医学界新聞

「第8回理学療法ジャーナル賞」贈呈式行なわれる


〔入賞〕山崎裕司氏(聖マリアンナ医大)「回復期心筋梗塞患者に対する筋力トレーニングの安全性」
〔準入賞〕金澤寿久氏(丸茂病院)「老人保健施設における動作能力・訓練目的別グループ訓練の効果」

 「第8回理学療法ジャーナル賞」の贈呈式が,さる2月11日,東京・文京区の学士会分館において行なわれた。
 理学療法士の研究奨励を目的とするこの賞は,「理学療法ジャーナル」誌(医学書院刊)に1年間に掲載された原著論文,依頼論文の中から,毎年1回同誌の編集委員会によって選考される。
 当日は,医学書院金原優社長より山崎氏に賞状,賞金および楯が,また金澤氏には賞状と賞金が手渡された。
 山崎氏の論文は,心筋梗塞患者に筋力トレーニングを実施した場合の効果や安全性に関するもので,この種の研究はアメリカの雑誌では発表が増えてきているが,日本においては先駆的なもの。一方,準入賞の金澤氏の論文は,老人保健施設に入所している高齢者の基本動作能力の訓練効果を調査した報告論文。
 受賞者挨拶の中で山崎氏は,「日本の心筋梗塞患者さんの層は決して欧米と同じではなく,急性期に臥床を契機として歩行ができなくなってしまい,そのために30%くらいの方が通常のリハプログラムも消化できなくなってしまう。そこで,そのような患者さんに筋肉トレーニングを応用できれば症状に合わせた有効な運動療法が展開できるのではないか,と理学療法士として思った」と研究の動機を語った。