解剖学カラーアトラス 第8版
他の追随を許さない、鮮明・美麗な標本写真による人体解剖学アトラス
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繊細・緻密な剖出技術と鮮明な標本写真によるこの人体解剖学アトラスは、日独の著者らの協働によって成し遂げられた、唯一無比、空前絶後の芸術品である。人体の全身にわたる精妙な構造をあるがままに目にした読者は、やがて生命そのものへの畏怖の境地に辿りつくであろう。全世界の医療従事者のために編纂されたアトラスの改訂第8版。
著 | J. W. Rohen / 横地 千仭 / E. Lütjen-Drecoll |
---|---|
発行 | 2016年02月判型:A4頁:584 |
ISBN | 978-4-260-02443-3 |
定価 | 13,200円 (本体12,000円+税) |
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序文
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第8版 序(J. W. Rohen,C. Yokochi,E. Lütjen-Drecoll)/日本語版について(横地千仭)
第8版 序
人体の多様な臓器の構造と形態についての知識は,医学生の教育のみならず,病気の診断・治療に従事しているすべての医療者にとって必須のものである.この知識は,卓越したアトラスを側に置いた人体解剖によって最良のものが得られる.今日,数多くの優れた解剖アトラスが存在するが,その大部分はほとんどを模式図によって表現したものであり,実際の人体を十分に反映したものとは言い難い.対照的に,実際の解剖標本の写真は,より実物に近く,人体各部の大きさの比率や空間的な広がりについて,迫真性をもって伝えるのに優れている.
とはいえ,模式図はそういった写真への私たちの理解をより助けてくれるのもまた事実である.そこでこのたびの改訂第8版では,模式図の数を大幅に増やし,とくに写真と対照させる模式図については古いものを新しいものに差し替えた.
本アトラスが教えたいのは,読者への人体の形態への理解の助けだけではない.われわれ著者らは,解剖学的な構造と機能についての系統的な学習の手法を提供したいと望んでいる.それゆえ,局所解剖の章は必然的に,解剖学的構造の系統的な解説の後に置かれることとなった.例えば,学生は四肢の解剖の前に,骨,関節,筋肉,神経,血管の系統的な解剖が学べるようになっている.
解剖体の同じ部位を,MRIやCTといった臨床画像と相関させて直接に見比べることで,最も高い学習効果が得られる.今回の改訂では,解剖断面と関連する水平面で撮像されたMRI画像を多数追加した.加えて,本アトラスの臨床的な有用性が増すことを期待し,心臓の機能MRI画像とそれに関連する解剖部位を収載した.
このたびの改訂にあたっても,著者らは人体というものがいかに精緻で美しく,また実に見事に作られたものであるかということに,改めて気づかされた.本書が人体の組織や器官による解剖学的構造の圧倒されるような美しさの真価について,学生や医師が認識する助けとなるならば,その目的は達せられたといえよう.このような解剖学的構造に深い関心を持ち,それに感嘆することは“人間への愛”をはぐくみ,それは日々の医療に従事する人を鼓舞する揺るぎのない感性となるだろう.
2015年 春
J. W. Rohen
C. Yokochi
E. Lütjen-Drecoll
日本語版について
本書に使用されている和名は,原則として日本解剖学会によって制定された用語に従っている(日本解剖学会[監修]:解剖学用語(改訂13版),医学書院,2007).
本書は英文版に準拠しているが,日本語版では必要に応じて解説を付け加え,理解を容易にするように努めた.限られたスペースのなかで,和英両用語を併記しているために,今版でもところによってはかなり混雑した文字組みとなり,多少読みにくいところもあると思うが,ご容赦願いたい.
巻末の付録は,これも日本語版のみのもので,これらによって無味乾燥になりがちな解剖学について少しでも興味を持っていただければ幸いである.
最後に日本語版の作成について多大なる協力をいただいた医学書院の関係の方々に心から感謝するものである.
2016年1月
横地千仭
第8版 序
人体の多様な臓器の構造と形態についての知識は,医学生の教育のみならず,病気の診断・治療に従事しているすべての医療者にとって必須のものである.この知識は,卓越したアトラスを側に置いた人体解剖によって最良のものが得られる.今日,数多くの優れた解剖アトラスが存在するが,その大部分はほとんどを模式図によって表現したものであり,実際の人体を十分に反映したものとは言い難い.対照的に,実際の解剖標本の写真は,より実物に近く,人体各部の大きさの比率や空間的な広がりについて,迫真性をもって伝えるのに優れている.
とはいえ,模式図はそういった写真への私たちの理解をより助けてくれるのもまた事実である.そこでこのたびの改訂第8版では,模式図の数を大幅に増やし,とくに写真と対照させる模式図については古いものを新しいものに差し替えた.
本アトラスが教えたいのは,読者への人体の形態への理解の助けだけではない.われわれ著者らは,解剖学的な構造と機能についての系統的な学習の手法を提供したいと望んでいる.それゆえ,局所解剖の章は必然的に,解剖学的構造の系統的な解説の後に置かれることとなった.例えば,学生は四肢の解剖の前に,骨,関節,筋肉,神経,血管の系統的な解剖が学べるようになっている.
解剖体の同じ部位を,MRIやCTといった臨床画像と相関させて直接に見比べることで,最も高い学習効果が得られる.今回の改訂では,解剖断面と関連する水平面で撮像されたMRI画像を多数追加した.加えて,本アトラスの臨床的な有用性が増すことを期待し,心臓の機能MRI画像とそれに関連する解剖部位を収載した.
このたびの改訂にあたっても,著者らは人体というものがいかに精緻で美しく,また実に見事に作られたものであるかということに,改めて気づかされた.本書が人体の組織や器官による解剖学的構造の圧倒されるような美しさの真価について,学生や医師が認識する助けとなるならば,その目的は達せられたといえよう.このような解剖学的構造に深い関心を持ち,それに感嘆することは“人間への愛”をはぐくみ,それは日々の医療に従事する人を鼓舞する揺るぎのない感性となるだろう.
2015年 春
J. W. Rohen
C. Yokochi
E. Lütjen-Drecoll
日本語版について
本書に使用されている和名は,原則として日本解剖学会によって制定された用語に従っている(日本解剖学会[監修]:解剖学用語(改訂13版),医学書院,2007).
本書は英文版に準拠しているが,日本語版では必要に応じて解説を付け加え,理解を容易にするように努めた.限られたスペースのなかで,和英両用語を併記しているために,今版でもところによってはかなり混雑した文字組みとなり,多少読みにくいところもあると思うが,ご容赦願いたい.
巻末の付録は,これも日本語版のみのもので,これらによって無味乾燥になりがちな解剖学について少しでも興味を持っていただければ幸いである.
最後に日本語版の作成について多大なる協力をいただいた医学書院の関係の方々に心から感謝するものである.
2016年1月
横地千仭
目次
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1 総論
内臓,触診点,定位線の位置/体の面と方向/骨/関節/筋/
肩関節(MR像とX線写真)/循環系の構成/リンパ系の構成/神経系の構成
2 頭頸部
2.1 頭蓋
頭蓋骨/分解した頭蓋(I)/頭蓋冠/頭蓋底/新生児の頭蓋/
頭蓋の正中断面/分解した頭蓋(II)/骨鼻腔/鼻中隔と鼻軟骨/
上顎骨,下顎骨と歯/乳歯と永久歯/下顎骨と歯列弓
2.2 咀嚼器と咀嚼筋
顎関節/顎関節の靱帯/顎関節と咀嚼筋/顔面筋/舌骨上筋と舌骨下筋/
頭部の前頭断面/顎動脈
2.3 脳と頭部
脳と脳神経/頭部の表層
2.4 脳・感覚器
頭皮と髄膜/髄膜/脳/平衡聴覚器/視覚器
2.5 口腔・鼻腔
鼻腔/鼻腔の断面/口腔/
2.6 頸部とその器官
頭頸部の正中断面/頸部の筋/喉頭/咽頭と口腔/咽頭/頭頸部の脈管/頸部
3 体幹
骨格/頭蓋と脊柱/椎骨/胸郭と脊柱/脊柱の靱帯/体の前壁の体表解剖/
胸壁/胸腹壁/鼡径部/背部の体表解剖/背部/脊髄/脊柱の腰部と脊髄/
脊柱管と脊髄/項部
4 胸部内臓
胸部内臓の位置/呼吸器系/心臓/胸部内臓の局所解剖/縦隔後部/横隔膜/
胸部の前頭断面/胸部の水平断面/乳腺
5 腹部内臓
腹部内臓の位置/前腹壁/胃/膵臓および胆管/肝臓/脾臓/
腹部臓器の脈管/腹部内臓/後腹壁/腹部の水平断面/腹部の正中断面
6 尿生殖器系,腹膜後器官
泌尿器系の位置/腎臓/腹膜後臓器/男性尿生殖器/男性外生殖器/
男性内生殖器/男性の骨盤部/男性の尿生殖部と肛門部/
女性尿生殖器/女性内生殖器/女性外生殖器/鼡径部と女性外生殖器/
女性の尿生殖部と肛門部/女性の骨盤部
7 上肢
上肢帯と胸郭/肩甲骨と鎖骨/上肢帯と上腕骨/上腕骨/前腕の骨/
手と前腕の骨/手の骨/肩の関節と靱帯/肘の関節と靱帯/手と手根の靱帯/
肩と上腕の筋/上腕の筋/前腕と手の筋/上肢の動脈/上肢の静脈/
上肢の神経/上肢の体表解剖/頸部および肩/肩/肩と上腕/腋窩部/
腕神経叢/上腕/肘部/前腕と手/手/上肢の断面
8 下肢
下肢帯と下肢の骨格/骨盤/骨盤の骨/股関節の骨/大腿骨/下腿の骨/
膝関節の骨/足の骨/骨盤と股関節の靱帯/膝関節/膝関節の靱帯/
足根の関節/足の靱帯/大腿の筋/下腿の屈筋/下腿と足の筋/足底の筋/
下肢の動脈/下肢の皮静脈/腰仙骨神経叢/下肢の体表解剖/大腿の前面/
殿部/大腿の後面/膝と膝窩/下腿の皮静脈/下腿と足/足背・足底/
下肢の断面
索引(欧文索引,和文索引)
付録
1 3D STEREO ATLAS
2 解剖学用語の語源
内臓,触診点,定位線の位置/体の面と方向/骨/関節/筋/
肩関節(MR像とX線写真)/循環系の構成/リンパ系の構成/神経系の構成
2 頭頸部
2.1 頭蓋
頭蓋骨/分解した頭蓋(I)/頭蓋冠/頭蓋底/新生児の頭蓋/
頭蓋の正中断面/分解した頭蓋(II)/骨鼻腔/鼻中隔と鼻軟骨/
上顎骨,下顎骨と歯/乳歯と永久歯/下顎骨と歯列弓
2.2 咀嚼器と咀嚼筋
顎関節/顎関節の靱帯/顎関節と咀嚼筋/顔面筋/舌骨上筋と舌骨下筋/
頭部の前頭断面/顎動脈
2.3 脳と頭部
脳と脳神経/頭部の表層
2.4 脳・感覚器
頭皮と髄膜/髄膜/脳/平衡聴覚器/視覚器
2.5 口腔・鼻腔
鼻腔/鼻腔の断面/口腔/
2.6 頸部とその器官
頭頸部の正中断面/頸部の筋/喉頭/咽頭と口腔/咽頭/頭頸部の脈管/頸部
3 体幹
骨格/頭蓋と脊柱/椎骨/胸郭と脊柱/脊柱の靱帯/体の前壁の体表解剖/
胸壁/胸腹壁/鼡径部/背部の体表解剖/背部/脊髄/脊柱の腰部と脊髄/
脊柱管と脊髄/項部
4 胸部内臓
胸部内臓の位置/呼吸器系/心臓/胸部内臓の局所解剖/縦隔後部/横隔膜/
胸部の前頭断面/胸部の水平断面/乳腺
5 腹部内臓
腹部内臓の位置/前腹壁/胃/膵臓および胆管/肝臓/脾臓/
腹部臓器の脈管/腹部内臓/後腹壁/腹部の水平断面/腹部の正中断面
6 尿生殖器系,腹膜後器官
泌尿器系の位置/腎臓/腹膜後臓器/男性尿生殖器/男性外生殖器/
男性内生殖器/男性の骨盤部/男性の尿生殖部と肛門部/
女性尿生殖器/女性内生殖器/女性外生殖器/鼡径部と女性外生殖器/
女性の尿生殖部と肛門部/女性の骨盤部
7 上肢
上肢帯と胸郭/肩甲骨と鎖骨/上肢帯と上腕骨/上腕骨/前腕の骨/
手と前腕の骨/手の骨/肩の関節と靱帯/肘の関節と靱帯/手と手根の靱帯/
肩と上腕の筋/上腕の筋/前腕と手の筋/上肢の動脈/上肢の静脈/
上肢の神経/上肢の体表解剖/頸部および肩/肩/肩と上腕/腋窩部/
腕神経叢/上腕/肘部/前腕と手/手/上肢の断面
8 下肢
下肢帯と下肢の骨格/骨盤/骨盤の骨/股関節の骨/大腿骨/下腿の骨/
膝関節の骨/足の骨/骨盤と股関節の靱帯/膝関節/膝関節の靱帯/
足根の関節/足の靱帯/大腿の筋/下腿の屈筋/下腿と足の筋/足底の筋/
下肢の動脈/下肢の皮静脈/腰仙骨神経叢/下肢の体表解剖/大腿の前面/
殿部/大腿の後面/膝と膝窩/下腿の皮静脈/下腿と足/足背・足底/
下肢の断面
索引(欧文索引,和文索引)
付録
1 3D STEREO ATLAS
2 解剖学用語の語源
正誤表
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本書の記述の正確性につきましては最善の努力を払っておりますが、この度弊社の責任におきまして、下記のような誤りがございました。お詫び申し上げますとともに訂正させていただきます。