救急看護学 第6版
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- 救急看護領域の第一線で活躍する著者陣を迎え、救急場面における「看護」独自の視点を盛り込んだテキストです。
- 救急看護は救命救急センターやERなどでのみ行われるものではなく、すべての看護職者が実施対象であるとの考えのもと、3次救急だけにかたよらず、1次・2次救急やプレホスピタル、地域医療や災害医療についても紙面を割きました。
- 救急看護において重要なポイントの1つであるアセスメント方法・処置の流れを、わかりやすくていねいに解説しています。
- 救急場面でとくに看護師に求められる患者やその家族の理解とケアについても、充実した解説を心がけました。
- 第6版では、在宅医療との連携やチーム医療の視点、エンドオブライフケア、意思決定支援などについて、これまで以上に充実させました。
- 基礎教育での学習にはもちろん、臨床に出てからも十分に活用していただける内容となっています。
- 「系統看護学講座/系看」は株式会社医学書院の登録商標です。
シリーズ | 系統看護学講座-別巻 |
---|---|
著 | 山勢 博彰 / 山勢 善江 / 菅原 美樹 / 阿久津 功 / 清村 紀子 / 佐藤 憲明 / 立野 淳子 / 千明 政好 / 冨岡 小百合 / 西澤 健司 / 原田 竜三 / 平尾 明美 / 増山 純二 / 松本 幸枝 |
発行 | 2018年01月判型:B5頁:388 |
ISBN | 978-4-260-03254-4 |
定価 | 2,750円 (本体2,500円+税) |
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- 序文
- 目次
序文
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はしがき
救急医療は医の原点ともいわれる。われわれ人類は先史時代から,急病やけがに対して薬草や祈祷,傷の手当てなどを施してきた。こうした行為は,古代の救急処置そのものであって,現在の医療へとつながる治療とケアのはじまりととらえることができる。救急処置に始まる現代医療は,病気やけがを治すだけでなく,病気を予防し健康の維持と促進を目ざすようになった。昨今の救急医療でも,最初の処置である医療の「入り口」だけではなく,治療後の継続医療や地域医療への橋渡しなどの「出口」にも目が向けられるようになった。これは,諸外国に例をみないスピードで高齢化が進むわが国の医療構造の変化を反映したものでもある。また,傷病者の命を救い社会復帰に導くための一連の流れである「救命の連鎖」において,「心停止の予防」が位置づけられ,救急医療における疾病予防も重要視されるようになった。このように,医の原点として出発した救急医療は,最初の救急処置を主体としながらも,予防から社会復帰までの幅広い視野をもつようになった。
救急看護は,救急医療の変化を受けてその役割が拡大してきた。かつて,救急看護とは,救急病院の初療室や救急外来での看護とみなされてきたが,プレホスピタルケアでの活動,災害急性期の看護,一般市民への救急処置と急病予防の教育などの役割も担うようになった。さらに,地域包括ケアシステムにおける救急看護の果たす役割についても議論されるようになった。それに伴い,救急看護の専門性も掘り下げられ,役割が拡大するだけでなく役割の深化が進んでいる。
本書の基本的コンセプトは,救急看護はすべての看護職が学ぶべきものという考えのもと,看護師として知っておくべき救急看護の知識と技術を解説するというものである。何度か改訂を続けてきたが,このコンセプトはかわっていない。加えて,救急看護の拡大する役割にこたえ,救命救急センターや救急病院での救急看護の展開だけでなく,プレホスピタルケア,院内救急,災害救急,在宅看護領域での救急,学校保健や産業保健における救急などにも言及している。
本書は,看護の初学者の学習に適したテキストであるとともに,拡大と深化が進む救急看護の役割を専門的な視点で解説したテキストでもある。救急看護の基礎から臨床実践へと応用できる知識と技術を,本書から学び取ってほしい。
2017年11月
著者代表 山勢博彰
救急医療は医の原点ともいわれる。われわれ人類は先史時代から,急病やけがに対して薬草や祈祷,傷の手当てなどを施してきた。こうした行為は,古代の救急処置そのものであって,現在の医療へとつながる治療とケアのはじまりととらえることができる。救急処置に始まる現代医療は,病気やけがを治すだけでなく,病気を予防し健康の維持と促進を目ざすようになった。昨今の救急医療でも,最初の処置である医療の「入り口」だけではなく,治療後の継続医療や地域医療への橋渡しなどの「出口」にも目が向けられるようになった。これは,諸外国に例をみないスピードで高齢化が進むわが国の医療構造の変化を反映したものでもある。また,傷病者の命を救い社会復帰に導くための一連の流れである「救命の連鎖」において,「心停止の予防」が位置づけられ,救急医療における疾病予防も重要視されるようになった。このように,医の原点として出発した救急医療は,最初の救急処置を主体としながらも,予防から社会復帰までの幅広い視野をもつようになった。
救急看護は,救急医療の変化を受けてその役割が拡大してきた。かつて,救急看護とは,救急病院の初療室や救急外来での看護とみなされてきたが,プレホスピタルケアでの活動,災害急性期の看護,一般市民への救急処置と急病予防の教育などの役割も担うようになった。さらに,地域包括ケアシステムにおける救急看護の果たす役割についても議論されるようになった。それに伴い,救急看護の専門性も掘り下げられ,役割が拡大するだけでなく役割の深化が進んでいる。
本書の基本的コンセプトは,救急看護はすべての看護職が学ぶべきものという考えのもと,看護師として知っておくべき救急看護の知識と技術を解説するというものである。何度か改訂を続けてきたが,このコンセプトはかわっていない。加えて,救急看護の拡大する役割にこたえ,救命救急センターや救急病院での救急看護の展開だけでなく,プレホスピタルケア,院内救急,災害救急,在宅看護領域での救急,学校保健や産業保健における救急などにも言及している。
本書は,看護の初学者の学習に適したテキストであるとともに,拡大と深化が進む救急看護の役割を専門的な視点で解説したテキストでもある。救急看護の基礎から臨床実践へと応用できる知識と技術を,本書から学び取ってほしい。
2017年11月
著者代表 山勢博彰
目次
開く
第1章 救急看護の概念 (山勢博彰・清村紀子・山勢善江)
A 救急看護とは
B 救急医療体制
C 救急看護の場
D 救急看護と法的・倫理的側面
第2章 救急看護の対象の理解 (山勢博彰・山勢善江)
A 救急患者の特徴
B 救急患者家族の特徴
第3章 救急看護体制と看護の展開 (阿久津功・菅原美樹・千明政好・山勢善江)
A 初期・第二次救急医療における対応
B 第三次救急医療における対応
C 院内急変時における対応
D 在宅療養における対応
E 学校保健における対応
F 災害時における対応
第4章 救急患者の観察とアセスメント (冨岡小百合・原田竜三・平尾明美・菅原美樹・松本幸枝・山勢博彰・清村紀子・千明政好)
A 周囲の状況確認と感染予防対策
B 全身と外観の観察とアセスメント
C 緊急検査
D 脳・神経系
E 呼吸器系
F 循環器系
G 消化器系
H 泌尿器・生殖器系
I 筋・骨格系
J 内分泌・代謝系
K 精神状態
第5章 主要病態に対する救急処置と看護 (佐藤憲明・平尾明美・菅原美樹・松本幸枝・山勢博彰・清村紀子・千明政好・増山純二・山勢善江)
A 心肺停止状態への対応
B 意識障害への対応
C 呼吸障害への対応
D ショック・循環障害への対応
E 急性腹症への対応
F 泌尿器・生殖器障害への対応
G 体液・代謝異常への対応
H 体温異常への対応
I 外傷への対応
J 熱傷への対応
K 中毒への対応
L 溺水への対応
M 刺咬症への対応
N 精神症状への対応
O 脳死状態への対応
第6章 救急時の看護技術 (冨岡小百合・佐藤憲明・立野淳子・山勢博彰)
A 救急患者の搬送
B 止血法
C 酸素投与
D 人工呼吸
E 気管切開
F 吸引
G 血管確保
H 輸液と輸血
I 心電図モニター
J 観血的動脈圧モニター
K 膀胱内留置カテーテル
L 胃管挿入・胃洗浄
M 穿刺
N 整復固定と牽引
O 創傷処置
P 開胸心マッサージ
第7章 救急時に使用される医薬品 (西澤健司)
A 救急時の医薬品使用時の注意点
B 救急時に使用するおもな医薬品
付録 動画一覧
索引
A 救急看護とは
B 救急医療体制
C 救急看護の場
D 救急看護と法的・倫理的側面
第2章 救急看護の対象の理解 (山勢博彰・山勢善江)
A 救急患者の特徴
B 救急患者家族の特徴
第3章 救急看護体制と看護の展開 (阿久津功・菅原美樹・千明政好・山勢善江)
A 初期・第二次救急医療における対応
B 第三次救急医療における対応
C 院内急変時における対応
D 在宅療養における対応
E 学校保健における対応
F 災害時における対応
第4章 救急患者の観察とアセスメント (冨岡小百合・原田竜三・平尾明美・菅原美樹・松本幸枝・山勢博彰・清村紀子・千明政好)
A 周囲の状況確認と感染予防対策
B 全身と外観の観察とアセスメント
C 緊急検査
D 脳・神経系
E 呼吸器系
F 循環器系
G 消化器系
H 泌尿器・生殖器系
I 筋・骨格系
J 内分泌・代謝系
K 精神状態
第5章 主要病態に対する救急処置と看護 (佐藤憲明・平尾明美・菅原美樹・松本幸枝・山勢博彰・清村紀子・千明政好・増山純二・山勢善江)
A 心肺停止状態への対応
B 意識障害への対応
C 呼吸障害への対応
D ショック・循環障害への対応
E 急性腹症への対応
F 泌尿器・生殖器障害への対応
G 体液・代謝異常への対応
H 体温異常への対応
I 外傷への対応
J 熱傷への対応
K 中毒への対応
L 溺水への対応
M 刺咬症への対応
N 精神症状への対応
O 脳死状態への対応
第6章 救急時の看護技術 (冨岡小百合・佐藤憲明・立野淳子・山勢博彰)
A 救急患者の搬送
B 止血法
C 酸素投与
D 人工呼吸
E 気管切開
F 吸引
G 血管確保
H 輸液と輸血
I 心電図モニター
J 観血的動脈圧モニター
K 膀胱内留置カテーテル
L 胃管挿入・胃洗浄
M 穿刺
N 整復固定と牽引
O 創傷処置
P 開胸心マッサージ
第7章 救急時に使用される医薬品 (西澤健司)
A 救急時の医薬品使用時の注意点
B 救急時に使用するおもな医薬品
付録 動画一覧
索引
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