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老年看護 病態・疾患論 第4版

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高齢者の生理的特徴を理解することによって、高齢者特有の症状のあらわれ方や罹患しやすい疾患を、関連づけながら学べるテキストです。 同じ疾患でも、若年者とは違う高齢者ならではの観察のポイントがあるなど、看護職がとくに気をつけなければならない高齢者の特徴が明確になるよう心がけました。 高齢者は多数の症候を同時に持っていることが多く、こうした状況を理解することが適切なケアにつながることをふまえ、第2章として「老年症候群」を設けました。 単に疾患を学ぶだけでなく、疾患を学ぶことによって高齢者のQOLを高める看護につなげることに主眼をおいた内容となっています。 第4版では、高齢者医療の各場面での課題、地域でのチーム医療や在宅医療、エンドオブライフケアなど、高齢者医療の今日的テーマがわかる序章・終章を設けました。 本講座の『専門分野 老年看護学』と併用していただくのに最適のテキストです。
*「系統看護学講座/系看」は株式会社医学書院の登録商標です。
シリーズ 系統看護学講座
佐々木 英忠 / 鳥羽 研二 / 荒井 啓行 / 秋下 雅弘
発行 2014年01月判型:B5頁:320
ISBN 978-4-260-01804-3
定価 2,530円 (本体2,300円+税)
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はしがき

本書の目的
 臓器別看護で学んだことをすべて臨床で実践すれば高齢者看護ができるか? といった問いに対し,「できない」と答え,その理由を説明し,老年者の全人的なとらえ方を示すのが本書の主要な目的である。
 成人看護学では,ほとんどの患者は単一の臓器の疾患を患い,その臓器の治癒に向けたケアを行えば,回復し,社会復帰できる。しかし,複数の疾患をあわせもつことが多い高齢者(とくに75歳以上は平均5つ以上の疾患をもつ)の場合は,臓器別看護のエキスパートが積み木細工のようにケアプランを立てても,統一性に欠けたいくつものケアプランが並立し,それらがハーモニーを奏でず,さまざまなケアを同時に行う労力の割には,患者のQOLに貢献しないことが多い。
 これらはすでに,この本の生みの親である前日本老年医学会理事長の佐々木英忠先生が,初版(1999年1月発行)のはしがきに書かれている。

本書の経緯
 本書は第2版まで佐々木先生の単著であった。第3版から東北大学の荒井啓行教授と当時杏林大学教授だった鳥羽が加わり,認知症と認知症に伴う行動・心理症状や,老年症候群について大きく加筆した。

今改訂の要点
 近年の高齢者の医療をめぐる動向では,2012(平成24)年に「在宅医療」が地域計画のなかで重点的な領域に格上げされたことが大きい。
 急性期病院の平均入院期間はすでに2週間程度になっている。平均5つ以上の疾患,平均8つ以上の症候をもつ高齢者の医療は,急性期病院では解決しない。急性期治療後,高齢者の多くは,急病に伴う生活の不便さを引きずったままの退院となる。この,命にかかわらないが生活上不便で苦痛な症状は,「かかりつけの医師」「介護」まかせになることも多い。
 このような急性期医療では見落とされがちな症状,軽視されそうな生活機能との関連を,しっかりと正面からみる医療がなくては,超高齢社会の医療ケアに対する国民の不安は解消しない。これが,本書の根底に貫かれている信念である。
 この信念は,佐々木先生の初版から行間にあふれていたが,今回の改訂では東京大学の秋下雅弘教授に加わっていただき,新たに追加した章やコラムなどのなかで可視化した。
 本書が老年看護をこれから学ぼうとする看護学生や,卒後しばらく経過して新しい知識を吸収したいという看護師のお役に立つことができれば幸いである。
 2013年10月
 著者代表 鳥羽研二

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序章 老年看護に求められるものとは (鳥羽研二)
 A 超高齢社会の現状
 B 高齢者医療の現場における現状と課題
 C 高齢者医療の目標設定・エンドポイント
 D 老年看護に求められる素養
第1章 高齢者の生理的特徴 (佐々木英忠・鳥羽研二)
 A 老化と寿命
 B 認知・知覚機能の老化
 C 呼吸・循環機能の老化
 D 代謝・排泄機能の老化
 E 免疫機能の老化
 F 運動機能の老化
 G 性機能の老化
第2章 老年症候群 (鳥羽研二)
 A おもに急性疾患に付随する症候
 B おもに慢性疾患に付随する症候
 C おもにADL低下に合併する症候
第3章 高齢者のフィジカルアセスメント (佐々木英忠・鳥羽研二・秋下雅弘)
 A 問診
 B 視診
 C 触診
 D 打診
 E 聴診
 F 血圧測定
 G 画像検査
 H 心電図
 I 検査
 J 栄養評価
 K 在宅でのフィジカルアセスメント
第4章 高齢者の疾患の特徴 (荒井啓行・秋下雅弘・佐々木英忠・鳥羽研二)
 A 認知症
 B 精神・神経疾患
 C 循環器系の疾患
 D 呼吸器系の疾患
 E 消化器系の疾患
 F 内分泌・代謝系の疾患
 G 膠原病
 H 血液の疾患
 I 腎・泌尿器系の疾患
 J 運動器の疾患
 K 皮膚の疾患
 L 感覚器の疾患
 M 歯・口腔の疾患
 N 感染症
第5章 高齢者と薬 (荒井啓行・秋下雅弘)
 A 高齢者の安全な薬物治療
 B 高齢者で留意すべきおもな薬物
 C 服薬管理能力のアセスメントと服薬支援
第6章 高齢者のリハビリテーション (佐々木英忠・鳥羽研二)
 A 腰痛症と四肢関節痛のリハビリテーション
 B 寝たきり患者のリハビリテーション
 C 介護予防のリハビリテーション
 D 認知症短期集中リハビリテーション
 E 福祉支援機器・システム
終章 高齢者の在宅医療とエンドオブライフケア (鳥羽研二)
 A 高齢者の在宅医療における看護の役割
 B 終末期における入院医療と在宅医療の連携(在宅医療支援)
 C 認知症患者の在宅医療
 D エンドオブライフケア
 E 高齢者医療におけるチーム医療

索引


Column・NOTE
・高齢者の区分(age norm)
・老いに対する否定的イメージの形成
・高齢者の閉じこもり
・寝たきりプロセス
・認知症に対する薬物療法の問題点
・終末期のケアをさす用語の整理
・胃瘻・人工栄養の導入・中止にからむ現場の葛藤
・エンドポイントとは
・カロリー制限と老化の関係
・家庭血圧
・低T3症候群
・慢性腎臓病(CKD)診療の要点
・骨粗鬆症Q&A
・もの忘れのある高齢者の耳掃除と生活機能の関係
・口腔ケアシステム
・「寝たきり」によって生じるbedrest
・人工的水分・栄養補給法の意思決定プロセスシート

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本書の記述の正確性につきましては最善の努力を払っておりますが、この度弊社の責任におきまして、下記のような誤りがございました。お詫び申し上げますとともに訂正させていただきます。

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