精神機能作業療法学 第2版

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精神科領域における作業療法の枠組みと実践を、疾患別に詳しく解説したテキスト。第2版では、精神科領域に関連する10の疾患・障害を取り上げ、初回面接時のポイントから評価、作業療法の実践をわかりやすく解説する。さらに事例をとおして理解を深めることができる。また、おさえるべき歴史的背景や法制度を精選して取り上げ、関連付けて学習できるようにまとめた。
*「標準作業療法学」は株式会社医学書院の登録商標です。
シリーズ 標準作業療法学 専門分野
シリーズ監修 矢谷 令子
編集 小林 夏子
編集協力 木村 伊津子
発行 2014年11月判型:B5頁:356
ISBN 978-4-260-01942-2
定価 4,180円 (本体3,800円+税)
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第2版 序

 『精神機能作業療法学』は,標準作業療法学シリーズ専門分野の一領域の教科書である.精神機能作業療法実践の理解のために,学習者と教育者とが共有する一般教育目標(GIO),行動目標(SBO),修得チェックリスト,各章のキーワードなどを盛り込んだ.
 実際の授業展開は,授業内演習,集団討議,学習課題の設定,資料などを駆使する各現場の創意工夫と熱意に委ねるほかないが,本書が学生中心の臨床実習までの地道な知識・技術の整理や基礎学習に役立つことを願って,内容を構成した.
 序章では,本書における「精神機能作業療法学」の概要と学習全般の進め方,および対象者への接近態度を提示した.
 第1章は,「精神機能作業療法学の基礎」として,歴史と理念,精神領域におけるリハビリテーションの考え方,わが国の実践基盤を取り上げた.職業の歴史や先人の理念をたどり,実践概要とその特徴の把握を意図した.リハビリテーション医学や,精神保健福祉法他の法規や制度などを,現状の作業療法基盤として解説した.
 第2章は,「精神機能作業療法の対象理解と実践方法」として,新たに脳科学からみた精神機能とその疾患理解を加え,信頼関係の形成と共同の観点を中心に解説した.また,精神的健康を総合的に判断する概念や評価方法,生活を構築する作業の利用法,および社会参加を促進する支援方法を提示した.
 第3章は,「精神機能作業療法の実践——疾患別の一般的枠組み」として,疾患・障害の理解,評価方法,実践方法と役割から解説した.統合失調症,気分障害,神経症性障害,パーソナリティ障害,物質依存,知的障害,心理的発達障害,てんかん,認知症などの重複障害,症状性および器質性精神障害に対する実践の枠組みを提示した.
 第4章は,「精神機能作業療法の実践事例」として,疾患・障害の理解,評価,実践方法と役割などの側面から解説した.前章と同じ10の疾患・障害の事例を取り上げ,その実践過程を詳細に総合的に紹介した.
 終章となる「精神機能作業療法学の発展に向けて」では,作業療法における精神機能領域の展望について,専門職の充実と職業人としての習熟を提案した.
 以上,精神機能領域の対象者に対する理解と実践方法について,真剣な臨場感をもって学習する素材として活用していただければ幸いである.

 2014年9月
 小林 夏子

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序章 精神機能作業療法学を学ぶ皆さんへ
第1章 精神機能作業療法学の基礎
 I 精神機能作業療法の歴史と理論
 II 医学的リハビリテーションと精神機能作業療法
 III わが国の実践基盤:精神保健福祉法・関連法規・制度
第2章 精神機能作業療法の対象理解と実践方法
 I 脳科学からみた精神機能とその疾患
 II 対象理解と評価
 III 実践方法と作業療法過程:信頼関係の形成と共同
第3章 精神機能作業療法の実践-疾患別の一般的枠組み
 I 統合失調症
 II 気分障害(感情障害)
 III 神経症性障害
 IV パーソナリティ障害(人格障害)
 V 物質依存
 VI 知的障害(精神遅滞)
 VII 心理的発達障害
 VIII てんかん
 IX 認知症などの重複障害
 X 症状性および器質性精神障害
第4章 精神機能作業療法の実践事例
 I 統合失調症
 II 気分障害(感情障害)
 III 神経症性障害
 IV パーソナリティ障害(人格障害)
  ■境界性パーソナリティ障害における事例
  ■知的障害と神経症を併せもつ事例
 V 物質依存
 VI 知的障害(精神遅滞)
 VII 心理的発達障害
  ■母子ともに心理的発達障害のある事例
  ■思春期に対応が必要となったアスペルガー症候群の事例
 VIII てんかん
  ■てんかん外科治療後に失行を認めた事例
  ■心気的な訴えを認知機能障害として対応した事例
 IX 認知症などの重複障害
  ■精神症状の悪化による自殺企図後に身体障害を重複した事例
  ■身体機能の低下と精神状態の悪化後,入院加療中にBPSDを呈した事例
 X 症状性および器質性精神障害
精神機能作業療法学の発展に向けて

さらに深く学ぶために
索引

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