基礎看護学[2]
基礎看護技術Ⅰ 第16版

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基礎看護技術I・IIでは、基礎看護技術についてただ単に方法や手順を学ぶのではなく、看護師として必要な判断力(問題解決能力・行動力)を身につけ、その判断に基づく介入および技術を適用できる能力を養うことを目標としています。 本書では、看護の入り口となる「第1章:コミュニケーション」、ケアの入り口となる「第2章:ヘルスアセスメント」、全体の流れを理解する「第3章:看護過程展開の技術」、「第4章:学習支援」という項目立てとし、看護の流れを無理なく理解できる構成としました。 ヘルスアセスメントにおいては、各系統別のアセスメント技術について目的・基礎知識・方法を丁寧に解説し、成人看護学や臨床へとつなげられるものを目ざしました。また、技術を実践する際の「根拠とポイント」を数多く示しました。 看護過程展開の技術や学習支援については、適宜事例を取り入れることによって、理解を深められるように工夫しました。
*「系統看護学講座」は2018年版より新デザインとなりました。
*「系統看護学講座/系看」は株式会社医学書院の登録商標です。
シリーズ 系統看護学講座
有田 清子 / 石田 寿子 / 今井 宏美 / 榎本 麻里 / 後藤 奈津美 / 坂下 貴子 / 茂野 香おる / 丹生 淳子 / 松尾 理代 / 屋宜 譜美子
発行 2015年01月判型:B5頁:344
ISBN 978-4-260-01999-6
定価 2,860円 (本体2,600円+税)
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はしがき

 少子高齢化や疾病構造の変化,医療の高度化など,医療・看護を取り巻く社会の状況は著しく変化しつづけ,保健・医療・福祉のいずれの現場においても看護師への役割期待がますます大きくなっている。社会の期待にこたえるためには,看護師1人ひとりが高度な看護実践力を身につけていかなければならない。しかし,現状としては看護基礎教育(看護専門学校,大学,養成所など)を卒業しただけでは社会のニーズにこたえられるだけの臨床実践力は身につかず,就職後も新人看護職員研修をはじめとした多くの研修などに参加し,さらに多くの知識・技術を身につけていくこととなる。
 「一人前の看護師である」といえるには,臨床で出会うさまざまな状況における患者さんの個別性をアセスメントし,1人ひとりの状態に合わせたオーダーメイドの看護を提供できることが最低の条件であろう。そのためには,アセスメント力に磨きをかけることや,看護技術における応用力やバリエーションが求められる。また,一人前になったとしても,発展しつづける医療技術にすばやく対応していくためには,生涯にわたって学習しつづけていく必要がある。看護学生である皆さんは,生涯続く「学び」の道に一歩足を踏み入れたところであるが,まずは学びつづけていくために必要となる基本的な学習姿勢を身につけてほしい。
 看護職とは,学ぼうとする意志があれば,学ぶことができる環境に恵まれた職種である。これは,法律によって保障されている。「看護師等の人材確保の促進に関する法律」の第5条では,病院などの開設者に対し「看護師等が自ら研修を受ける機会を確保できるようにするために必要な配慮その他の措置を講ずるよう努めなければならない」としている。一方で,看護師にもみずから進んで能力の開発・向上をはかるように求めている(同第6条)。このように,看護師は学習しつづける使命を負った職業であるが,ここで重要なのは「みずから学ぶ」ことである。学ぶということはけっして受け身の姿勢でなりたつものではなく,自己の特性を見きわめ,そのときどきの状況を考えながら学習内容と方法を自分で判断・選択できてこそ,効果的で有意義な学びが可能となる。そして,自分で決めたことを主体的に学べば,学ぶことが楽しく感じられるようになるだろう。
 本書では,看護実践能力の基礎となる基本的な看護技術のうち,いわばその土台部分をなす技術を扱っている。それは,人間関係を形成するためのコミュニケーション技術,看護を計画的に展開する際に最も基本となるヘルスアセスメントの技術,アセスメントに基づく情報を活用して看護を計画的に展開する技術(看護過程の展開),さらには対象者の意志決定や治療への主体的な参画を支援する学習支援の技術である。これらの技術は,あらゆる看護技術を支える要素であり,これらの要素なしに看護援助は成立しない。たとえば,援助を提供しようとする際に,人との関係を築けなければ援助は成立せず,また援助の内容と方法に関しても,科学的な思考のプロセス,つまり問題解決技法に基づいて決定されなければ,看護師の行動はまったく意味のないものに終わってしまう。本書では,とくに「考え方」や「向き合い方」を大事にしている。看護過程展開の技術を例にとれば,クリティカルシンキングやリフレクション(みずからの行為を振り返り,学びとすること)などの考え方の基本をはじめとし,「実際におきていること(情報)の関連性の見出し方」「情報を解釈する方法」「知識の使い方」などを詳細かつ具体的に解説し,初学者が考え方を学ぶ筋道を理解できるように配慮した。
 ともすると,マニュアル的な手順を追い求めたくなる看護技術であるが,本書を用いることによって,読者の皆さんが,みずから学び,考えることのできる学習者になっていただけるよう願っている。
 2014年11月
 著者を代表して
 茂野香おる

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序章 看護技術を学ぶにあたって (茂野香おる)
 A 技術とはなにか
 B 看護技術の特徴
 C 看護技術の範囲
 D 看護技術を適切に実践するための要素
 E 看護技術の発展と修得のために
第1章 コミュニケーション (茂野香おる・今井宏美)
 A コミュニケーションの意義と目的
 B コミュニケーションの構成要素と成立過程
 C 関係構築のためのコミュニケーションの基本
 D 効果的なコミュニケーションの実際
 E コミュニケーション障害への対応
第2章 ヘルスアセスメント (榎本麻里・茂野香おる・有田清子・坂下貴子)
 A ヘルスアセスメントとは
 B 健康歴とセルフケア能力のアセスメント
 C 全体の概観
 D 系統別フィジカルアセスメント
 E 心理・社会状態のアセスメント
第3章 看護過程展開の技術 (坂下貴子・茂野香おる・後藤奈津美)
 A 看護過程とは
 B 看護過程を展開する際に基盤となる考え方
 C 看護過程の各段階
 D 看護記録
第4章 学習支援 (屋宜譜美子・丹生淳子・松尾理代・石田寿子)
 A 看護における学習支援とは
 B 健康に活きることを支える学習支援
 C 健康状態の変化に伴う学習支援
 D 看護の中に含まれる学習支援

巻末資料
動画一覧
索引

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本書の記述の正確性につきましては最善の努力を払っておりますが、この度弊社の責任におきまして、下記のような誤りがございました。お詫び申し上げますとともに訂正させていただきます。

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