医学界新聞

Healthcare Information World 97開催


 さる3月22-23日の両日,Healthcare Information World 97(主催:IDGワールドエキスポ/ジャパン)が,横浜市のパシフィコ横浜で開催された。「診療支援としてのコンピュータ医用画像とネットワーク」をテーマとしたコンファレンスの他,インターネット情報やバーチャルリアリティを中心とする併設展示会,また,看護セッションとして特別イベント「産婦人科情報処理研究会・日本医療情報学会看護情報システム有志研究会」が催された(本紙2236号に関連記事を既報)。

最先端の医療情報の共有化を論じあう

 今開催のメインとなったコンファレンスでは,今井澄氏(参議院議員・前厚生委員会委員長)が開幕特別講演「理想的な国民医療と医療の情報化」を,また開原成允氏(東大教授)が基調講演「医療の情報化は何をもたらすか」を行なった。さらに坪井栄孝氏(日本医師会長)は特別講演「医療の情報化政策についての提言」で「日本医師会がめざす国民医療情報サービス」を解説し,サラ・マンディール氏(WHO医療情報局ディレクター兼アドバイザー)は「地球規模における医療情報サービスへの道程」と題し,WHOの医療情報化政策と可能性について講演した。
 また,バーチャルリアリティの有効活用,通信衛星を用いた画像診断や遠隔医療など,医療の情報化に関する最先端の事例など17演題の発表があり,今後の可能性について論じられた。

看護教育にCD-ROMを利用

 第41回産婦人科情報処理研究会と第1回日本医療情報学会看護情報システム有志研究会共催の特別イベントは,主に看護婦,保健婦,助産婦を対象として開かれた。
 その中で田間恵實子氏(元日本看護協会専務理事)は,インターネット上の訪問看護振興財団の案内画面を利用し,介護用品や住宅改造例を紹介,またプレゼンテーション用スライドの作り方を実演,解説した。
 引き続き伊藤幸子氏(山口県立大教授)が,「これからは電子教科書の時代。学生にも教材としてCD-ROMに触れる機会を与えたい」と述べ,CD-ROMからの情報検索や患者レポートの作成方法を実演,解説し,4月から2年生を対象に実践する旨を明らかにした。また「看護教育は実践教育の場だが,山口県立大学は附属の病院を持たないために,看護教員は基礎や臨床医学も教えていかなくてはならず,その際の資料としても利用可能」とCD-ROMの有用性を述べ,機器操作方法や市販化されている複数のCD-ROMの内容を紹介した。