感染症データファイル
世界の状況
世界の20の主要死亡原因の中で感染によるものは16もある。下痢性疾患,肺炎,結核はそれぞれ第2位,第4位,第5位である。これらの多くは,現在の医学で予防や治療が可能である。それなのに,どうしてこんなに死ぬのか。世界のこれらの病気への関わり方が問われている。

世界のインフルエンザワクチンの接種者数は,先進諸国で急激に増えている。しかし,日本においては1994年の接種者数は激減し,1995年もこの傾向にある。わが国のワクチンの品質が悪いわけではなく,むしろ質は高い。ではなぜか?
日本においては,ジャーナリズムがワクチンの判定をするかのような記事をしばしば掲載している。このワクチンは,感染を防御する力は弱いが,発症後,すみやかに回復させるのに大変役に立つことがわかっている。このような接種状況が続くと,日本ではまちがいなくインフルエンザ大流行が起こりうると思われる。
結核
結核は戦後急速に減少した。しかし,1985年頃から減り方が少なくなり,フランス,オランダ,スウェーデンなどでは少し増える傾向さえある。特に大きな問題は外国人の中での感染の流行である。多くは,正規の労働者としての入国ではなく,社会保障もない貧しい条件で働いていると思われる。感染症はこのような層に取りつく。結核の今後の予測を見ると,むしろ世界では増加し,アフリカではエイズが原因となって爆発的な増加が予想されている。(グラフ中,アジアは日本を除く,アメリカは北米,カナダを除く)

ポリオ根絶へ
WHOの拡大予防接種事業(EPI)により,西太平洋地区において日本がイニシアチブをとり,中国で2-3万人というポリオ感染が,3年ほどでほとんどゼロに。 (地図中の点1つがポリオ野性株分離1を表す)

