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細胞診を学ぶ人のために 第5版

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子宮頸部細胞診におけるベセスダシステム、標本作製の新しい手法として注目される液状処理検体、さらにバーチャルスライドの概要など、細胞診の今日の変化をとらえた。各論の細胞像は大半が新たに用意されたものであり、典型像一覧として必携の資料。全面カラー化やレイアウトの見直しにより、視覚的に一層理解しやすくなった。細胞診の現在の基本を知るために、ぜひ手にしてほしい書。
編集 坂本 穆彦
発行 2011年03月判型:B5頁:392
ISBN 978-4-260-01185-3
定価 10,780円 (本体9,800円+税)
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第5版の序

 第4版が世に出てから今日に至るまでのわが国の細胞診の最大の変革は,子宮頸部細胞診におけるベセスダシステム2001の公式導入であろう。関連各学術団体の合意のもとに,2009年4月から従来の日母分類からベセスダシステム2001への移行が,準備の整った施設から順次施行されることとなった。日母分類が廃されたことは,全領域に用いられているパパニコロウクラス分類使用の妥当性について改めて問題を提起したことにもなる。
 本書のこのたびの改訂はこのような動きを受けて取り組まれた。一方,子宮頸癌病理組織分類は,異形成や上皮内癌という用語を用いるものからCIN分類へと移行する流れになっている。このため,子宮頸部の章は大幅に書きかえられた。
 今回の改訂にあたっても,細胞診の初学者の学習の助けとなることを願うという本書の初版以来の立場は貫いたつもりである。また本書は,ベテランの方々にも現在の細胞診の動向を知っていただくうえでも有用と思われる。
 初版より第4版まで共に本書を作りあげてきた同志である都竹正文氏が病魔にたおれた。そのため執筆陣に氏のお名前がないのは慚愧に堪えない。深甚なる弔意を表すとともに,本書を氏の霊にささげたい。
 文末ながら第4版に引き続き本版の編集・制作にご尽力いただいた医学書院の菅 陽子さん,福田亘さんには心より謝意を表したい。

 2011年1月
 坂本穆彦

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第1章 はじめに
  1.医療における細胞診
  2.細胞診の現状と未来
  3.細胞診実務の流れ
第2章 細胞の形態と機能
  1.細胞と細胞小器官
  2.細胞分裂
  3.細胞の分化と組織の形成
第3章 組織
  1.上皮組織
  2.非上皮性組織
第4章 細胞像と組織像の対比
  1.腫瘍の組織像と細胞の出現様式
  2.組織像と細胞診における細胞質の分化・成熟
  3.組織中の特別な構造物と細胞像
第5章 病理組織学
  1.新陳代謝の障害による病変
  2.炎症性病変
  3.腫瘍性病変
  4.その他の病変
第6章 標本作製の実際とその理論的背景
 I.検体採取法
  1.検体採取法の種類
  2.臓器別検体採取法
 II.塗抹固定法
  1.塗抹法
  2.固定法
 III.液状化細胞診
 IV.染色法
  1.通常用いられる染色法
  2.必要に応じて用いられる染色法
  3.免疫染色
 V.術中迅速細胞診
  1.術中迅速細胞診の意義
  2.迅速細胞診の標本作製法
  3.迅速細胞診の染色法
第7章 顕微鏡の基礎知識と操作法
  1.顕微鏡の種類
  2.顕微鏡の基礎知識
  3.顕微鏡の操作法
  4.写真撮影とスライド作製
第8章 スクリーニングと細胞の見方
  1.スクリーニングの目的
  2.スクリーニングの精度管理
  3.スクリーニングの実際
  4.細胞の見方
  5.判定・診断と報告

細胞診断学各論
第9章 婦人科領域の細胞診
  1.婦人科臓器の構造と細胞
  2.婦人科領域疾患の分類と組織像
  3.婦人科領域の細胞診
 写真1~45
第10章 呼吸器領域の細胞診
  1.呼吸器の構造と細胞
  2.呼吸器疾患の分類と組織像
  3.上気道の細胞診
  4.下気道(気管および肺)の細胞診
 写真1~30
第11章 消化器領域の細胞診
  1.消化器の構造と細胞
  2.消化器疾患の分類
  3.口腔の細胞診
  4.唾液腺の細胞診
  5.食道の細胞診
  6.胃の細胞診
  7.十二指腸,肝,胆,膵の細胞診
  8.大腸の細胞診
 写真1~21
第12章 泌尿・生殖器の細胞診
  1.泌尿・生殖器の構造と細胞
  2.泌尿器系疾患の分類
  3.泌尿・生殖器における尿細胞診
  4.膀胱の細胞診
  5.腎盂,尿管の細胞診
  6.尿道の細胞診
  7.陰茎の細胞診
  8.腎臓の細胞診
  9.精巣の細胞診
 写真1~18
第13章 乳腺・甲状腺の細胞診
 I.乳腺の細胞診
  1.乳腺の構造と細胞
  2.乳腺疾患の分類
  3.乳腺の細胞診
 II.甲状腺の細胞診
  1.甲状腺の構造と細胞
  2.甲状腺疾患の分類
  3.甲状腺の細胞診
 写真1~26
第14章 体腔液・脳脊髄液の細胞診
 I.体腔液の細胞診
  1.体腔液貯留を伴う疾患
  2.体腔液の細胞診
 II.脳脊髄液の細胞診
 写真1~24
第15章 非上皮性組織の細胞診
  1.非上皮性組織にみられる疾患の分類
  2.骨・軟部病変の細胞診
  3.リンパ節の細胞診
  4.中枢神経系腫瘍の細胞診
 写真1~42

参考文献
カラー写真索引
和文索引
欧文索引

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細胞診を学ぶ人にとって必携の書
書評者: 大野 英治 (倉敷芸術科学大主任教授・生命医科学/加計学園細胞病理学研究所所長)
 このたび,坂本穆彦教授の編集による『細胞診を学ぶ人のために 第5版』が出版された。

 本書は総論127ページ(1~8章),各論219ページ(9~15章)から成り,総論を細胞診専門医でもある6人の認定病理医が担当し,各論をがん研究会有明病院の3人のベテラン細胞検査士が分担執筆している。また今回から新たに,別表として「組織細胞診断に有用な抗体」が巻末に掲載されている。

 総論には「はじめに」「細胞の形態と機能」「組織」「細胞像と組織像の対比」「病理組織学」「標本作製の実際とその理論的背景」「顕微鏡の基礎知識と操作法」「スクリーニングと細胞の見方」といった,これから細胞診を学ぶ人にとっては好都合の基本的内容が網羅されており,特に細胞検査士認定試験の受験予定者は必読であろう。

 各論には,「婦人科領域の細胞診」「呼吸器領域の細胞診」「消化器領域の細胞診」「泌尿・生殖器の細胞診」「乳腺・甲状腺の細胞診」「体腔液・脳脊髄液の細胞診」「非上皮性組織の細胞診」など領域ごとに,シェーマを多用しながら細胞像が説明されている。熟練の細胞診専門家にとっても座右の書として大いに役立つと期待される。

 前版と第5版の大きな違いは,ベセスダシステム2001の導入に伴う「子宮頸部細胞診」の項の大幅な改訂である。子宮頸癌についての異形成や上皮内癌などの従来分類とCIN分類,さらにはベセスダ分類との関係性が解説されていて,HPVとの関連性にも言及されている。細胞診関連の教科書としてはタイムリーである。また192~193ページの喀痰細胞診における「異型扁平上皮細胞の細胞診」の項では,扁平上皮化生細胞,軽度異型扁平上皮細胞,中等度異型扁平上皮細胞,高度異型扁平上皮細胞のそれぞれの鑑別のポイントが平易に説明されていて,実に分かりやすい。

 私事ではあるが,われわれの大学での細胞検査士養成コースでも本書を活用し検査士教育を推進している。本書は細胞診を学ぶ人にとって必携の書である。
細胞診を学ぶ“最初の一歩”として,細胞の見方を“再確認”するのに最良の書
書評者: 畠山 重春 (日本細胞診断学推進協会細胞検査士会・会長/サイパソリサーチセンター代表取締役)
 『細胞診を学ぶ人のために 第5版』〈通称“学ぶ君”〉が,初版の発売された1990年からおよそ21年目となる今年,刊行された。本書は20年以上続くロングセラーである。約20年の間に何人の細胞診をめざす技師,医師が“学ぶ君”の世話になったのであろうか。

 この第5版では新たな執筆陣も多く加わり,まさに時代の流れとともに細胞診への応用範囲が多岐にわたることを裏付ける陣容となっている。目次を見て,細胞診の概論(第1章)に始まり,細胞の基本構造,基礎組織学,病理組織学分野と続き,その後の標本作製法や染色法,顕微鏡操作法,およびスクリーニング技術までの総論部分すべてが,細胞検査士ではなく細胞診専門医が執筆担当していることにふと気付いた。これには若干の戸惑いを覚えたが,興味を引いたのは免疫染色の記述である。細胞診においても免疫染色の応用が不可欠になっている現状に対応し,抗体の入手と保存に関する注意までが細やかに記され,免疫染色を試みる初心者の陥りやすい基本的事項までもが簡潔に記載されている。細胞検査士資格認定試験,あるいは細胞診専門医試験に挑む者にとっては確かに“学ぶ君”である。

 一方,婦人科領域の細胞診(第9章)から,呼吸器,消化器,泌尿・生殖器,乳腺・甲状腺,体腔液・脳脊髄液,非上皮性組織の細胞診(第15章)までの細胞診断学各論はすべて現役の細胞検査士によって執筆されているのには驚きとともに,一人の細胞検査士として誇りを感じた。編集者の坂本穆彦先生が,第一線で細胞を見ている細胞検査士を,いかに高く評価されているかを垣間見たような印象である。

 また,本書は実際の細胞写真も多いが,初学者の理解を深めるためであろう細胞の特徴を表現した説明図がこの第5版からはカラー化され随所で示されていることからも,執筆者の思い入れが伝わってくる。

 婦人科頸部細胞診ではベセスダシステムが一般化の兆しを見せている今日,初めて本格的に細胞診を勉強する人向けの教科書として,本書の果たす役割,その責任も重いと思うが,実に理解しやすく詳細かつ簡略に解説され,重責を見事に果たしている。

 本書後半の各論部分を執筆している技師は,全員が癌専門病院において現場の第一線で活躍する“細胞を読むエキスパート”であるのみならず,自ら研究をも行い,さらに細胞検査士養成のための教育にも携わっているプロ中のプロ集団である。この執筆陣の支えによって,簡略表現にもかかわらず奥深さを感じさせ,他の追随を許さない内容構成になっているものと確信できる。

 細胞検査士を目指す技師,学生のみならず,細胞診専門医を志す医師にとっても,細胞診とは何かということを理解する上で最初の一歩を踏み出すきっかけになる本として,自信を持ってお薦めできる教材である。同時に,ベテラン技師,専門医にとっては,新しい表現,細胞の見方を再確認する参考書としても有用な,価値ある一冊としてぜひとも手元に置いて日々活用されることを望む次第である。

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本書の記述の正確性につきましては最善の努力を払っておりますが、この度弊社の責任に置きまして、下記のような誤りがございました。お詫び申し上げますとともに訂正させていただきます。

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