健康支援と社会保障制度[2]
公衆衛生 第13版
本書の特長
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●これから看護を学ぶ学生の方に必要な「看護のための公衆衛生」の知識と、地域(コミュニティ)を見すえる力を養うエッセンスを盛り込みました。
●公衆衛生に関連する主要な法制度・統計の知識を網羅し、毎年、可能な限りのデータ更新を行います。
●保健師課程教育のカリキュラムや教科名の変更に合わせて、公衆衛生看護学へのつなぎを意識した内容になっています。学生の方が卒後、看護の臨床に出られたあとで、地域との連携を考えることができる基盤となる力を養うことができます。
●事例を多く掲載しており、初学者にイメージしやすい内容になっています。また、この事例による学習で、患者さんの社会的背景に思いをよせる意識づけができます。
●公衆衛生の最新の動向と、国際的視点が盛り込まれています。
*「系統看護学講座」は2018年版より新デザインとなりました。
*「系統看護学講座/系看」は株式会社医学書院の登録商標です。
*「系統看護学講座/系看」は株式会社医学書院の登録商標です。
シリーズ | 系統看護学講座 |
---|---|
著 | 大森 純子 / 宮本 有紀 / 吉岡 京子 / 安岡 潤子 / 有本 梓 / 蔭山 正子 / 小野 若菜子 / 相田 潤 / 梅田 麻希 / 鈴木 まき / 廣金 和枝 / 渡井 いずみ / 原田 奈穂子 |
発行 | 2015年01月判型:B5頁:360 |
ISBN | 978-4-260-01989-7 |
定価 | 2,420円 (本体2,200円+税) |
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- 序文
- 目次
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序文
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はしがき
第13版の序
「公衆衛生」は難しい。名前からしてなじみがうすい。中身をみても,数字が多い,法律が多い,人の香りがしない。この「公衆衛生」をわかりやすく伝え,学生に身近なテキストをつくる。これは,いわゆる「ミッション・インポッシブル!(不可能な任務!)」である。
この不可能と思われる任務を成し遂げるために,本書は企画された。
不可能に挑戦する際,大事なことは2つある。まず信頼できるパートナーを見つけること。保健の立場から大森純子,看護の立場から宮本有紀に参画してもらい,3人で何度も会議を重ねた。
次に大切なのは,若い力を投入すること。老熟した教授よりも育ち盛りの助教,講師,准教授を書き手として選んだ。そして,学術論文並みの厳しいチェック体制をつくり,何度も何度も書き直してもらった。
本作りの体制はできた。では,わかりやすくするためにどうしたか? 2つの工夫をした。まずは事例(ストーリー)を豊富に入れた。ストーリーが記憶に残るように工夫をこらしたイラストも加えた。次に,公衆衛生のいくつかの用語や概念がわかりやすくなるようなコラム,「公衆衛生ナビ」もいくつかの章に盛り込んだ。
読者に身近なテキストにするためにはどうするか? それには「看護学生のためのテキスト」である,という原点に立ち返ることが大切だと考えた。そして,事例のなかに読者と同じ看護学生やその家族,看護師さんにも多く登場してもらった。事例には,フィクションのものとノンフィクションのものがある。しかしフィクションのほとんどは,実例をもとにつくりあげたものである。
最後に国際化にも配慮した。2014年に70年ぶりの国内感染の発生が日本中を騒がせたデング熱,国際的な脅威となったエボラ出血熱。これら熱帯地域だけに流行すると思われていた感染症が,いまや世界を駆けまわっている。すでに健康への脅威に国境はなくなっている。それに合わせて看護師の関心も意識も世界を駆けまわらないといけない。実際に,自ら世界に飛び出した看護師のストーリーもテキストのなかに盛り込んだ。
テキスト作成にあたっては,公衆衛生を専門とした諸先輩からのメッセージを何度も参考にした。この不可能と思われる使命達成のために,若手の力は欠かせない。しかし第二次世界大戦後,日本の公衆衛生を活性化し,世界一の平均寿命達成に貢献された大先輩たちの熱い思いは引き継ぐべきである。
橋本正己氏と大谷藤郎氏による『対談 公衆衛生の軌跡とベクトル』(医学書院,1990)のなかから,このテキストの使命とも関連する2つのメッセージを届けたい。
「…(中略)…公衆衛生の教科書は,マニュアルとか技術書だけではだめで,社会に対する姿勢が明確に示されていて判りやすくなければ…(以下略)」(p.17)
「…(中略)…わたしの考える『よき社会』とは,常識としての人間の正義にかなうことであり,力を持つ人,金のある人が力や富をほしいままにするのを許すのではなく,たまたまそこにおかれた病気の人,弱者が,そのハンディキャップにかかわらず,人間としての誇りを持って生きていけるような社会システムとすることです…(中略)…よき社会への理想の扉を公衆衛生の人びと自らの手によって,公衆衛生の旗を高く掲げて,同じように「よき社会」を願っている他の分野の人びととともに,社会の先頭に立って新しい平成時代への門を勇気を持って押し開いて欲しい…(以下略)」(p.207~8)
公衆衛生には「よき社会」への理想の扉を開く力がある,という大先輩たちの力強いメッセージ。私たちはこの思いを引き継ぎ,このメッセージを導き手として,本書を公衆衛生の面白さ,大切さを皆さんに伝えるテキストにしたつもりである。病院で働くことになったとしても,同じ理想の扉を開くことができるような看護師に育ってほしい。
本書は,このような使命感と思いをもって作ったテキストである。しかし,実際に教授をされる先生方には,さまざまなお考えもあるはずである。ぜひ,忌憚のないご意見,ご批判,ご叱正をお願いしたい。それを受けて,このテキストを一層成長させていきたいと思う。
2014年11月
著者を代表して
神馬征峰
第13版の序
「公衆衛生」は難しい。名前からしてなじみがうすい。中身をみても,数字が多い,法律が多い,人の香りがしない。この「公衆衛生」をわかりやすく伝え,学生に身近なテキストをつくる。これは,いわゆる「ミッション・インポッシブル!(不可能な任務!)」である。
この不可能と思われる任務を成し遂げるために,本書は企画された。
不可能に挑戦する際,大事なことは2つある。まず信頼できるパートナーを見つけること。保健の立場から大森純子,看護の立場から宮本有紀に参画してもらい,3人で何度も会議を重ねた。
次に大切なのは,若い力を投入すること。老熟した教授よりも育ち盛りの助教,講師,准教授を書き手として選んだ。そして,学術論文並みの厳しいチェック体制をつくり,何度も何度も書き直してもらった。
本作りの体制はできた。では,わかりやすくするためにどうしたか? 2つの工夫をした。まずは事例(ストーリー)を豊富に入れた。ストーリーが記憶に残るように工夫をこらしたイラストも加えた。次に,公衆衛生のいくつかの用語や概念がわかりやすくなるようなコラム,「公衆衛生ナビ」もいくつかの章に盛り込んだ。
読者に身近なテキストにするためにはどうするか? それには「看護学生のためのテキスト」である,という原点に立ち返ることが大切だと考えた。そして,事例のなかに読者と同じ看護学生やその家族,看護師さんにも多く登場してもらった。事例には,フィクションのものとノンフィクションのものがある。しかしフィクションのほとんどは,実例をもとにつくりあげたものである。
最後に国際化にも配慮した。2014年に70年ぶりの国内感染の発生が日本中を騒がせたデング熱,国際的な脅威となったエボラ出血熱。これら熱帯地域だけに流行すると思われていた感染症が,いまや世界を駆けまわっている。すでに健康への脅威に国境はなくなっている。それに合わせて看護師の関心も意識も世界を駆けまわらないといけない。実際に,自ら世界に飛び出した看護師のストーリーもテキストのなかに盛り込んだ。
テキスト作成にあたっては,公衆衛生を専門とした諸先輩からのメッセージを何度も参考にした。この不可能と思われる使命達成のために,若手の力は欠かせない。しかし第二次世界大戦後,日本の公衆衛生を活性化し,世界一の平均寿命達成に貢献された大先輩たちの熱い思いは引き継ぐべきである。
橋本正己氏と大谷藤郎氏による『対談 公衆衛生の軌跡とベクトル』(医学書院,1990)のなかから,このテキストの使命とも関連する2つのメッセージを届けたい。
「…(中略)…公衆衛生の教科書は,マニュアルとか技術書だけではだめで,社会に対する姿勢が明確に示されていて判りやすくなければ…(以下略)」(p.17)
「…(中略)…わたしの考える『よき社会』とは,常識としての人間の正義にかなうことであり,力を持つ人,金のある人が力や富をほしいままにするのを許すのではなく,たまたまそこにおかれた病気の人,弱者が,そのハンディキャップにかかわらず,人間としての誇りを持って生きていけるような社会システムとすることです…(中略)…よき社会への理想の扉を公衆衛生の人びと自らの手によって,公衆衛生の旗を高く掲げて,同じように「よき社会」を願っている他の分野の人びととともに,社会の先頭に立って新しい平成時代への門を勇気を持って押し開いて欲しい…(以下略)」(p.207~8)
公衆衛生には「よき社会」への理想の扉を開く力がある,という大先輩たちの力強いメッセージ。私たちはこの思いを引き継ぎ,このメッセージを導き手として,本書を公衆衛生の面白さ,大切さを皆さんに伝えるテキストにしたつもりである。病院で働くことになったとしても,同じ理想の扉を開くことができるような看護師に育ってほしい。
本書は,このような使命感と思いをもって作ったテキストである。しかし,実際に教授をされる先生方には,さまざまなお考えもあるはずである。ぜひ,忌憚のないご意見,ご批判,ご叱正をお願いしたい。それを受けて,このテキストを一層成長させていきたいと思う。
2014年11月
著者を代表して
神馬征峰
目次
開く
序章 公衆衛生を学ぶにあたって (神馬征峰)
A みんなの健康
B 「ひとり」から「みんな」の看護へ
1 きっかけとしてのクリミア戦争
2 反省と新たなたたかい
3 地域社会での健康教育
4 みんなのための看護活動
C 「みんなの健康」はみんなの力で
1 院内感染-MRSA
2 感染源は医師
3 MRSAの悲劇
4 見えないMRSA
5 ポジデビ
6 院内感染対策のためのポジデビアプローチ
7 潜在的ポジデビ-みんなの健康はみんなでまもる
8 科学的根拠もみんなの知恵も
9 ついに患者も
10 MRSA退治の成果
11 その後,そしてこれから
第1章 公衆衛生のエッセンス (神馬征峰)
A 公衆衛生とはなにか
1 パブリック(公衆)とはなにか
2 ヘルス(衛生・健康)とはなにか
3 公衆衛生とはなにか
B 世界の公衆衛生の歴史-はじまりの物語
1 テルマエ-ロマエ-環境保健のはじまり
2 ペストの悲劇-感染症対策のはじまり
3 富の増大と職業病-産業保健のはじまり
4 貧困とのたたかい-衛生改革のはじまり
5 水道ポンプの封鎖-疫学のはじまり
6 病原菌の特定・ワクチンの開発-予防医学のはじまり
7 国境をこえる感染症-国際保健のはじまり
8 母と子・学童・地域社会-対人保健のはじまり
C 日本における公衆衛生-はじまりと発展
1 日本における衛生行政のはじまり
2 戦争,健康増進,厚生省
3 日本国憲法のなかの公衆衛生
4 日本国憲法と世界人権宣言における健康と人権
D 戦後の展開-新たな公衆衛生の理念
1 プライマリヘルスケア
2 ヘルスプロモーション
E 公衆衛生を看護に取り込む力-サイエンスとアートの活用
第2章 公衆衛生の活動対象 (大森純子)
A 自分の生活と健康に関係する社会集団
B 看護職の公的責任と活動対象
1 看護職は「みんな」の権利をまもる守護神の1人
2 万国共通の看護職の公的責任
3 守護神たちの「望遠鏡」
C 社会集団をとらえる視座
1 種類とサイズの見きわめ-社会集団の多様性と重層性をとらえるために
2 環境要因と生活・健康を見る3つのメガネ-社会集団を多覚的にとらえるために
3 車輪に見たてる-社会集団の全体像を系統的にとらえるために
4 宝さがし-社会集団の「望み」を見いだして「弱み」を「強み」に変換するために
5 ハイリスクとポピュレーションの複眼-社会集団の健やかな生活を保障するために
D 社会集団のなかにある特定集団
第3章 公衆衛生のしくみ (吉岡京子)
A 政策展開
1 法律と政策・施策・事業の位置づけ
2 計画と政策の関係
3 計画・政策の例
B 国と地方自治体の役割
1 国レベル
2 地方自治体レベル
3 保健所と保健センター
C 専門職のはたらき
1 公衆衛生における看護職のはたらき
2 関連職種との協働
D 住民との協働
1 住民組織・自助グループ・サポートグループ
2 民生委員・母子保健推進員・健康推進員
3 NPO・民間セクター
第4章 環境と健康 (安岡潤子)
A 地球規模の環境と健康
1 地球温暖化
2 オゾン層の破壊
3 生物多様性の損失
4 水質汚濁
5 大気汚染
6 土壌汚染
7 放射性物質
B 身のまわりの環境と健康
1 室内環境
2 食品管理-食品安全確保対策,食品衛生管理制度
3 家庭用品の安全対策
4 ごみ・廃棄物問題
5 バリアフリー
第5章 国際保健 (神馬征峰)
A 世界との出会い
B 経済格差と健康格差
C 健康格差の解消のために
D 国際保健の担い手
E 国際保健の共通目標-ミレニアム開発目標(MDGs)
F 国際保健と日本
G 正解のない課題を前にして
第6章 集団の健康をとらえるための手法-疫学 (宮本有紀)
A 集団としての人々の健康をまもる
1 公衆衛生活動を進めるうえでたどる段階
2 エビデンス
3 疫学とは
B 公衆衛生の場での疫学-集団をとらえる
1 疾患の発生状況を把握する
2 健康状態や医療水準を把握する
3 健康指標の基礎資料-人口を把握する
C 公衆衛生の場での疫学-原因を分析する
1 曝露
2 疫学的因果関係
D 公衆衛生の場での疫学-対策を計画・実施する
1 因果関係に基づく対策の計画
2 対策の効果の見積もり
E エビデンスを使う,つくる
1 疫学を利用する
2 エビデンスをつくる
第7章 地域保健 (大森純子・有本梓・蔭山正子・小野若菜子・宮本有紀・相田潤・梅田麻希・鈴木まき)
A 母子保健
1 母子保健をめぐる環境・基盤整備の歩み
2 母子保健の活動理念としくみ
3 母体保護のための母子保健活動(妊娠期の支援)
4 育児支援のための母子保健活動
5 児童虐待防止のための母子保健活動
6 親性をはぐくむ母子保健活動(思春期含む)
7 地域の母親によるエンパワメント
B 成人保健
1 成人保健の活動理念
2 健康づくり対策の変遷
3 健診・検診
4 生活習慣病対策
5 がん対策
6 健康教育
7 家族のライフステージに応じた健康課題と健康づくり
C 高齢者保健
1 グローバルな高齢化の到来
2 超高齢社会・人口減少・少産多死に向かう日本
3 アクティブエイジングという意識改革
4 高齢者保健の活動理念
5 日本の高齢者保健に関する法制度の変遷
6 地域の特性に応じた地域包括ケアシステム
7 高齢者保健の課題
8 地域コミュニティによる支えとは
D 精神保健
1 精神保健の活動理念
2 地域生活を支えるためのしくみ
3 精神障害者の医療
4 自殺と自殺予防対策
5 当事者の力
E 歯科保健
1 歯科保健の重要性
2 歯科口腔保健の法的根拠
3 乳幼児期の口腔機能の育成
4 学齢期の齲蝕予防
5 成人期の歯周病予防
6 高齢期の口腔ケア
F 難病支援・障害支援
1 障害・難病とは
2 障害者支援活動の理念と法的根拠
3 地域支援システム
G 感染症対策
1 感染症とその予防対策
2 院内感染とその予防
3 公衆衛生上の重要な感染症とその対策
第8章 学校と健康 (廣金和枝)
A 学校における健康とは
1 学校保健が目ざすもの
2 学校保健と看護職(養護教諭)
3 現代の子どもの健康課題
B 学校保健の展開
1 健康診断
2 感染症の予防と対策
3 慢性疾患のある児童生徒への対応
4 心の問題などのある児童生徒への対応
5 「生きる力」の育成
C 特別な支援を必要とする子どもたち
第9章 職場と健康 (渡井いずみ)
A 職場における健康とは
1 労働者の健康問題や労働災害
2 労働安全衛生法に基づく職場での健康管理
3 職場の健康管理体制
B 産業保健・看護活動の展開
1 産業保健師・看護師の役割
2 予防と個別支援,集団・組織支援
C 産業保健における今後の課題と新たな動き
1 企業の責任(CSR)
2 ヘルシーカンパニー
3 男女共同参画とワークライフバランス
4 ワークエンゲイジメント
第10章 健康危機管理・災害保健 (原田奈穂子)
A 健康危機管理
1 健康危機管理の体制
2 地域保健における健康危機管理の実際
B 災害保健
1 災害の定義
2 災害時の問題
3 災害対策に関する制度
4 災害サイクル
5 災害の影響
6 災害時要援護者
7 災害発生時の看護師の行動
索引
A みんなの健康
B 「ひとり」から「みんな」の看護へ
1 きっかけとしてのクリミア戦争
2 反省と新たなたたかい
3 地域社会での健康教育
4 みんなのための看護活動
C 「みんなの健康」はみんなの力で
1 院内感染-MRSA
2 感染源は医師
3 MRSAの悲劇
4 見えないMRSA
5 ポジデビ
6 院内感染対策のためのポジデビアプローチ
7 潜在的ポジデビ-みんなの健康はみんなでまもる
8 科学的根拠もみんなの知恵も
9 ついに患者も
10 MRSA退治の成果
11 その後,そしてこれから
第1章 公衆衛生のエッセンス (神馬征峰)
A 公衆衛生とはなにか
1 パブリック(公衆)とはなにか
2 ヘルス(衛生・健康)とはなにか
3 公衆衛生とはなにか
B 世界の公衆衛生の歴史-はじまりの物語
1 テルマエ-ロマエ-環境保健のはじまり
2 ペストの悲劇-感染症対策のはじまり
3 富の増大と職業病-産業保健のはじまり
4 貧困とのたたかい-衛生改革のはじまり
5 水道ポンプの封鎖-疫学のはじまり
6 病原菌の特定・ワクチンの開発-予防医学のはじまり
7 国境をこえる感染症-国際保健のはじまり
8 母と子・学童・地域社会-対人保健のはじまり
C 日本における公衆衛生-はじまりと発展
1 日本における衛生行政のはじまり
2 戦争,健康増進,厚生省
3 日本国憲法のなかの公衆衛生
4 日本国憲法と世界人権宣言における健康と人権
D 戦後の展開-新たな公衆衛生の理念
1 プライマリヘルスケア
2 ヘルスプロモーション
E 公衆衛生を看護に取り込む力-サイエンスとアートの活用
第2章 公衆衛生の活動対象 (大森純子)
A 自分の生活と健康に関係する社会集団
B 看護職の公的責任と活動対象
1 看護職は「みんな」の権利をまもる守護神の1人
2 万国共通の看護職の公的責任
3 守護神たちの「望遠鏡」
C 社会集団をとらえる視座
1 種類とサイズの見きわめ-社会集団の多様性と重層性をとらえるために
2 環境要因と生活・健康を見る3つのメガネ-社会集団を多覚的にとらえるために
3 車輪に見たてる-社会集団の全体像を系統的にとらえるために
4 宝さがし-社会集団の「望み」を見いだして「弱み」を「強み」に変換するために
5 ハイリスクとポピュレーションの複眼-社会集団の健やかな生活を保障するために
D 社会集団のなかにある特定集団
第3章 公衆衛生のしくみ (吉岡京子)
A 政策展開
1 法律と政策・施策・事業の位置づけ
2 計画と政策の関係
3 計画・政策の例
B 国と地方自治体の役割
1 国レベル
2 地方自治体レベル
3 保健所と保健センター
C 専門職のはたらき
1 公衆衛生における看護職のはたらき
2 関連職種との協働
D 住民との協働
1 住民組織・自助グループ・サポートグループ
2 民生委員・母子保健推進員・健康推進員
3 NPO・民間セクター
第4章 環境と健康 (安岡潤子)
A 地球規模の環境と健康
1 地球温暖化
2 オゾン層の破壊
3 生物多様性の損失
4 水質汚濁
5 大気汚染
6 土壌汚染
7 放射性物質
B 身のまわりの環境と健康
1 室内環境
2 食品管理-食品安全確保対策,食品衛生管理制度
3 家庭用品の安全対策
4 ごみ・廃棄物問題
5 バリアフリー
第5章 国際保健 (神馬征峰)
A 世界との出会い
B 経済格差と健康格差
C 健康格差の解消のために
D 国際保健の担い手
E 国際保健の共通目標-ミレニアム開発目標(MDGs)
F 国際保健と日本
G 正解のない課題を前にして
第6章 集団の健康をとらえるための手法-疫学 (宮本有紀)
A 集団としての人々の健康をまもる
1 公衆衛生活動を進めるうえでたどる段階
2 エビデンス
3 疫学とは
B 公衆衛生の場での疫学-集団をとらえる
1 疾患の発生状況を把握する
2 健康状態や医療水準を把握する
3 健康指標の基礎資料-人口を把握する
C 公衆衛生の場での疫学-原因を分析する
1 曝露
2 疫学的因果関係
D 公衆衛生の場での疫学-対策を計画・実施する
1 因果関係に基づく対策の計画
2 対策の効果の見積もり
E エビデンスを使う,つくる
1 疫学を利用する
2 エビデンスをつくる
第7章 地域保健 (大森純子・有本梓・蔭山正子・小野若菜子・宮本有紀・相田潤・梅田麻希・鈴木まき)
A 母子保健
1 母子保健をめぐる環境・基盤整備の歩み
2 母子保健の活動理念としくみ
3 母体保護のための母子保健活動(妊娠期の支援)
4 育児支援のための母子保健活動
5 児童虐待防止のための母子保健活動
6 親性をはぐくむ母子保健活動(思春期含む)
7 地域の母親によるエンパワメント
B 成人保健
1 成人保健の活動理念
2 健康づくり対策の変遷
3 健診・検診
4 生活習慣病対策
5 がん対策
6 健康教育
7 家族のライフステージに応じた健康課題と健康づくり
C 高齢者保健
1 グローバルな高齢化の到来
2 超高齢社会・人口減少・少産多死に向かう日本
3 アクティブエイジングという意識改革
4 高齢者保健の活動理念
5 日本の高齢者保健に関する法制度の変遷
6 地域の特性に応じた地域包括ケアシステム
7 高齢者保健の課題
8 地域コミュニティによる支えとは
D 精神保健
1 精神保健の活動理念
2 地域生活を支えるためのしくみ
3 精神障害者の医療
4 自殺と自殺予防対策
5 当事者の力
E 歯科保健
1 歯科保健の重要性
2 歯科口腔保健の法的根拠
3 乳幼児期の口腔機能の育成
4 学齢期の齲蝕予防
5 成人期の歯周病予防
6 高齢期の口腔ケア
F 難病支援・障害支援
1 障害・難病とは
2 障害者支援活動の理念と法的根拠
3 地域支援システム
G 感染症対策
1 感染症とその予防対策
2 院内感染とその予防
3 公衆衛生上の重要な感染症とその対策
第8章 学校と健康 (廣金和枝)
A 学校における健康とは
1 学校保健が目ざすもの
2 学校保健と看護職(養護教諭)
3 現代の子どもの健康課題
B 学校保健の展開
1 健康診断
2 感染症の予防と対策
3 慢性疾患のある児童生徒への対応
4 心の問題などのある児童生徒への対応
5 「生きる力」の育成
C 特別な支援を必要とする子どもたち
第9章 職場と健康 (渡井いずみ)
A 職場における健康とは
1 労働者の健康問題や労働災害
2 労働安全衛生法に基づく職場での健康管理
3 職場の健康管理体制
B 産業保健・看護活動の展開
1 産業保健師・看護師の役割
2 予防と個別支援,集団・組織支援
C 産業保健における今後の課題と新たな動き
1 企業の責任(CSR)
2 ヘルシーカンパニー
3 男女共同参画とワークライフバランス
4 ワークエンゲイジメント
第10章 健康危機管理・災害保健 (原田奈穂子)
A 健康危機管理
1 健康危機管理の体制
2 地域保健における健康危機管理の実際
B 災害保健
1 災害の定義
2 災害時の問題
3 災害対策に関する制度
4 災害サイクル
5 災害の影響
6 災害時要援護者
7 災害発生時の看護師の行動
索引
正誤表
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本書の記述の正確性につきましては最善の努力を払っておりますが、この度弊社の責任におきまして、下記のような誤りがございました。お詫び申し上げますとともに訂正させていただきます。
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