飲んで大丈夫?やめて大丈夫?
妊娠・授乳と薬の知識 第2版
最新ガイドライン・薬剤情報の内容を盛り込み、リニューアル!
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妊娠・授乳中は、薬やサプリメントの使用に不安を抱えることの多い時期。本書は、妊産婦からの質問にどのように対応するとよいか、Q&A形式でわかりやすく解説する。改訂第2版では、妊娠期・授乳期に相談の多い嗜好品(カフェインなど)の解説をはじめ、近年増加傾向にある「炎症性腸疾患」についての記述を新たに追加した。最新ガイドラインや添付文書の内容も盛り込んだ好評書待望のリニューアル。
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序文
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第2版の序(村島温子)/本書の使い方(山内 愛)
第2版の序
初版が上梓されてから,約6年が経ちました。初版の序で,「助産師さんは薬物治療に直接かかわることは少ないものの,妊婦さんや褥婦さんに最も近い存在であるため,薬に関して相談を受ける機会は意外と多いのではないでしょうか」と書きました。今回第2版を発刊するときいて,やはり助産師さんにもニーズのある分野であると再認識しています。
これまで,母性内科医として薬物治療を必要とする妊婦さんや褥婦さんに接してきて感じるのは,妊娠中の薬の使用=児の先天異常,というイメージが強いことです。これは一般人ばかりでなく,医療従事者にとっても同様でしょう。薬は本来「毒にも薬にもなる」ものであり,使用することのメリットとデメリットを勘案して使用すべきものです。妊娠中は母体のみならず胎児への影響も考慮しなくてはなりませんので,その判断はさらに難しくなります。
本書は助産師さんが妊婦さんや褥婦さんに質問された場面を想定して質問を作成しており,実臨床に則した内容になっているはずです。皆さんに「妊娠中・授乳中の薬の使用」について理解し,日常業務に役立ててもらおうと,臨床の経験も豊富な助産師・薬剤師・医師のパワーを結集して作成しました。
妊娠と薬情報センターの活動も12年目に入りました。著書や講演などを通じ,医師や薬剤師さんにおける「妊娠・授乳中の薬物治療の考えかた」の普及に少なからず貢献できているとは思いますが,助産師さんを通して,さらに普及していくことを望んでいます。
本書がお母さんと赤ちゃんの健やかな未来につながることを願っています。
2017年3月
村島温子
本書の使い方
医療の進歩や高齢出産の増加により,さまざまな合併症を抱え,内服しながら妊娠・出産・育児をする女性は増えています。そのため,助産師・看護師の保健指導やケアも複雑化しています。皆さんも「薬を飲んでいるから奇形をもった子どもが生まれる・生まれた」「薬を飲んだから妊娠,出産,母乳をあきらめる」という話を聞いたり,相談を受けたりしたことがあるのではないでしょうか。もしも,そのような話を聞いたときは,適切なアドバイスや,しっかりカウンセリングをする必要があると思います。
本書は医学書院発行の『助産雑誌』に,2008年4月から2009年3月の1年間にわたって掲載された連載をベースにしており,総論と各論(1)~(12)で構成されています。
総論では妊娠・授乳と薬についての基本的な知識の確認ができるようになっています。
各論は,皆さんが妊婦・褥婦とかかわるなかでよく遭遇する疾患について,事例をあげてQ&A形式で,助産師・看護師としてどのように対応すればよいか紹介しています。また,項目ごとに薬剤師のワンポイントアドバイスを載せ,より深い知識を得ることができるようになっています。
第2版刊行にあたって連載時にはなかった項目も追加し,薬の情報もアップデートして,より皆さんが活用しやすいように構成しました。妊婦・褥婦にかかわる多くの看護職の方々にご利用いただけることを願っております。
2017年3月
山内 愛
第2版の序
初版が上梓されてから,約6年が経ちました。初版の序で,「助産師さんは薬物治療に直接かかわることは少ないものの,妊婦さんや褥婦さんに最も近い存在であるため,薬に関して相談を受ける機会は意外と多いのではないでしょうか」と書きました。今回第2版を発刊するときいて,やはり助産師さんにもニーズのある分野であると再認識しています。
これまで,母性内科医として薬物治療を必要とする妊婦さんや褥婦さんに接してきて感じるのは,妊娠中の薬の使用=児の先天異常,というイメージが強いことです。これは一般人ばかりでなく,医療従事者にとっても同様でしょう。薬は本来「毒にも薬にもなる」ものであり,使用することのメリットとデメリットを勘案して使用すべきものです。妊娠中は母体のみならず胎児への影響も考慮しなくてはなりませんので,その判断はさらに難しくなります。
本書は助産師さんが妊婦さんや褥婦さんに質問された場面を想定して質問を作成しており,実臨床に則した内容になっているはずです。皆さんに「妊娠中・授乳中の薬の使用」について理解し,日常業務に役立ててもらおうと,臨床の経験も豊富な助産師・薬剤師・医師のパワーを結集して作成しました。
妊娠と薬情報センターの活動も12年目に入りました。著書や講演などを通じ,医師や薬剤師さんにおける「妊娠・授乳中の薬物治療の考えかた」の普及に少なからず貢献できているとは思いますが,助産師さんを通して,さらに普及していくことを望んでいます。
本書がお母さんと赤ちゃんの健やかな未来につながることを願っています。
2017年3月
村島温子
本書の使い方
医療の進歩や高齢出産の増加により,さまざまな合併症を抱え,内服しながら妊娠・出産・育児をする女性は増えています。そのため,助産師・看護師の保健指導やケアも複雑化しています。皆さんも「薬を飲んでいるから奇形をもった子どもが生まれる・生まれた」「薬を飲んだから妊娠,出産,母乳をあきらめる」という話を聞いたり,相談を受けたりしたことがあるのではないでしょうか。もしも,そのような話を聞いたときは,適切なアドバイスや,しっかりカウンセリングをする必要があると思います。
本書は医学書院発行の『助産雑誌』に,2008年4月から2009年3月の1年間にわたって掲載された連載をベースにしており,総論と各論(1)~(12)で構成されています。
総論では妊娠・授乳と薬についての基本的な知識の確認ができるようになっています。
各論は,皆さんが妊婦・褥婦とかかわるなかでよく遭遇する疾患について,事例をあげてQ&A形式で,助産師・看護師としてどのように対応すればよいか紹介しています。また,項目ごとに薬剤師のワンポイントアドバイスを載せ,より深い知識を得ることができるようになっています。
第2版刊行にあたって連載時にはなかった項目も追加し,薬の情報もアップデートして,より皆さんが活用しやすいように構成しました。妊婦・褥婦にかかわる多くの看護職の方々にご利用いただけることを願っております。
2017年3月
山内 愛
目次
開く
総論 妊娠・授乳と薬
基本事項をおさえよう!
安全性の評価・臨床への応用
授乳中の薬の使用に関する基本的な考え方
相談機関を知っておこう!
各論 妊産婦さんの不安と疑問に答えよう
1 かぜ(感冒)症候群・胃痛・頭痛-解熱・鎮痛薬と抗菌薬
CASE 1 かぜ(感冒)症候群
CASE 2 胃痛,消化器症状
CASE 3 頭痛薬・鎮痛薬
妊娠していても服用できる薬はある
2 消化器症状-便秘,下痢,炎症性腸疾患
CASE 1 便秘
CASE 2 嘔吐と下痢
CASE 3 炎症性腸疾患-妊娠中の管理
CASE 4 炎症性腸疾患-授乳中の服薬
よくある症状だからこそ,その人に合った指導を
3 糖尿病
糖尿病治療薬と妊娠の関係
CASE 1 2型糖尿病-経口薬からインスリンへの変更
CASE 2 1型糖尿病-インスリンの継続
CASE 3 食事がとれない場合の対応
CASE 4 妊娠糖尿病-インスリン依存への不安
CASE 5 糖尿病-出産後の対応
安心して妊娠期を過ごせるようなかかわりを
4 高血圧
CASE 1 慢性高血圧だが降圧薬の胎児への影響が心配
CASE 2 その降圧薬は禁忌?
CASE 3 降圧薬の母乳への影響が心配
どんな不安を感じているかまずは聞くことからはじめよう
5 アレルギー・皮膚科疾患
CASE 1 花粉症
CASE 2 妊娠性痒疹
CASE 3 アトピー性皮膚炎
薬の上手な利用でストレスのない妊娠生活を
6 呼吸器疾患
CASE 1 喘息:治療薬の中断
CASE 2 喘息:治療薬の母乳への影響
CASE 3 発熱を伴う呼吸器疾患
子どもへの影響を懸念する母親の気持ちに寄り添うケアを
7 甲状腺疾患
CASE 1 妊娠中の服用に対する不安
CASE 2 ヨードの過剰曝露防止
CASE 3 授乳中の服用管理
服用に不安を与えないためにも正しい知識を踏まえてかかわろう
8 膠原病
CASE 1 全身性エリテマトーデス治療薬
CASE 2 ステロイド薬と授乳との関係
CASE 3 関節リウマチ治療薬
原疾患のコントロールと妊娠との両立を支援する
9 てんかん
CASE 1 抗てんかん薬服用中の妊娠
CASE 2 自己判断での服薬中止
CASE 3 抗てんかん薬の母乳移行
思春期・妊娠前からのかかわりで意識づけを
10 精神疾患
CASE 1 向精神薬の胎児への影響
CASE 2 うつ病の症状コントロールと胎児・新生児への影響
CASE 3 産後うつ病治療の母乳への影響
よき理解者,よき相談相手になろう
11 嗜好品・サプリメント
CASE 1 タバコ
CASE 2 カフェイン
CASE 3 アルコール
嗜好品とのつき合い方は,その人の生活習慣も考えながら
CASE 4 栄養補助としてのサプリメント
CASE 5 美容目的でのサプリメント
現代の食生活とサプリメントは切り離せない
12 ワクチン
CASE 1 妊娠中のワクチン接種-麻疹ワクチン
CASE 2 インフルエンザワクチン
CASE 3 産後のワクチン接種
妊娠・産褥期に関係するワクチンについて知ろう
おわりに
索引
PLUS 1
・いつまでなら飲める?妊娠時期と薬とのフクザツな関係
・市販薬って?-市販薬の注意点
・高血圧の薬はたくさんあって…
・塗り方次第で効き目も変わる!?
・喘息治療薬の種類は?
・甲状腺疾患と薬
・リウマチの治療に使用される薬
・抗てんかん薬の歴史をたどる
・精神疾患に使用する薬-睡眠薬・抗精神病薬
・たかが食品,されど食品-妊娠中のサプリメント使用を考える
・ワクチンのキホン
基本事項をおさえよう!
安全性の評価・臨床への応用
授乳中の薬の使用に関する基本的な考え方
相談機関を知っておこう!
各論 妊産婦さんの不安と疑問に答えよう
1 かぜ(感冒)症候群・胃痛・頭痛-解熱・鎮痛薬と抗菌薬
CASE 1 かぜ(感冒)症候群
CASE 2 胃痛,消化器症状
CASE 3 頭痛薬・鎮痛薬
妊娠していても服用できる薬はある
2 消化器症状-便秘,下痢,炎症性腸疾患
CASE 1 便秘
CASE 2 嘔吐と下痢
CASE 3 炎症性腸疾患-妊娠中の管理
CASE 4 炎症性腸疾患-授乳中の服薬
よくある症状だからこそ,その人に合った指導を
3 糖尿病
糖尿病治療薬と妊娠の関係
CASE 1 2型糖尿病-経口薬からインスリンへの変更
CASE 2 1型糖尿病-インスリンの継続
CASE 3 食事がとれない場合の対応
CASE 4 妊娠糖尿病-インスリン依存への不安
CASE 5 糖尿病-出産後の対応
安心して妊娠期を過ごせるようなかかわりを
4 高血圧
CASE 1 慢性高血圧だが降圧薬の胎児への影響が心配
CASE 2 その降圧薬は禁忌?
CASE 3 降圧薬の母乳への影響が心配
どんな不安を感じているかまずは聞くことからはじめよう
5 アレルギー・皮膚科疾患
CASE 1 花粉症
CASE 2 妊娠性痒疹
CASE 3 アトピー性皮膚炎
薬の上手な利用でストレスのない妊娠生活を
6 呼吸器疾患
CASE 1 喘息:治療薬の中断
CASE 2 喘息:治療薬の母乳への影響
CASE 3 発熱を伴う呼吸器疾患
子どもへの影響を懸念する母親の気持ちに寄り添うケアを
7 甲状腺疾患
CASE 1 妊娠中の服用に対する不安
CASE 2 ヨードの過剰曝露防止
CASE 3 授乳中の服用管理
服用に不安を与えないためにも正しい知識を踏まえてかかわろう
8 膠原病
CASE 1 全身性エリテマトーデス治療薬
CASE 2 ステロイド薬と授乳との関係
CASE 3 関節リウマチ治療薬
原疾患のコントロールと妊娠との両立を支援する
9 てんかん
CASE 1 抗てんかん薬服用中の妊娠
CASE 2 自己判断での服薬中止
CASE 3 抗てんかん薬の母乳移行
思春期・妊娠前からのかかわりで意識づけを
10 精神疾患
CASE 1 向精神薬の胎児への影響
CASE 2 うつ病の症状コントロールと胎児・新生児への影響
CASE 3 産後うつ病治療の母乳への影響
よき理解者,よき相談相手になろう
11 嗜好品・サプリメント
CASE 1 タバコ
CASE 2 カフェイン
CASE 3 アルコール
嗜好品とのつき合い方は,その人の生活習慣も考えながら
CASE 4 栄養補助としてのサプリメント
CASE 5 美容目的でのサプリメント
現代の食生活とサプリメントは切り離せない
12 ワクチン
CASE 1 妊娠中のワクチン接種-麻疹ワクチン
CASE 2 インフルエンザワクチン
CASE 3 産後のワクチン接種
妊娠・産褥期に関係するワクチンについて知ろう
おわりに
索引
PLUS 1
・いつまでなら飲める?妊娠時期と薬とのフクザツな関係
・市販薬って?-市販薬の注意点
・高血圧の薬はたくさんあって…
・塗り方次第で効き目も変わる!?
・喘息治療薬の種類は?
・甲状腺疾患と薬
・リウマチの治療に使用される薬
・抗てんかん薬の歴史をたどる
・精神疾患に使用する薬-睡眠薬・抗精神病薬
・たかが食品,されど食品-妊娠中のサプリメント使用を考える
・ワクチンのキホン