• HOME
  • 書籍
  • 細胞診を学ぶ人のために 第4版


細胞診を学ぶ人のために 第4版

もっと見る

細胞診を学ぶための入門書として定評を得てもなお,一層の内容充実と整理を試みた。画像の撮影法や術中迅速細胞診,新たな「腫瘍(癌)取扱い規約」に沿った分類の解説を加え,実用性も向上した。また自己学習に役立つ豊富なカラー写真も多数更新し,写真用索引を作成。資料としても常に手元に置いておきたい1冊。
編集 坂本 穆彦
発行 2005年04月判型:B5頁:388
ISBN 978-4-260-10362-6
定価 10,780円 (本体9,800円+税)
  • 販売終了

お近くの取り扱い書店を探す

  • 更新情報はありません。
    お気に入り商品に追加すると、この商品の更新情報や関連情報などをマイページでお知らせいたします。

  • 目次
  • 書評
  • 正誤表

開く

1 はじめに
 1. 細胞診の役割
 2. 細胞診の現状と展望
 3. 細胞診の検査体制
2 細胞の形態と機能
 1. 細胞と細胞小器官
 2. 細胞分裂
 3. 細胞の分化と組織の形成
3 組織
 1. 上皮組織
 2. 非上皮組織
4 細胞像と組織像の対比
 1. 腫瘍の組織像と細胞の出現様式
 2. 組織像と細胞診における細胞質の分化・成熟
 3. 組織中の特別な構造物と細胞像
5 病理組織学
 1. 新陳代謝の障害による病変
 2. 炎症性病変
 3. 腫瘍性病変
 4. その他の病変
6 標本作製の実際とその理論的背景
 1. 検体採取法
 2. 塗抹および固定法
 3. 染色
7 顕微鏡の基礎知識と操作法
 1. 顕微鏡の種類
 2. 顕微鏡の基礎知識
 3. 顕微鏡の操作法
 4. 写真撮影法
8 スクリーニングと細胞の見方
 1. スクリーニングの目的
 2. スクリーニングの精度管理
 3. スクリーニングの実際
 4. 細胞の見方
 5. 判定・診断と報告

【細胞診断学各論】
9 婦人科領域の細胞診
 1. 婦人科臓器の構造と細胞
 2. 婦人科領域疾患の分類と組織像
 3. 婦人科領域の細胞診
10 呼吸器領域の細胞診
 1. 呼吸器の構造と細胞
 2. 呼吸器疾患の分類と組織像
 3. 上気道の細胞診
 4. 下気道(気管および肺)の細胞診
11 消化器領域の細胞診
 1. 消化器の構造と細胞
 2. 消化器疾患の分類
 3. 口腔の細胞診
 4. 唾液腺の細胞診
 5. 食道の細胞診
 6. 胃の細胞診
 7. 十二指腸,肝,胆,膵の細胞診
 8. 大腸の細胞診
12 泌尿・生殖器の細胞診
 1. 泌尿・生殖器の構造と細胞
 2. 泌尿器系疾患の分類と組織像
 3. 泌尿・生殖器における尿細胞診の意義
 4. 膀胱の細胞診
 5. 腎盂,尿管の細胞診
 6. 尿道の細胞診
 7. 陰茎の細胞診
 8. 腎臓の細胞診
 9. 精巣(睾丸)の細胞診
13 乳腺・甲状腺の細胞診
 I. 乳腺の細胞診
  1. 乳腺の構造と細胞
  2. 乳腺疾患の分類
  3. 乳腺の細胞診(組織像を含む)
 II. 甲状腺の細胞診
  1. 甲状腺の構造と細胞
  2. 甲状腺疾患の分類
  3. 甲状腺の細胞診(組織像を含む)
14 体腔液・脳脊髄液の細胞診
 I. 体腔液の細胞診
  1. 体腔液貯留を伴う疾患
  2. 体腔液の細胞診
 II. 脳脊髄液の細胞診
15 非上皮性組織の細胞診
 1. 非上皮性組織にみられる疾患の分類と組織像
 2. 骨・軟部病変の細胞診
 3. リンパ節の細胞診
 4. 中枢神経系腫瘍の細胞診
参考文献
カラー写真索引
和文索引
欧文索引

開く

最新の知見とともに臨床細胞学を学べる教科書
書評者: 蔵本 博行 (北里大大学院教授・臨床細胞学/北里大名誉教授/日本臨床細胞学会・前理事長)
 臨床細胞学の教科書のベストセラー『細胞診を学ぶ人のために』(編集・坂本穆彦杏林大学病理学教授)が,このたび第4版に改訂された。前回,第3版への改訂は6年前であったと聞くが,この間に細胞診を取り巻く状況は,種々変化してきている。各種癌の取扱い規約の改定やガイドラインが新しく制定された。特に,乳癌や甲状腺癌の報告様式の取り決めなど細胞診に関係の深いものも含まれている。これらの変化に迅速に対応できるのは,本書がベストセラーで,多くの知識欲旺盛な読者に愛されてきたからこそであろう。

 このように,最新の知識が盛り込まれているのはもちろんであるが,本書の最大の特徴は,初心者であっても,臨床細胞学を基礎からじっくり学べ,かつ臨床細胞学を偏りなく把握できることにある。まず総論的に,細胞の役割,細胞の形態的・機能的特徴が述べられ,細胞像と組織像の対比,さらには病理組織学の基礎的知識が学習できるように構成されている。各論では,ともすれば著者によって偏りがちになりやすいのであるが,各領域の細胞診をまんべんなく学べるよう配置されているのが大きな特徴である。これは,すべての領域をカバーする病理系の,本邦を代表する細胞診専門家が分担執筆しておられるためであろう。また,共同執筆者の細胞検査士諸氏も癌研有明病院で診断の第一線にあるばかりでなく,教育の担当者として,細胞診の専門家が何を知っているべきか,日々実感しておられるからこそであろう。

 近年,大学でも4年間のカリキュラムで学士教育として臨床細胞学が教育されるようになってきた。筆者も北里大学医療衛生学部で細胞検査士コースを担当したが,学生の教科書に対するニーズは高かった。各専門領域の最新の啓蒙書が多い中にあって,本書は,学生が利用するのに最も適切な教科書として数少ない良書であろう。

 多数の貴重な症例の写真もさることながら,イラストも多用されている。細胞の特徴を理解するには,まず顕微鏡下の細胞形態を描いてみることであろう。細胞診を学ぶ学徒にとって,このような点も配慮されている本書は親しみやすいのではなかろうか。さらに,この第4版では本文の記載は2色刷となって,一層理解しやすくなった。

 本書を,これから臨床細胞学を学び始める熱心な学徒に,通読する優れた教科書として推薦したい。また,細胞診の専門家にも,最新の臨床細胞学の進歩を確認するために,折に触れてひもとく専門書としてお薦めしたい。

細胞診断学に携わる方々の必携の書
書評者: 福田 利夫 (群馬大学医学部教授・応用検査学)
 本書の初版は1990年に発刊されました。たかが15年前と思われますが,初版の当時は,病理組織学と細胞診断学とを有機的に結び付け,分かりやすく解説した教科書は他に見られず,国内で細胞診を“学ぶ”人たちの新しいスタイルの教科書として好評をもって迎えられました。その後,国内・国外の細胞診領域での進歩にあわせて,今日までの15年間に3回の改訂が行われ,今回の第4版に至っています。

 今回の改訂に携わった執筆者のうち,6名の病理医は細胞診断学に造詣が深く,細胞診専門医・指導医として細胞検査士の教育に深い経験と理解をもたれている方々です。また6名の細胞検査士は全員,癌研究会附属病院に所属し,細胞診の第一線で活躍されているとともに,細胞検査士の教育に多年の経験を蓄積されている方々です。これらの筆者の方々が編集と執筆を担当された坂本穆彦教授の意向のもとで,細胞診の基本から応用までのすべての領域について過不足なく,また初心者にも理解しやすいように解説されています。

 序論に相当する細胞診の役割,現状と展望,検査体制については全面的に書き直され,細胞診の将来展望,医師,検査技師の専門資格としての細胞診の検査体制が具体的に紹介されています。総論の部分では,先に書かれた細胞診の将来展望をふまえて,術中迅速細胞診,デジタルカメラを用いた写真撮影,判定と報告の項目が新規に追加され,検体採取器具についても新しい器具がカラー写真で紹介されています。

 各論の部分では今までの大きな流れを尊重し,“癌(腫瘍)取扱い規約”や表が最新の内容で組み直されるとともに,2色刷となり,その配置もより見やすくなりました。参考文献もほぼ倍加し,現在国内で細胞診を学ぶために使われている教科書のみならず,海外での標準的なテキストも網羅されおり,より深く学ぶためのガイドとなりました。さらに,カラー写真索引が今回の版から掲載され,細胞診カラーアトラスに近い使い方もできるようになりました。この点は坂本先生が著された『臨床細胞診断学アトラス』が絶版で入手困難な現在,細胞検査士をめざす人々に対する暖かい心遣いが感じられます。

 現在,細胞診に関して比較的新しい内容の教科書は国内に数種ありますが,本書のように細胞検査士や細胞診専門医・指導医をめざす人々の教科書として版を重ね,最新の内容で充実感のある教科書は他に類をみないものです。編者,著者の大変なご努力によって改訂されたこの『細胞診を学ぶ人のために 第4版』を細胞診断学に携わる方々の必携の書としてぜひお薦めしたいと思います。

開く

本書の記述の正確性につきましては最善の努力を払っておりますが、この度弊社の責任におきまして、下記のような誤りがございました。お詫び申し上げますとともに訂正させていただきます。

正誤表はこちら

  • 更新情報はありません。
    お気に入り商品に追加すると、この商品の更新情報や関連情報などをマイページでお知らせいたします。