特集 すぐそこまで来た,医師の働き方改革――課題と実現可能性
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2021年5月,医師の働き方改革関連法が成立した.2024年4月から,全ての勤務医に新たな時間外労働の上限規制が適用されることとなる.原則として時間外労働は「年間960時間以下」が上限となるが,救急医療など地域医療に欠かせない医療機関(いわゆるB水準)や,研修医など集中的に多くの症例を経験する必要がある医師(いわゆるC水準)では「年間1,860時間以下」までの上限が認められている.しかしその場合でも医療機関の管理者にはさまざまな追加的健康確保措置を講じる義務が課され,違反した場合,罰則も規定されている.
地域における病院勤務医が不足し,地域医療を維持していくために,多くの医師が長時間労働に携わらざるを得ないなか,地域医療を守りながら,どのように医師の働き方改革を実現していけるのか,課題は山積である.2024年の法施行目前となった今,どのように地域の医療機関は対応していけばよいのか,識者,関係者の意見をうかがう.
[企画・太田 圭洋]
ISSN | 0385-2377 |
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定価 | 3,300円 (本体3,000円+税) |
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■総論 医師の働き方改革
医師の働き方改革は何をもたらすか
桐野 高明
病院はいかに医師の働き方改革に向き合うか
裵 英洙
■医師の働き方改革のポイント
宿日直許可基準とは
福島 通子
医師の働き方改革とお金の問題
後藤 励
■各病院はどのように対応するか
地域に医師を派遣している大学病院は,医師の働き方改革にどう対応するか
横手 幸太郎・湯澤 由紀夫
地域の公的病院における医師の働き方改革
山本 修一
中小病院の医師の働き方改革への対応と課題
小川 聡子
へき地医療と医師の働き方改革──へき地の医療を守ることはできるか
須藤 泰史
■対談
医師の働き方改革を乗り切るために地域医療の状況を国民が理解するには何が必要か
自見 はなこ × 太田 圭洋
■特別記事
病院における高齢者のポリファーマシー対策の始め方と進め方
秋下 雅弘
●アーキテクチャー×マネジメント[85]
小牧市民病院
安川 智
●これからの病院経営の考え方[9]
付加価値率と関連する生産性指標
小松本 悟
●医療機関で起きる法的トラブルへの対処法[10]
宿日直勤務・宅直勤務が労働時間に当たるかどうか
加古 洋輔
●ケースレポート 地域医療構想と病院[45]
新型コロナウイルス感染症と地域医療体制の在り方北九州医療圏の経験から(1)
松田 晋哉
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