身体機能作業療法学 第3版
身体機能分野の標準「OT」教科書、待望のカラー化!
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身体機能とその機能障害について解説した後、各種身体機能作業療法の治療原理および実践課程を、カラーの図・写真を多用してわかりやすく紹介している。第3版では国家試験出題基準に含まれることとなった悪性腫瘍(がん)のリハビリテーションがよりいっそう充実。ほかにも「加齢性関節疾患」、「腱損傷」、「腰痛症」を新たに取り上げ、臨床実践の基礎となる知識を網羅したテキストとなった。
*「標準作業療法学」は株式会社医学書院の登録商標です。
シリーズ | 標準作業療法学 専門分野 |
---|---|
シリーズ監修 | 矢谷 令子 |
編集 | 山口 昇 / 玉垣 努 |
発行 | 2016年11月判型:B5頁:484 |
ISBN | 978-4-260-02444-0 |
定価 | 5,500円 (本体5,000円+税) |
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更新情報
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2021.05.26
-
正誤表を追加しました。
2021.04.02
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- 目次
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序文
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第3版 序
作業療法が実施される分野は,大きく分けて5領域(本シリーズの構成でいえば,身体機能,精神機能,発達過程,高齢期,地域)がある.どの分野で実施される作業療法であっても,作業療法は対象者が望む“意味ある作業”に取り組めるようにすることを目指している.そのために作業療法士は,対象者がかかえる障害や問題だけでなく利点(機能している点)をも含めて,また心身両面にわたって対象者を包括的にとらえ,アプローチ(治療・指導・援助)を行っている.領域を分けるのは,どの側面により重点をおいてアプローチしているかである.その点からいえば,本書は身体機能の側面に重点をおいた作業療法を解説している.
第3版では,前版までの内容を引き継ぎながら,構成を大きく変えて2部構成とし,第1部では,身体機能作業療法学の基礎と治療原理をまとめて解説した.第1部を受けて第2部では,国家試験出題基準を参考にしながら臨床場面で遭遇することの多い疾患を選択し,作業療法がどのように展開されるかを解説した.その構成は,作業療法を実施するうえで欠かせない医学的知識から,地域生活を送るうえでの指導・援助まで,幅広いものとなっている.また,筆者の多くを新進気鋭の作業療法士の方々に依頼し,解説内容のブラッシュアップをはかった.加えて,第3版から図版がカラー化され,視覚的にも理解されやすいものとなったと思う.
身体機能作業療法の分野では,急性期の医療施設から回復期リハビリテーション病棟や介護老人保健施設を経て地域生活へという流れが定着してきている.そして,病院を含めた施設の滞在期間を可能なかぎり短縮するよう求められ,在宅での生活が強調されるようになった.それに伴って,作業療法士に求められる知識・技術もさらに幅広いものとなっている.
医療色が強い施設では医学的な知識と技術が,地域もしくは在宅生活を援助するうえではより福祉的な知識と技術が必要である.作業療法士は対象者の“意味ある作業”を実現する役割を担ってはいるが,作業療法士は医療職であり,しっかりとした医学的知識と技術がそのベースになければならない.本書ではそれを学んでほしい.また,身体機能作業療法の分野で対象とするのは,ほとんどが社会経験を積んだ方々である.その方々が求めるものに応えられるようになるには豊かな“引き出し”を増やす必要がある.それを可能にするのは,本書初版の序にあるように“出逢い体験”と“作業体験”である.勉学は当然のことであるが,それとともに多くの体験をしてほしいと願う.
2016年10月 執筆者を代表して
山口 昇
作業療法が実施される分野は,大きく分けて5領域(本シリーズの構成でいえば,身体機能,精神機能,発達過程,高齢期,地域)がある.どの分野で実施される作業療法であっても,作業療法は対象者が望む“意味ある作業”に取り組めるようにすることを目指している.そのために作業療法士は,対象者がかかえる障害や問題だけでなく利点(機能している点)をも含めて,また心身両面にわたって対象者を包括的にとらえ,アプローチ(治療・指導・援助)を行っている.領域を分けるのは,どの側面により重点をおいてアプローチしているかである.その点からいえば,本書は身体機能の側面に重点をおいた作業療法を解説している.
第3版では,前版までの内容を引き継ぎながら,構成を大きく変えて2部構成とし,第1部では,身体機能作業療法学の基礎と治療原理をまとめて解説した.第1部を受けて第2部では,国家試験出題基準を参考にしながら臨床場面で遭遇することの多い疾患を選択し,作業療法がどのように展開されるかを解説した.その構成は,作業療法を実施するうえで欠かせない医学的知識から,地域生活を送るうえでの指導・援助まで,幅広いものとなっている.また,筆者の多くを新進気鋭の作業療法士の方々に依頼し,解説内容のブラッシュアップをはかった.加えて,第3版から図版がカラー化され,視覚的にも理解されやすいものとなったと思う.
身体機能作業療法の分野では,急性期の医療施設から回復期リハビリテーション病棟や介護老人保健施設を経て地域生活へという流れが定着してきている.そして,病院を含めた施設の滞在期間を可能なかぎり短縮するよう求められ,在宅での生活が強調されるようになった.それに伴って,作業療法士に求められる知識・技術もさらに幅広いものとなっている.
医療色が強い施設では医学的な知識と技術が,地域もしくは在宅生活を援助するうえではより福祉的な知識と技術が必要である.作業療法士は対象者の“意味ある作業”を実現する役割を担ってはいるが,作業療法士は医療職であり,しっかりとした医学的知識と技術がそのベースになければならない.本書ではそれを学んでほしい.また,身体機能作業療法の分野で対象とするのは,ほとんどが社会経験を積んだ方々である.その方々が求めるものに応えられるようになるには豊かな“引き出し”を増やす必要がある.それを可能にするのは,本書初版の序にあるように“出逢い体験”と“作業体験”である.勉学は当然のことであるが,それとともに多くの体験をしてほしいと願う.
2016年10月 執筆者を代表して
山口 昇
目次
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1 身体機能作業療法学概論
第1章 身体機能作業療法学の基礎
I 身体機能作業療法学を学ぶ皆さんへ
II 身体機能作業療法の目的と方法,対象
III 身体機能作業療法学の枠組み
IV 身体機能作業療法学の実践
第2章 身体機能作業療法の治療原理
1 対象者とセラピストのためのボディメカニクス
2 運動制御理論と運動学習
3 関節可動域の維持・拡大
4 筋力と筋持久力の維持・増強
5 筋緊張異常とその治療
6 不随意運動とその治療
7 協調運動障害とその治療
8 感覚・知覚再教育
9 廃用症候群とその対応
10 物理療法の基礎
2 疾患別身体機能作業療法
第3章 中枢神経疾患
I 脳血管障害
II 頭部外傷
III 脊髄損傷
第4章 骨関節疾患
I 骨折
II 加齢性関節疾患
III 関節リウマチおよびその類縁疾患
1 関節リウマチ
2 全身性エリテマトーデス,多発性筋炎・皮膚筋炎
IV 上肢の末梢神経損傷
V 腱損傷
1 手指腱損傷
2 腱板断裂
VI 熱傷
VII 切断と義肢
VIII 腰痛症
第5章 神経筋疾患
I 多発性硬化症
II ギラン-バレー症候群
III 重症筋無力症
第6章 神経変性疾患
I パーキンソン病
II 脊髄小脳変性症
III 筋萎縮性側索硬化症
第7章 内部疾患
I 心疾患
II 呼吸器疾患
III 糖尿病
第8章 悪性腫瘍(がん)
I 悪性腫瘍切除術後
II ターミナルケア(終末期がん)
身体機能作業療法学の発展に向けて
さらに深く学ぶために
索引
第1章 身体機能作業療法学の基礎
I 身体機能作業療法学を学ぶ皆さんへ
II 身体機能作業療法の目的と方法,対象
III 身体機能作業療法学の枠組み
IV 身体機能作業療法学の実践
第2章 身体機能作業療法の治療原理
1 対象者とセラピストのためのボディメカニクス
2 運動制御理論と運動学習
3 関節可動域の維持・拡大
4 筋力と筋持久力の維持・増強
5 筋緊張異常とその治療
6 不随意運動とその治療
7 協調運動障害とその治療
8 感覚・知覚再教育
9 廃用症候群とその対応
10 物理療法の基礎
2 疾患別身体機能作業療法
第3章 中枢神経疾患
I 脳血管障害
II 頭部外傷
III 脊髄損傷
第4章 骨関節疾患
I 骨折
II 加齢性関節疾患
III 関節リウマチおよびその類縁疾患
1 関節リウマチ
2 全身性エリテマトーデス,多発性筋炎・皮膚筋炎
IV 上肢の末梢神経損傷
V 腱損傷
1 手指腱損傷
2 腱板断裂
VI 熱傷
VII 切断と義肢
VIII 腰痛症
第5章 神経筋疾患
I 多発性硬化症
II ギラン-バレー症候群
III 重症筋無力症
第6章 神経変性疾患
I パーキンソン病
II 脊髄小脳変性症
III 筋萎縮性側索硬化症
第7章 内部疾患
I 心疾患
II 呼吸器疾患
III 糖尿病
第8章 悪性腫瘍(がん)
I 悪性腫瘍切除術後
II ターミナルケア(終末期がん)
身体機能作業療法学の発展に向けて
さらに深く学ぶために
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正誤表
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本書の記述の正確性につきましては最善の努力を払っておりますが、この度弊社の責任におきまして、下記のような誤りがございました。お詫び申し上げますとともに訂正させていただきます。
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2021.05.26
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正誤表を追加しました。
2021.04.02