医学界新聞

●インターロイキン-15(IL-15)は,慢性関節リウマチにおけるTNF-α産生のT細胞依存性制御を介在する

 慢性関節リウマチ(RA)の病因は不明であり,自己免疫と非抗原依存性過程の両方が関係するとされる。サイトカインであるIL-15のT細胞への影響は知られており,最近,グラスゴー大学のグループがRA患者の滑膜内にIL-15を見いだした。
 彼らは,IL-15がRAでのT細胞の動員と活性化に関係していると考え,IL-15で活性化された血液または滑膜からのT細胞は,細胞株またはRA患者由来の単球とマクロファージによる腫瘍壊死因子(TNF)-α産生を誘導できることを実際に明らかにした。TNF-α産生はIL-15依存性であり,細胞同士の接着が必要だった。これは滑膜のTNF-α産生の調節に果たすIL-15の役割を初めて実証したものであり,RAでのT細胞の起炎症効果は細胞接着依存性,抗原非依存性の過程を経由して起こることを示唆している。

“nature medicine”Feb.1997より