治療の最前線」をテ-マに取り上げ,リウマチ研究の第一人者である整形外科医3名が,リウマチ治療の現状と課題,在宅ケア,リハビリテ-ション,今後の見通しなどについて解説した。
 リウマチ(慢性関節リウマチ)は,30~40歳代という働き盛りに発症することが多く,原因不明で根本的な治療法が確立されていない病気である。そのため,大きな社会的関心を集めているが,女性だけの病気であるとか,必ず日常生活が困難になる,などの誤った認識も多く見られる。しかし,実際には早期発見と早期治療によりそれほど不自由なく日常生活を送ることができ,たとえ進行しても人工関節などにより関節機能を取り戻すことができる。
 日本整形外科学会では「骨と関節の日」の10月8日前後に,リウマチに関する正しい知識を啓蒙することも含め,東京,北海道などで電話相談室を開設した他,全国各地で様々なシンポジウムや講演会を開催し,多くの市民に「骨と関節の日」をアピ-ルした。