糖尿病 作って食べて学べるレシピ
療養指導にすぐに使える糖尿病食レシピ集&資料集
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序文
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巻頭言
この本は糖尿病を中心に食事の指導に携わる医療スタッフの皆さんのために編集されました。
皆さんが常日頃感じておられるように,世の中に食事に関連する書物は「学会等による公的な出版物」から「民間療法に近い類」まで数多く存在し,特に一般の読者にとっては目移りするばかりでどう対応すれば良いのか判断に困るのが実情です。また,食事療法に関するいろいろな主義主張が色濃く反映されているものも目につきます。このように巷に溢れている書物の中から,具体的に何を選びどのように使用するべきかについては「指導を行う側」も「指導を受ける側」も戸惑うことが多いのが現状ではないでしょうか。例えば食事療法について内容が良く吟味され詳細にわたって記載されている本についてみても,指導対象者に良く理解していただき,なおかつ日常生活の中に抵抗なく取り入れてもらうためには情報が豊富で複雑すぎるきらいがあります。したがって,効率よく実効性のある栄養指導を実現するには指導する側が指導対象者の背景や理解度にあわせて,いろいろな工夫を行うことが必要不可欠な条件となります。
本書の内容は,最初から出版を目的として意図的に集積されたものではありません。後述のようにNPO法人西東京臨床糖尿病研究会は多摩地域を中心に「登録管理栄養士紹介事業」を展開し年間9,000件を超える栄養指導を実施してきました。その活動の一環として,かかりつけ医に通院する糖尿病の患者さんとそのご家族を対象として調理実習が行われてきました。その中で蓄積されたレシピを厳選するとともに,普段の栄養指導に活用している手作りの資料をブラッシュアップして構成されたのが,本書です。言葉を変えると,継続的に四半世紀にわたり地道な努力を積み重ねてきた管理栄養士の皆さんの活動そのものの成果物といえます。
これまで,「管理栄養士のグループ」がかかりつけ医の糖尿病患者さんを中心に食事・栄養指導を行いながら,調理実習まで実施してきた長年にわたる実績と経験を基にして集積された「料理のレシピ」とともに実際の栄養指導にあたって「工夫を重ねた資料」の両者を併せ持つ本は存在していませんでした。糖尿病患者さんにとって栄養指導は「治療としての食事の指導ではなく,季節を楽しみながら日常生活の一部として自然に身に付くこと」が理想です。本書には,この実現をめざして行われてきた実際の調理実習を含めた栄養指導のノウハウが凝縮されています。その意味で,本書は糖尿病療養指導に携わる医療スタッフすべての方に活用していただける得難い存在といっても過言ではありません。
この本が上梓されるに至った発端は,著者であるNPO法人西東京臨床糖尿病研究会「管理栄養士グループ」が「第5回糖尿病療養指導鈴木万平賞」を受賞したことにあります。この受賞対象となった活動の端緒を切り開き発展させてきたのが,故高村香代子先生でした。本書の存在はこのことを抜きにしては語れないことに言及させていただいて,巻頭言といたします。
2015年3月
貴田岡正史
監修の言葉
糖尿病の薬物療法はインクレチン関連製剤の登場以後大きく変化してきている。特にDPP4阻害薬の使用は血糖管理を劇的に改善し,HbA1cを明らかに低下させていることが示されている。しかし,新しい薬剤やインスリン療法が登場してもその効果のすべてが薬剤によるわけではない。どのような薬剤であろうと,患者の生活習慣の正しい取り組みがなければこれら薬剤の効果は期待できない。特に食事療法を伴わない薬物療法は有り得ず,食事療法こそが2型糖尿病の基本である。
食事療法は摂取カロリーと栄養バランスを考慮した指導が中心であり,実臨床の場でも多くの管理栄養士が工夫をしながらカロリーとバランスを考慮したメニューを示して指導をしている。最新の日本糖尿病学会編・著『糖尿病食事療法のための食品交換表第7版』では,カロリーとともに,栄養バランスについて,従来の炭水化物量60%(表1,表2の合計)を基本としたバランスから,より体重管理,血糖管理の効果を高めるための選択肢を増やし,炭水化物量を50%,55%,60%と比較的少ない構成にした食事メニューを記載している。糖尿病食事指導は摂取カロリーやバランスとともに,摂取時間,食べ方なども考慮していく必要がある。さらに実践の場の指導で必要なものは,糖尿病食は制限食であるという考えだけではなく,これらの食事をどのように作ればおいしく食べられるかを教えることである。カロリーや構成成分は食品交換表にも,多くのレシピ集にも載せてある。しかし,患者は知識だけでは動かない。治療への動機づけとそのモチベーションの維持が重要である。
西東京臨床糖尿病研究会では平成元(1989)年より西東京地域の栄養士の雇い入れのない医院に管理栄養士が出向いて指導を行っている。この活動のなかで平成16(2004)年より糖尿病食事療法の行動の動機づけとして,調理実習を行うことを始めた。糖尿病食を作り,食べることを通して患者やその家族に,糖尿病食でもおいしく,豊かな食事が可能であることを体験する機会を設けてきた。本書は,糖尿病食を患者とともに調理した記録を基に,管理栄養士および医療者がこのレシピ集を患者と共に見ながら指導できるように考慮した。各メニューには栄養指導上のポイントと作り方を載せている。患者と管理栄養士および医療者が本書を挟んで,食材をどこで買うのか,調理のポイントはどこか,できあがった食事を食べる場面を想像しながらなど,じっくりと時間をかけて話を盛り上げていくことができるようにした。指導した患者には次回の指導時に,味はどうだった,うまく作れたかなど聞いてみるもの大切なことである。
本書は単なるメニュー集ではなく,栄養指導を行う医療者と患者とのコミュニケーションのツールとして利用できることを主眼として構成にした。糖尿病食事指導の座右の書として,患者と指導者の傍らにあり使用されることを期待する。
2015年3月
植木彬夫
推薦の言葉
食事療法について,外来診察時にはちょっと一言のヒントが役立つように思います。この本に書かれていることのなかから,その患者さんに則した“ちょっと一言”が出てくるように記事や表を眺めてみます。おいしそうなレシピとともに。
石井 均
西東京臨床糖尿病研究会から,またすばらしい本が出版された。食事の本である。長年の調理実習のレシピをまとめたものであるという。
ぱらぱらとまず,眺める。どれもいいですね。日本の佳き時代の食卓を思い出させる。というくらい,我々にはなじみの食材ばかりを用いて,さっとできあがる,手の込みすぎていない,そして母親の味を彷彿とさせるレシピばかりだ。
内潟安子
本書は延べ1,000名以上の参加者を集めた東京多摩地域での調理実習教室の10年間の実践からまとめられたレシピ集である。美しい献立写真は,患者様にとっておいしく,楽しく,満足のいく食事というコンセプトを体現している。食事・料理・栄養の基本的事項がわかりやすく記載され,各所にこころ配りを感じる。資料はそのまま患者指導として使える内容であり,糖尿病患者に関わるすべての医療者に,ぜひ活用してほしい一冊である。
大石まり子
糖尿病のようにエネルギーの摂取量をコントロールする必要がある場合でも,おいしくバラエティに富んだ食事をとることは,毎日の生活を楽しく送るためにとても重要なことです。このテキストは,西東京臨床糖尿病研究会に登録している管理栄養士のみなさんが,ちょっとした調理の「コツ」で,こんなにも見た目に楽しく,食欲が出るお料理ができるのですよ…と,おいしいエネルギー調節食を「見える化」したテキストです。和え物やサラダ,スープ,ミネストローネなどの副菜のアレンジには感心させられますし,ブイヤベース,ヘルシーチキンカレー,揚げないとんかつなどにも管理栄養士のみなさんの工夫がしっかりと織り込まれています。ポテトサラダに使うきゅうりは縦半切りにして種の部分を除いてから薄切りにするとパリパリ感が出るのでは…などと,つい,余計なことをも考えてしまう楽しいテキストです。一家に一冊あると役立ちそうですね。
吉岡成人
糖尿病患者さんの多くは,正しい食事療法が継続できないことに悩んでいます。食事療法の重要性はよくわかっている,食品交換表での単位も何とか計算できる,しかし,実際の食事作りとなると難しく,しかも一生にわたり継続することは,ほぼ不可能に近いと感じておられる方が多いのです。実際に食べる際の食品の選択,献立や料理の仕方がわからないし,どのようにすれば,おいしく,長続きさせることができるかがわからないのです。
この度,このような問題に答えるために,長年にわたり地域の医療機関で,実際に栄養指導を進めてきたNPO法人西東京臨床糖尿病研究会が「糖尿病レシピ本」を出版しました。本書には,簡単に,楽しく,しかもおいしく作れるコツがふんだんに盛り込まれています。このようなレシピ集が出ることは,ほんとうによろこばしいことであり,多くの糖尿病患者さんにとって座右の友となると思い,ここに推薦します。
中村丁次
食事療法を「おいしく,楽しく,満足」とした本レシピのコンセプトは,まさに患者さんの視座に立ち戻ったものです。さらに食事療法は毎日継続することによりその効果を発揮するものであり,本レシピは,すぐに作れる簡単メニューとして考案されています。
主食,主菜,そして2品からなる副菜で,1食当たり,エネルギー量400~600kcal,たんぱく質18~25gの範囲とし,多くの患者さんが主食量の調整で指示栄養量を準拠できるように工夫されています。これに食卓をイメージした料理を掲載したことで,食文化を伝承しつつ食事療法をわかりやすく紐解き解説し,その実践へと導いた栄養指導のツールとしての役割を果たしています。
本レシピ集を活用して,多くの患者さんが「おいしく,楽しく,満足して」食事療法を実践されることを願う次第です。
本田佳子
管理栄養士として糖尿病の栄養指導をしていると,食事療法の理論は理解しても実際に作ってみようとする動機づけができず,実践できないことにストレスを感じている患者が多い。糖尿病の食事療法を,食事に関連した生活の質が落ちることと同義に捉えてしまう。「血糖コントロールを良好にすることの基本は食事です」ということまでは説明できるが,そのあとは管理栄養士の能力に委ねられる。「糖尿病の食事はこのような食事です」「料理が億劫ですか?」「どのような料理がお好みですか?」「困っていることはありますか?」など,様々な疑問や不安に対して視覚的に示し,「これならできる」「やってみよう」という気持ちを引き出せる教材が欲しかった。本書は,実際に患者に調理実習を行ったレシピで構成され,ニーズに基づき,味覚を満足させた保証がある。糖尿病の食事療法に取り組むことで,これまでよりも人生が豊かになることを想像できる,レシピ集を超えた一冊といえよう。
丸山千寿子
はじめに
~この本の背景となった「糖尿病食を作って食べて学ぶ会」のこと~
NPO法人西東京臨床糖尿病研究会は,開業医院(かかりつけ医)をはじめとする医療機関での栄養指導の普及を目的に,各機関へ管理栄養士を紹介する事業を行っています。この企画は前身を含め26年間継続しています。登録管理栄養士は,糖尿病療養指導士(CDEJまたはLCDE)を取得し,かかりつけ医での栄養指導を希望する管理栄養士で,当法人担当理事が面接の上,理事長が認定し登録されます。平成26(2014)年12月現在55名の管理栄養士がこのシステムに登録しており,平成25年度には東京都多摩地域を中心に,59施設の医療機関に出向いて,9,916件の栄養指導を行いました。
この活動の一環として,平成16(2004)年に「糖尿病食を作って食べて学ぶ会」(調理実習)を開始しました。この調理実習は,かかりつけ医(当会会員)に通院する患者様およびそのご家族を対象にし,糖尿病食の調理と試食が体験できる企画です。まさに作って,食べて,学ぶがコンセプトです。毎回定員を25名とし,5名の登録管理栄養士が担当します。立川市,府中市の2か所で年に8回開催し,平成16年12月から平成26年12月の10年間に68回開催し,患者様およびそのご家族が延べ1,000名以上参加されました。かかりつけ医個々では調理実習開催は困難ですが,地域で当法人が主催することで,多くの方が参加できる企画として継続し,リピーターも多くいます。
我々管理栄養士は,患者様が思う「糖尿病ではおいしいものが食べられない」「食事療法はつらい」を実体験を通して払拭したいと考えています。上手に工夫すれば,おいしく,楽しく,満足のいく食事を作れることを実感していただきたいと思い,準備をし開催しています。
毎回,レシピの作成においては,自宅でもすぐに作れるような簡単メニューを提示するように心がけています。時折,おもてなしにも使える献立や,各国料理なども取り入れています。参加者アンケートでリクエストのあった食材や献立なども参考にしています。また,毎回テーマを決め,資料を用いて簡単なレクチャーも行います。
この「糖尿病食を作って食べて学ぶ会(調理実習)」を通して多くのレシピを集積してきました。
このレシピ集では,調理実習で作成したレシピに手を加え,資料を添付することで,実際の指導現場で開いて使えるものになるよう努力しました。そのほとんどは,登録管理栄養士たちの手によるもので現場のニーズとノウハウが盛り込まれています。
管理栄養士の方を始め糖尿病療養指導に関わるすべてのコメディカル,医師,とくにかかりつけ医の先生に臨床の現場でお役立ていただければ幸いです。
2015年3月
飯塚理恵
目次
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献立レシピ集
春
春1 彩りよく,おいしく,栄養バランスも整えるには?
「主食」「主菜」「副菜」の上手な組み合わせ
主食 発芽玄米入りごはん
主菜 豚肉のしょうが焼き
副菜 れんこんのサラダ
副菜 せりと筍のスープ
デザート フルーツと寒天のみつ豆風
春2 魚のおいしさを上手に引き出しましょう
薄味でもおいしくできる煮魚料理の工夫
主食 もち麦入りごはん
主菜 煮魚
副菜 アスパラのからしマヨ和え
副菜 酸辣湯〈スァンラータン〉
デザート いちご入り淡雪かん
春3 野菜も麺も一緒にゆでる,野菜たっぷりの麺料理
麺料理をバランスよく食べる工夫
主食・主菜 春キャベツのスパゲッティ
副菜 もやしときくらげのサラダ
副菜 トマトと卵のスープ
デザート 低カロリーアイス いちごソース添え
春4 ブイヤベースがメインの手軽に作れるおもてなし料理
エネルギーを抑えたおもてなし料理の工夫
主食 発芽玄米入りごはん
主菜 ブイヤベース
副菜 じゃが芋のガレット
副菜 ナッツ入りサラダ
デザート 豆乳ふるふるゼリー
春5 香味野菜をいかした 彩りよいちらし寿司
塩分・糖分を抑えた寿司の作り方
主食・主菜 ちらし寿司
副菜 にんじんのナムル風
副菜 豆腐のすまし汁
デザート 白きくらげのシロップ煮 果物添え
夏1 香辛料を上手に利用し,ヘルシーなカレーを作りましょう!
脂質と糖質を抑えたカレーの工夫
主食・主菜 ヘルシーチキンカレー
副菜 海藻サラダ
デザート グレープフルーツかん
夏2 食事に芋や豆も取り入れたいのだけど…
糖質の多い食品を使う時の注意点
主食 発芽玄米入りごはん
主菜 鮭のピカタ ピクルス添え
副菜 かんたんポテトサラダ
副菜 ミネストローネ
デザート オレンジゼリー
夏3 味付けにひと工夫,野菜もとれる冷やしうどん
麺料理に野菜を取り入れる工夫
主食・主菜 冷やしうどん 夏野菜のせ
副菜 にんじんのせん切りサラダ
副菜 ひよこ豆のべっこう煮
デザート レモンスカッシュゼリー
夏4 見た目も鮮やか! 夏野菜たっぷりのラタトゥイユ
作り置きできる野菜料理で,野菜不足を解消
主食 パン2種
主菜 チキンソテー ラタトゥイユソース
副菜 コーンサラダ
デザート ビスコッティ
夏5 桜えびで香り豊かに,油を抑えたヘルシーチャーハン
油を控えたチャーハンの工夫
主食・主菜 卵と桜えびのチャーハン
副菜 トマトとなすのサラダ
副菜 オクラのスープ
デザート レアチーズケーキ
夏6 自宅でも作れます,かんたん韓国料理
エネルギー・塩分を控えた韓国料理
主食 チヂミ
主菜 参鶏湯〈サムゲタン〉風
副菜 大豆もやしのナムル
デザート 豆乳杏仁豆腐
秋1 旬の秋刀魚に彩りを添えて
血糖が上がりにくい食事のとり方の工夫
主食 もち麦入りごはん
主菜 秋刀魚〈さんま〉と野菜の炒め物
副菜 蒸しなすの和え物
副菜 きのこたっぷり汁
デザート 洋なしのコンポート
秋2 秋の味覚を取り入れた,華やかな行楽弁当
塩分・糖分を控えた簡単行楽弁当
主食 きのこの炊きおこわ
主菜 鶏の照り焼き 山椒風味
主菜 芙蓉蟹〈フーヨウハイ〉(かに玉)
副菜 野菜のレモン酢漬け
副菜 リボンにんじんのレンジ蒸し
副菜 のりまきほうれん草
デザート スイートパンプキン
秋3 手作りのたれで作る,ヘルシーえびチリ
油を控えた中華料理の工夫
主食 胚芽精米ごはん
主菜 ヘルシーえびチリ
副菜 ほうれん草とえのきの海苔和え
副菜 さつま芋と野菜のみそ汁
デザート かんたんコーヒーゼリー
秋4 揚げなくてもできる! カリッとおいしいとんかつ
肉の部位と調理方法について考えよう
主食 発芽玄米入りごはん
主菜 揚げない とんかつ
副菜 ほうれん草と黄菊の和え物
副菜 きのこ汁
デザート さつま芋とプルーンの煮物
秋5 ワンプレートでバランスよい食事をとろう
電子レンジを使った簡単調理法
主食 十六穀入りごはん
主菜 鮭の紙包みレンジ蒸し
副菜 大根サラダ
副菜 具だくさんみそ汁
デザート 芋ようかん
冬1 お正月料理,薄味でもおいしく作るコツ
塩分・糖分を控えたおせち料理
主食 お雑煮
主菜 豚肉の香味焼き
副菜 おせち盛り合わせ(田作り,黒豆,真砂和え)
副菜 五色なます
デザート 寒天寄せ
冬2 野菜も一緒に!フライパンで作る,魚の西京焼き
魚料理にうまく野菜を取り入れる工夫
主食 黒米入りごはん
主菜 鱈〈たら〉の西京焼き
副菜 小松菜とあおさのりの和え物
副菜 沢煮椀
デザート かぼちゃプリン
冬3 たまにはホワイトソースを使った料理を作りたい
エネルギーを抑えた洋風料理
主食・主菜 チキンドリア
副菜 温野菜サラダ
副菜 トマトの具だくさんスープ
デザート りんごのコンポート
冬4 簡単で野菜たっぷりの棒餃子
脂肪分が少なくて野菜の多い餃子の提案
主食 発芽玄米入りごはん
主菜 棒餃子
副菜 大根と水菜のサラダ
副菜 けんちん汁
デザート 煮りんご しょうが風味
冬5 温かい麺をだしと香味野菜でおいしく食べよう
薄味でおいしく食べる麺料理の工夫
主食・主菜 おろしあんかけ にゅうめん
副菜 ゆで鶏のサラダ
副菜 長芋の香味焼き
デザート ゆずゼリー
ほうれん草の和え物 バリエーションレシピ
からしマヨネーズ和え
白菜のゆかり和え / 白菜の芯の甘酢漬け / 白菜のゆずこしょう和え
大根のしょうが醤油漬け / 大根と海苔のサラダ / なめこおろし
小松菜のごまからし和え / 切り干し大根のごま酢和え / ゴーヤとツナのサラダ
筑前煮 / かぼちゃの煮物 / レンジ肉じゃが
中華風コーンスープ
デザートレシピ集
寒天を使ったデザート
フルーツと寒天のみつ豆風 / ゆずゼリー / 豆乳杏仁豆腐 / 寒天寄せ / 芋ようかん
豆乳ふるふるゼリー / かぼちゃプリン / レアチーズケーキ
さつま芋とプルーンの煮物 / わらびもち / あずき白玉
2章 資料編
資料解説
ケース目次
資料1 糖尿病の食事の基本
資料2 目で見るバランスのよい食事
資料3 栄養素が血糖に変わる速度
資料4 食べる順番による食後血糖値の変化
資料5 よくかんで食べることのメリット
資料6 糖尿病食事療法のための食品交換表 第7版の使い方
資料7 目で見る糖質の多い代表的な食品
資料8 1食のごはんの量に相当するめん類の量
資料9 1回に食べる果物の目安量
資料10 肉料理 調理の工夫
資料11 肉の種類・部位とエネルギー
資料12 魚料理 調理の工夫
資料13 見える油脂と見えない油脂
資料14 油の種類別 脂肪酸の割合
資料15 素材や料理に含まれる油脂の量
資料16 とれていますか? 食物繊維
資料17 食品に含まれる塩分量
資料18 減塩の工夫
資料19 外食・中食・惣菜のエネルギーと塩分量
資料20 お寿司を食べる時のポイント
資料21 おせち料理の工夫
資料22 お弁当を作る時のポイント
資料23 食品成分表示を読む
資料24 あると便利な食材
資料25 電子レンジの使い方
資料26 カーボカウントについて
資料27 食品の炭水化物等の量
資料28 おやつは上手に楽しみましょう
資料29 食パンと菓子パンの比較
資料30 アルコールのエネルギーと炭水化物量
参考文献
編集後記
メニュー・栄養成分表示
料理名索引
書評
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書評者: 立川 倶子 (公益社団法人鹿児島県栄養士会顧問)
『糖尿病 作って食べて学べるレシピ——療養指導にすぐに使える糖尿病食レシピ集&資料集』が話題を集めている。
本書はNPO法人西東京臨床糖尿病研究会で認定された開業医院(かかりつけ医)をはじめとする医療機関の栄養指導を担当する登録管理栄養士により,平成16年12月~平成26年12月までの10年間,68回開催され,患者さんおよびそのご家族が延べ1,000名以上参加された「糖尿病食を作って食べて学ぶ会」で集積されたレシピをブラッシュアップして,資料を添付することで実際の指導現場で活用して頂けるよう工夫された,糖尿病療養指導のための1冊である。そのコンセプトは,まさに「作って」「食べて」「学ぶ」であり,「美味しく,楽しく,満足のいく食事作り」をめざしたものである。
本書は「1章 レシピ編」と「2章 資料編」からなり,「レシピ編」では献立レシピ集として春夏秋冬の季節ごとにテーマ別に,一食分の主食・主菜・副菜2品・デザートの5品目の献立名・作り方・調理のポイント・栄養指導上のポイントを示し,さらに副菜レシピ集として同一食材を使用して多彩なバリエーションレシピも掲載されている。簡単に家庭で作れる楽しいデザートレシピ集も掲載され,夢のあるレシピ編となっている。
2章の「資料編」では30項目にわたりカラフルなイラスト入りの資料を掲載,さらにケース目次として「よく聞かれる質問や伝えたい事」のケース内容を,22項目について索引できるなど,医療スタッフが使いやすい貴重な資料集となっている。
本書が多くの療養指導者に活用され,糖尿病の患者さん方が「美味しく,楽しく,満足のいく食事療法」を実践する一助となることを期待したい。
管理栄養士らによる糖尿病レシピ・資料の集大成
書評者: 平尾 紘一 (HECサイエンスクリニック理事長)
このたび,NPO法人西東京臨床糖尿病研究会に所属する管理栄養士さんが「糖尿病 作って食べて学べるレシピ」という本を出版しました。この管理栄養士さんたちは59施設の医療機関に出向いて,9,916件の栄養指導を行い,その活動の一環として,「糖尿病では美味しいものが食べられない」「食事療法はつらい」という考えを払拭しようと,平成16年に「糖尿病食を作って食べて学ぶ会」(調理実習)を開始しました。そのメニューの中からいくつかを選び,集大成したものです。
本を開くと,まずは春夏秋冬のメニューがそれぞれ6つ程度載せられていて,普通血糖が上昇して敬遠しがちなカレーライス,チャーハン,豚カツ,ドリアなどがたくさん載っています。それにチヂミなどの韓国料理,中華料理,西洋料理や正月料理がレシピの中にちりばめられています。デザートも豊富で(別項を設けてまとめて記載もしている),また野菜の不足しがちなうどんや魚料理にうまく野菜をマッチさせているなど感心します。また別項の中には副菜レシピがまとめられ,ほうれん草の和え物,キャベツの和え物など,極めて豊富なレシピが収載されています。しかも,だれでも簡単に真似できるように工夫されているのにも感心します。また,レシピに続く資料のページがとても大切で,糖尿病の食事の基本から,バランスのよい食事の考え方,血糖を上げる栄養素の違い,食べ方の工夫,肉や魚料理の工夫,見えない油脂,食物繊維のこと,塩分のこと,外食・中食のこと,お弁当の工夫,あると便利な食材,電子レンジの使い方など,資料のページだけでも圧巻な内容です。ぜひぜひ御一読を勧めます。
この本を見ると,今は亡き髙村香代子先生の目指した方向が見事に実ったなと感慨深いものがあります。何回か髙村香代子先生に講演をお願いしたとき,高飛車ではない,穏やかなのに凛として一本芯の通った内容で,何回でも講演をお願いしたい方でした。きっと天国で喜んでおられると思います。
レシピ本にとどまらない糖尿病食事療法の資料集
書評者: 渥美 義仁 (永寿総合病院糖尿病臨床研究センター長)
近年,新しい経口薬や注射薬が使えるようになっても,糖尿病治療は食べ物と切っても切れません。当然といえば当然ですが,昨年登場したSGLT2阻害薬も,食事療法を守れない患者さんでは効果が出ないことがはっきりしてきました。何を食べるか,どう食べるか,何を先に食べるか,カロリーは,炭水化物は,などなど口から入るものについての理解は進み,エビデンスも積み上がってきました。しかし,実際の糖尿病臨床では,食事療法ほど難しく成果が挙がりにくいものはありません。本書は,東京都多摩地区を中心に活動している,NPO法人西東京臨床糖尿病研究会の高村宏先生などと登録管理栄養士の方々が,長年の調理実習のレシピと日常診療での食事指導の資料をまとめた一冊です。レシピ編は,春夏秋冬に分けて,魚のおいしさ,ブイヤベースのおもてなし料理,ヘルシーチャーハン,かんたん韓国料理,揚げずにカリッととんかつ,たまにはホワイトソースなど魅力的なメニューが並んでいます。他に,おいしそうな副菜とカロリーを抑えたデザートのレシピ集も,具体的で充実しています。間食の是非や,食べられる間食を聞かれて困る場面では大いに助かります。資料編は,患者さんからの質問や医療者の疑問に答える,具体的でビジュアルな資料が満載で,診察室ですぐに役立ちます。
管理栄養士の派遣事業などで地域に根付く食事療法を実践する中で,患者さんに受け入れられるよう工夫されてきたレシピは,多くの糖尿病患者さんに勧めることができます。食事の話は苦手だという医師やコメディカルも,本書を一度手に取れば患者さんに具体的に食事の話ができるでしょう。
更新情報
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お気に入り商品に追加すると、この商品の更新情報や関連情報などをマイページでお知らせいたします。