医学界新聞

●「臓器移植法」をめぐる看護婦の声


 臓器移植法が今国会で成立したが,参議院審議中のさる6月5日に,本音と前向きの看護婦のネットワークN3(ナイス・ナース・ネットワーク:代表=小林光恵氏)では,「この法案をめぐり,当事者である看護職者からの声が聞こえない」として座談会を企画,会合がもたれた。
 この座談会には現場の看護職ら13名が参加。隈本邦彦氏(NHK静岡放送局)の司会,進行のもと,救急医療の現場や脳神経外科病棟の実態などが報告されるとともに,臓器移植の是非をめぐり,「医療者として,一個人として,患者・家族の立場として」の議論が,時間を大幅に超えて交わされた。「死は法律で決められない」「移植だけが先行してしまうのでは」という懸念とともに,「医療における決定権が患者・家族の意志に委ねられる初めての法律」との意見も。司会の隈本氏は,「法制化に伴い,現実に患者,家族との狭間に立たされるのは看護職であることを自覚する必要があるだろう」とまとめた。
 なおこの座談会の内容は,N3の機関紙「AKE気分」に掲載される。N3についての問い合わせは下記まで。
ナイス・ナース・ネットワークN3事務局
 〒162 東京都新宿区河田町3-39
 TEL(03)3351-8627