治療薬マニュアル 2008

2008年版の序

　治療薬マニュアルも，2008年版を無事に読者の手元に届けることができてほっとしている．
　思えば，本書も発行以来今版で19版である．このマニュアルの成長に伴い，医療を取り巻く環境も絶えず変化を続け，特に医療技術の分野では大きな進歩が見られた．初版に比べると大幅にボリュームが増した今の本書を見るにつけ，医学の進歩とともに歩んできたという実感が迫ってくる．さて今回，本書の編集体制に大きな変化があった．筆頭編者として初版以来本書を支えてこられた関顕先生のご退任である．これまで多大なる貢献をいただいた先生に深く感謝するとともに，これからのご活躍を祈りたい．
　19回も版を重ねれば，本書自体の性格も変化している．今日では書籍だけにとどまらず，数種のCD-ROM版，電子辞書，LANなど，様々なメディアで提供されている．『治療薬マニュアルファミリー』全体で，実に毎年10万人以上の医療関係者にご愛用いただけるまでに成長した．また，ジェネリックも網羅されているので医療の専門家が日常的に使う‘くすり'の情報集としては，現在最も信頼され幅広く活用されているものと確信している．
　2008年版では，以下の大きな改訂点を設けた．1)新付録「重大な有害反応(副作用)の症状と，原因となる医薬品」を掲載した．2)「処方例」を冒頭に移し，実践的な治療薬ガイドとしての性格を強めた．3)好評を博している「図解 薬理作用」の疾患数を増やした．そして4)用紙の変更により，ページ数はほぼそのままに大幅なスリムアップと軽量化を果たした．
　毎年，実に多くの新薬，それもまったく新しい作用点を持った薬剤が登場してくる．また，既存の薬剤に関する新しい知見の発見も途切れることがない．従来の治療戦略を一新する，これら新薬や新知見といった情報を提供することは，本書の大きな使命である．本書をお手元に置いていただき，よりよい医療のためにエンサイクロペディアとして活用していただければ，編集に携わった人間として大きな喜びである．

　2007年12月
　北原光夫

薬物療法の基本的注意
図解 薬理作用
処方例
添付文書情報と臨床解説
　解熱・鎮痛・抗炎症薬
　片頭痛治療薬
　抗リウマチ薬
　痛風・高尿酸血症治療薬
　催眠・鎮静薬
　抗不安薬
　抗精神病薬
　抗うつ薬・気分安定薬・精神刺激薬
　抗てんかん薬
　パーキンソン病/症候群治療薬
　脳循環代謝改善薬
　筋弛緩薬
　自律神経系作用薬
　抗めまい薬
　強心薬
　抗狭心症薬
　β遮断薬
　Ca拮抗薬
　抗不整脈薬
　利尿薬
　降圧薬
　末梢循環障害治療薬
　高脂血症用薬
　昇圧薬
　アレルギー治療薬
　呼吸促進薬
　気管支拡張薬・喘息治療薬
　鎮咳薬
　去痰薬
　消化性潰瘍治療薬
　健胃・消化薬
　下剤
　止痢・整腸薬
　その他の消化器用薬
　糖尿病用薬
　下垂体ホルモン製剤
　副腎皮質ホルモン製剤
　性ホルモン製剤
　その他のホルモン製剤
　骨粗鬆症・骨代謝改善薬
　ビタミン製剤
　造血と血液凝固関係製剤
　輸液・栄養製剤
　電解質製剤
　灌流用剤
　中毒治療薬
　抗菌薬
　化学療法剤
　抗真菌薬
　抗ウイルス薬
　寄生虫・原虫用薬
　抗癌剤
　免疫抑制剤
　インターフェロン・インターロイキン製剤
　眼科用薬
　耳鼻咽喉科用薬
　口腔用薬
　泌尿・生殖器用薬
　痔治療薬
　皮膚用薬
　酵素製剤
　生物学的製剤
　ワクチン・トキソイド
　麻薬
　麻酔薬
　生活改善薬
　その他の治療薬
　診断用薬
　造影剤
　放射性医薬品
　消毒剤
　漢方薬
新薬
付録
索引

本書の記述の正確性につきましては最善の努力を払っておりますが、この度弊社の責任におきまして、下記のような誤りがございました。お詫び申し上げますとともに訂正させていただきます。

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