フットケアと足病変治療ガイドブック 第3版
フットケア指導士認定試験指定テキスト!
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足にトラブルを抱えフットケアを必要とする人にどう向き合うか。足のたいせつさを知る医療者へ、多職種からなる日本フットケア学会が総力をあげて編むテキスト。入門者はもちろん、レベルアップを目指す読者のニーズに合わせ、基礎知識から高度な医療技術まで体系的かつ実践的に解説。最新の診療事情・エビデンスをガイドし、ケア受給者を全人的にとらえる視点を読者に授ける。フットケア指導士認定試験の指定テキスト。
編集 | 一般社団法人 日本フットケア学会 |
---|---|
発行 | 2017年04月判型:B5頁:304 |
ISBN | 978-4-260-03036-6 |
定価 | 3,740円 (本体3,400円+税) |
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序
今回上梓された本書は一般社団法人日本フットケア学会認定の公式なガイドブックです.
診療の手引きとなる本書には,下肢切断から命を落とす,重症虚血肢に至らせないための日頃の予防とケアを中心に,病態の中心となる下肢虚血への血行再建のありかたや,切断後の対処まで幅広くシームレスな治療が述べられています.加えて,切断後のリハビリテーションや地域包括ケアにおけるフットケアまで記述され,特に,治療に難渋する糖尿病や透析患者さんへの対処の仕方も別立ての章として詳しく記述されています.
日常から足への関心をもってもらう.自己管理とセルフケアをサポートすることで足に傷は作らない.生じた傷は大きくしない.病態の本質に迫って適切な治療戦略を立てる.足を失った人への心のケアと機能回復のためのリハビリテーションと装具の重要性などを考えていく必要があります.何よりフットケアの目的は歩行ができることです.歩くことは人間の尊厳です.フレイルやサルコペニアまで考えたトータルな治療を目指すため栄養学的な介入の重要性も本書に述べられています.
わが国にあってはポダイアトリスト(足病医)が存在しません.したがって,皮膚科・形成外科・循環器内科・血管外科・整形外科・糖尿病内科・腎臓内科という多くの診療科や,ナースはもとより理学療法士や管理栄養士さらに義肢装具士も加わって多職種によるチーム医療が重要です.
日本フットケア学会は2003(平成15)年10月東京にて,フットケアの重要性をテーマに討議された会合をもって産声を上げました.
その後2013(平成25)年には一般社団法人となり2016(平成28)年12月31日現在,会員数は約3,200名と大きな学会に育っています.このことはフットケアの重要性が広く認知された証しであり,この間に多くの方々の努力により問題点の明確化と新しいエビデンスの構築を目指してきたことを意味しています.こうした内容を踏まえて日本フットケア学会では当学会認定のフットケア指導士を育成しようと,1期生が2009(平成21)年に誕生し,これまでに合計858人が誕生しています.当初は52.9%の合格率でしたが年ごとにレヴェルも上がり昨年誕生した8期生は70%を超える合格率となっています.こうした指導士資格の取得には一定のテキストが必要です.本書はフットケアに関する標準的な情報を提供する指南書となっています.すなわち,本書はこれ1冊でフットケアに関する現在の診療事情・エビデンス・忘れてはならない重要事項を全人的な診療体系のなかに取り入れたものとして仕上がっています.
当学会で認定されたフットケア指導士は院内診療科の,あるいは院外の診療施設間とのコーディネーター役として全国各地で活躍しています.早期発見・早期治療と,このための診療連携は,診療報酬にも反映され始めた,重症化予防にたいへん重要なポイントとなっています.これらのことから,フットケア指導士の役割は益々重要な職務となっています.
本書はこうしたフットケア指導士を目指した受験者にとって必携の書と位置づけられるとともに,診療現場におけるガイドブックとなっています.
2017年2月1日 梅の花咲く頃鎌倉にて
一般社団法人日本フットケア学会理事長
湘南鎌倉総合病院 副院長 小林修三
今回上梓された本書は一般社団法人日本フットケア学会認定の公式なガイドブックです.
診療の手引きとなる本書には,下肢切断から命を落とす,重症虚血肢に至らせないための日頃の予防とケアを中心に,病態の中心となる下肢虚血への血行再建のありかたや,切断後の対処まで幅広くシームレスな治療が述べられています.加えて,切断後のリハビリテーションや地域包括ケアにおけるフットケアまで記述され,特に,治療に難渋する糖尿病や透析患者さんへの対処の仕方も別立ての章として詳しく記述されています.
日常から足への関心をもってもらう.自己管理とセルフケアをサポートすることで足に傷は作らない.生じた傷は大きくしない.病態の本質に迫って適切な治療戦略を立てる.足を失った人への心のケアと機能回復のためのリハビリテーションと装具の重要性などを考えていく必要があります.何よりフットケアの目的は歩行ができることです.歩くことは人間の尊厳です.フレイルやサルコペニアまで考えたトータルな治療を目指すため栄養学的な介入の重要性も本書に述べられています.
わが国にあってはポダイアトリスト(足病医)が存在しません.したがって,皮膚科・形成外科・循環器内科・血管外科・整形外科・糖尿病内科・腎臓内科という多くの診療科や,ナースはもとより理学療法士や管理栄養士さらに義肢装具士も加わって多職種によるチーム医療が重要です.
日本フットケア学会は2003(平成15)年10月東京にて,フットケアの重要性をテーマに討議された会合をもって産声を上げました.
その後2013(平成25)年には一般社団法人となり2016(平成28)年12月31日現在,会員数は約3,200名と大きな学会に育っています.このことはフットケアの重要性が広く認知された証しであり,この間に多くの方々の努力により問題点の明確化と新しいエビデンスの構築を目指してきたことを意味しています.こうした内容を踏まえて日本フットケア学会では当学会認定のフットケア指導士を育成しようと,1期生が2009(平成21)年に誕生し,これまでに合計858人が誕生しています.当初は52.9%の合格率でしたが年ごとにレヴェルも上がり昨年誕生した8期生は70%を超える合格率となっています.こうした指導士資格の取得には一定のテキストが必要です.本書はフットケアに関する標準的な情報を提供する指南書となっています.すなわち,本書はこれ1冊でフットケアに関する現在の診療事情・エビデンス・忘れてはならない重要事項を全人的な診療体系のなかに取り入れたものとして仕上がっています.
当学会で認定されたフットケア指導士は院内診療科の,あるいは院外の診療施設間とのコーディネーター役として全国各地で活躍しています.早期発見・早期治療と,このための診療連携は,診療報酬にも反映され始めた,重症化予防にたいへん重要なポイントとなっています.これらのことから,フットケア指導士の役割は益々重要な職務となっています.
本書はこうしたフットケア指導士を目指した受験者にとって必携の書と位置づけられるとともに,診療現場におけるガイドブックとなっています.
2017年2月1日 梅の花咲く頃鎌倉にて
一般社団法人日本フットケア学会理事長
湘南鎌倉総合病院 副院長 小林修三
目次
開く
序
第1章 足病変とフットケア
1 足病変とは
2 フットケアの目的と意義
第2章 足の解剖生理と病態
1 皮膚
2 骨・関節
3 筋腱・足の動き
4 神経
5 動脈
6 静脈・リンパ
7 バイオメカニクス
第3章 糖尿病患者と足病変
第4章 透析患者と足病変
第5章 関節リウマチ・膠原病疾患と足病変
第6章 高齢者と足病変
第7章 足のアセスメントと検査
1 プライマリケアで必要なアセスメント
A アセスメントの目的と系統的評価方法
B 自覚症状の評価
C 既往歴・生活習慣歴,リスクファクターの評価
D 皮膚・爪のアセスメント
E 骨・筋肉・関節のアセスメント
F 神経・感覚機能のアセスメント
G 循環障害のアセスメント
H 歩行状態のアセスメント
I 潰瘍・感染徴候のアセスメント
J 栄養状態のアセスメント
K 装具のアセスメント
2 二次アセスメント
A 生理機能検査I
B 生理機能検査II
C 放射線画像検査
3 臨床症状分類・病変分類
A 虚血・狭窄
B 糖尿病足病変
第8章 フットケア指導士によるフットケア
1 プライマリケアにおけるフットケア
A スキンケア
B 生活指導(食事・禁煙・マッサージ)
C 靴・除圧と運動療法
D セルフケア指導
2 各種の足病変に対するフットケア
A 皮膚疾患に対するフットケア
B 爪疾患に対するフットケア
C 足変形に対するフットケア
D 末梢動脈疾患に対するフットケア
E 静脈疾患に対するフットケア
F 下肢リンパ浮腫の治療とケア
G リハビリテーション
第9章 足病変に対する治療
1 足病変に対する治療のストラテジー
2 疼痛に対する治療
3 虚血・循環障害に対する治療
A 薬物療法
B 運動療法
C 血管内治療
D 外科的血行再建術
E LDLアフェレシス
F 高気圧酸素治療
G 再生医療
H マゴットセラピー
I 下肢静脈瘤の治療
4 下肢の創傷に対する治療
5 低栄養に対する治療
6 フットウェア
7 心理カウンセリング
第10章 下肢切断
1 切断の適応と判断基準・切断部位
2 義肢・装具
3 リハビリテーション
4 残肢の予防的ケア
第11章 リスクマネジメントとセーフティマネジメント
1 フットケアにおける医療事故
2 フットケアにおける医療の質と安全の確保
第12章 フットケアに関連した社会資源
1 診療のあり方と報酬
2 保険制度(医療保険,介護保険)
3 装具と公的支給制度
第13章 地域包括ケアにおけるフットケアの現状と課題
1 地域包括ケアにおけるフットケアの意義
2 在宅・福祉施設でのフットケア
3 病診連携,病病連携,医療連携
4 多職種介入によるチームアプローチ
5 フットケア指導士によるネットワーク
第14章 これからのフットケア
編集後記
索引
第1章 足病変とフットケア
1 足病変とは
2 フットケアの目的と意義
第2章 足の解剖生理と病態
1 皮膚
2 骨・関節
3 筋腱・足の動き
4 神経
5 動脈
6 静脈・リンパ
7 バイオメカニクス
第3章 糖尿病患者と足病変
第4章 透析患者と足病変
第5章 関節リウマチ・膠原病疾患と足病変
第6章 高齢者と足病変
第7章 足のアセスメントと検査
1 プライマリケアで必要なアセスメント
A アセスメントの目的と系統的評価方法
B 自覚症状の評価
C 既往歴・生活習慣歴,リスクファクターの評価
D 皮膚・爪のアセスメント
E 骨・筋肉・関節のアセスメント
F 神経・感覚機能のアセスメント
G 循環障害のアセスメント
H 歩行状態のアセスメント
I 潰瘍・感染徴候のアセスメント
J 栄養状態のアセスメント
K 装具のアセスメント
2 二次アセスメント
A 生理機能検査I
B 生理機能検査II
C 放射線画像検査
3 臨床症状分類・病変分類
A 虚血・狭窄
B 糖尿病足病変
第8章 フットケア指導士によるフットケア
1 プライマリケアにおけるフットケア
A スキンケア
B 生活指導(食事・禁煙・マッサージ)
C 靴・除圧と運動療法
D セルフケア指導
2 各種の足病変に対するフットケア
A 皮膚疾患に対するフットケア
B 爪疾患に対するフットケア
C 足変形に対するフットケア
D 末梢動脈疾患に対するフットケア
E 静脈疾患に対するフットケア
F 下肢リンパ浮腫の治療とケア
G リハビリテーション
第9章 足病変に対する治療
1 足病変に対する治療のストラテジー
2 疼痛に対する治療
3 虚血・循環障害に対する治療
A 薬物療法
B 運動療法
C 血管内治療
D 外科的血行再建術
E LDLアフェレシス
F 高気圧酸素治療
G 再生医療
H マゴットセラピー
I 下肢静脈瘤の治療
4 下肢の創傷に対する治療
5 低栄養に対する治療
6 フットウェア
7 心理カウンセリング
第10章 下肢切断
1 切断の適応と判断基準・切断部位
2 義肢・装具
3 リハビリテーション
4 残肢の予防的ケア
第11章 リスクマネジメントとセーフティマネジメント
1 フットケアにおける医療事故
2 フットケアにおける医療の質と安全の確保
第12章 フットケアに関連した社会資源
1 診療のあり方と報酬
2 保険制度(医療保険,介護保険)
3 装具と公的支給制度
第13章 地域包括ケアにおけるフットケアの現状と課題
1 地域包括ケアにおけるフットケアの意義
2 在宅・福祉施設でのフットケア
3 病診連携,病病連携,医療連携
4 多職種介入によるチームアプローチ
5 フットケア指導士によるネットワーク
第14章 これからのフットケア
編集後記
索引