医学界新聞

「劇団“9(ナイン)”」が「風のとまる日」を上演


 本紙第2225号(1月27日付)で既報のように,「劇団“9(ナイン)”」(団長=獨協医大越谷病院看護婦長 神尾加代子氏,代表・マネージャー=越谷市立看護専門学校鈴木陽子氏)は,埼玉県看護協会第9支部が中心となって1996年5月に結成。ユニークな演劇活動を通して同支部の施設・会員間の円滑なコミュニケーションの実現を図ってきたが,このたび同支部から独立して独自の活動を続けていくことを劇団員の総意で決定し,さる4月19日に開催された「平成9年度第9支部総会」において,町沢静夫氏(佐々木病院・精神科)による特別講演「看護職のためのメンタル・ヘルスケア―いきいきと働き続けるために」に続いて,「風がとまる日」(脚本・演出=神尾加代子氏)を上演した。
 同劇団は医療従事者で構成されている特色は従来と変わらないものの,今回の独立を契機に劇団の活動目的を,「演劇を通して,医療に携わる専門職業人として医療を取り巻く社会情勢・社会問題に対して認識を持ち,地域社会,さらに社会全体の人々と交流を深め,医療のあり方を追求する場を提供することにより,医療に対しての各自の倫理観を育む役割を担う」と一層明確にしている。
 5幕構成の「風のとまる日」は,アルツハイマー病の母を抱えた姉妹―すでに嫁いだ妹と,母を気遣って結婚をとまどっている姉―をめぐり,姉の婚約者とその母親,そして家政婦,看護婦,隣家の人々が織りなす物語。悲哀に満ちたテーマであるにもかかわらず,ユーモアの中にほのぼのとした生への愛(いとお)しみを醸し出していた。
 なお,同劇団では公演の依頼や団員の加入も受け付けている。詳細は下記まで。
劇団“9”連絡先:〒343 埼玉県越谷市東越谷10-81 越谷市立看護専門学校(鈴木陽子)
 TEL(0489)65-3171/FAX(0489)66-8591