医学界新聞

准看護婦養成停止へ向けての決意も新たに

平成9年度日本看護協会通常総会開催


 日本看護協会〔会長=見藤隆子氏,会員数44万4604人(1997年3月31日現在)〕の平成9年度通常総会が,さる5月14-16日の3日間,神戸市のワールド記念ホール,神戸国際展示場において開催された。今総会は,初日午後から2日目までを本総会とし,3日目に保健婦・助産婦・看護婦の各職能集会が開かれるという日程。全国から約5000名が参加し,平成9年度スローガン,事業計画,予算などの審議や,任期満了に伴う役員の改選などが行なわれた。

見藤会長を3選

 初日には,見藤氏の開会の挨拶ならびに来賓による祝辞のあと,協会長表彰,名誉会員の推薦が行なわれた。またその後,平成8年度事業報告,平成9年度の提出議題提案の説明と役員改選の投票が実施され,会長には見藤氏が3選,さらに第2副会長理事,監事,地区理事,職能委員など36名の新役員が選出された。
 2日目も,引き続き全国からの代議員出席のもとで総会を開催,議題の審議などが行なわれた。その結果,平成9年度のスローガンとして,(1)組織の力を結集し,政策決定に看護職の声を反映させよう,(2)看護マンパワーを充実し,社会の期待にこたえよう,(3)准看護婦制度の廃止に向けて2001年までに准看護婦養成停止を実現しよう,(4)保健・医療・福祉の変化に対応できる看護職の質向上のために生涯学習事業を充実しよう,(5)訪問看護を推進し,人々の生活を重視した地域看護体制を充実させよう,(6)ILO看護職員条約の批准と勧告の適用を促進させよう,の6項目が採択された。
 また平成9年度事業計画は,(1)会員サービスの充実と,都道府県看護協会との連携を強化する,(2)准看護婦養成停止に伴う諸問題に対する取り組みを強化推進する,(3)生涯学習事業の再構築をはかる,(4)専門看護師・認定看護師の認定を推進する,(5)訪問看護事業「プロジェクト500」を推進する,(6)先駆的保健活動の充実・定着をはかる,(7)コンピュータ利用による情報ネットワークの充実・強化をはかる,の7事業を重点に掲げ,協会の組織強化や運営,看護教育や看護実践などに関するさまざまな事業が実施されることが決定された。

准看護婦養成停止に向けて

 昨年12月に,厚生省の准看護婦問題調査検討会は「21世紀初頭の早い段階をめどに,看護婦制度の統合に努めることを提言する」という報告をまとめた。
 これを受けて日本看護協会では看護制度改正推進についての議案の中で,2001年までの准看護婦養成停止をめざすための活動として,(1)すべての看護職者に運動参加の働きかけ,(2)一般市民,マスコミ等の理解と協力を得るためのPR活動,(3)准看護婦・士が看護婦・士の資格取得の道を拡大するために必要な法的整備の促進および予算措置を求める活動,(4)准看護婦養成所の変革に必要な財政支援を求める活動,(5)准看護婦養成所教員への支援を行なうこと,を決定し,積年の目標であった准看護婦養成停止に向けて着実な一歩を踏み出した。