がん看護学
本書の特長
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●わが国のがんによる死亡数は年々増加の一途をたどり、誰もがどこにいても質の高いがん医療を受けられる「がん治療の均てん化」が求められています。さらに基礎教育の現場では、臨床実習で学生が接する患者の多くはがん患者であり、がんの治療と看護について学ぶ「がん看護学」がますます重要となってきています。
●本書では、がんの病態、がん患者の臨床経過、症状のマネジメント、患者サポートといった、がんの治療と看護に共通する重要なテーマを中心に構成しています。
●治療と看護の実際については、数多くの疾患をあげるのではなく、手術療法・薬物療法・放射線療法といった治療法を軸として、代表的な疾患をあげながら解説します。
●学生の理解を助けられるよう、豊富な図版を掲載し、事例をあげながら解説しています。
*「系統看護学講座/系看」は株式会社医学書院の登録商標です。
シリーズ | 系統看護学講座 |
---|---|
執筆 | 小松 浩子 / 中根 実 / 神田 清子 / 嘉和知 靖之 / 星 章彦 / 雄西 智恵美 / 田墨 恵子 / 飯野 京子 / 森 文子 / 矢ヶ崎 香 / 渡邉 眞理 / 清水 奈緒美 |
発行 | 2013年02月判型:B5頁:280 |
ISBN | 978-4-260-01581-3 |
定価 | 2,420円 (本体2,200円+税) |
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はしがき
本書は,看護学基礎教育において学んでほしい「がん看護学」のエッセンスをまとめた教科書です。がん医療の実践現場で活躍するがん看護専門看護師やがん専門医が,実践の基盤となる知識や技術についてわかりやすく解説しました。
学生のみなさんが臨地実習で受け持つ患者の多くは,がん患者です。受け持ち患者の健康問題を把握し,それに基づいて系統的なケアを行うには,がんの病態,診断・治療,身体的・精神的・社会的苦痛を総合的に理解し,根拠に基づくケアアプローチを展開することが必要となります。しかしこれまで,学生をその段階へと導く教科書はありませんでした。
がん医療は,日々進歩しています。高度先進医療技術の発展やがん遺伝子の検出,分子標的薬の開発などにより,患者1人ひとりの経過予測や治療の効果予測が可能になり,これに基づいた最適な個別化医療が進んでいます。この患者を中心とした個別化医療においては,患者とその家族が自身の病態や治療について最新の知識を学び,治療過程や予後について十分に理解したうえで,治療やケアに取り組まなければなりません。こうして行われる長期の治療過程を患者・家族が安全に,また安心して歩んでいくためには,患者の潜在性と可能性を育み,セルフケアを促進する実践力が看護師に求められます。本書では,そのための知識と技術を6つの章から学べるように構成しています。
第1章では,がん医療の現在について学びます。治療選択の際に行われるがん疫学に基づいた説明や,治療効果を判断するための疫学データについて理解するとともに,がん医療が直面する課題やそれに対する施策について学びます。これらの知識は,治療・ケアにおける患者・家族の意思決定を支援するうえで欠かせないものです。
第2章では,がんの病態と臨床経過について,がんという病気がほかの病気とどのように異なるのか,がんの診断や治療がどのように進められるのかといった,がん治療の基本となる考え方を学びます。遺伝子レベルから副作用対策を考慮するシステマティックながん治療アプローチについて,系統的に理解しましょう。
第3章では,がん患者の看護に必須であるケアアプローチを,エビデンスに基づく看護実践,がん患者の苦痛・合併症に対するマネジメント,がん患者の心理的サポートといった視点から学びます。がんの部位を問わず,がんに対する全人的な苦痛や脅威を体験している患者が必要とする看護を,包括的に扱った内容となっています。
第4章では,がん治療の3本柱である手術療法・薬物療法・放射線療法に関する基本的な知識,また,これらを組み合わせて治療効果を高める集学的治療の考え方についても学びます。ここでは,がん細胞に対する効果的な治療の基本的な考え方を十分に身につけてください。
第5章で扱う看護の実際を学ぶには,第4章の理解が必要となります。がん治療の効果を促進し,合併症や副作用対策を効果的に実施するための看護について学びます。また,効果的な看護実践の土台としては,第3章のエビデンスに基づく看護実践,がん患者の苦痛・合併症に対するマネジメント,がん患者の心理的サポートに対する理解が必須です。
第6章では,がんの療養過程を入院や外来,在宅といったさまざまな場で継続していくにあたって,患者・家族の治療と生活のバランスをとるための支援について学びます。
がん看護学において学ぶ,エビデンスに基づく看護やケアアプローチは,医療システムの発展に欠かせない考え方であり,ほかの専門科目にも応用できるものと思われます。がん看護学だけでなく,ほかの専門科目の学習においても,本書を副読本として活用していただけると幸いです。
本書の内容は,がん医療の発展に合わせてつねに新しくしていく必要があります。忌憚のないご意見をくださいますようお願いいたします。
2013年1月
著者を代表して
小松浩子
本書は,看護学基礎教育において学んでほしい「がん看護学」のエッセンスをまとめた教科書です。がん医療の実践現場で活躍するがん看護専門看護師やがん専門医が,実践の基盤となる知識や技術についてわかりやすく解説しました。
学生のみなさんが臨地実習で受け持つ患者の多くは,がん患者です。受け持ち患者の健康問題を把握し,それに基づいて系統的なケアを行うには,がんの病態,診断・治療,身体的・精神的・社会的苦痛を総合的に理解し,根拠に基づくケアアプローチを展開することが必要となります。しかしこれまで,学生をその段階へと導く教科書はありませんでした。
がん医療は,日々進歩しています。高度先進医療技術の発展やがん遺伝子の検出,分子標的薬の開発などにより,患者1人ひとりの経過予測や治療の効果予測が可能になり,これに基づいた最適な個別化医療が進んでいます。この患者を中心とした個別化医療においては,患者とその家族が自身の病態や治療について最新の知識を学び,治療過程や予後について十分に理解したうえで,治療やケアに取り組まなければなりません。こうして行われる長期の治療過程を患者・家族が安全に,また安心して歩んでいくためには,患者の潜在性と可能性を育み,セルフケアを促進する実践力が看護師に求められます。本書では,そのための知識と技術を6つの章から学べるように構成しています。
第1章では,がん医療の現在について学びます。治療選択の際に行われるがん疫学に基づいた説明や,治療効果を判断するための疫学データについて理解するとともに,がん医療が直面する課題やそれに対する施策について学びます。これらの知識は,治療・ケアにおける患者・家族の意思決定を支援するうえで欠かせないものです。
第2章では,がんの病態と臨床経過について,がんという病気がほかの病気とどのように異なるのか,がんの診断や治療がどのように進められるのかといった,がん治療の基本となる考え方を学びます。遺伝子レベルから副作用対策を考慮するシステマティックながん治療アプローチについて,系統的に理解しましょう。
第3章では,がん患者の看護に必須であるケアアプローチを,エビデンスに基づく看護実践,がん患者の苦痛・合併症に対するマネジメント,がん患者の心理的サポートといった視点から学びます。がんの部位を問わず,がんに対する全人的な苦痛や脅威を体験している患者が必要とする看護を,包括的に扱った内容となっています。
第4章では,がん治療の3本柱である手術療法・薬物療法・放射線療法に関する基本的な知識,また,これらを組み合わせて治療効果を高める集学的治療の考え方についても学びます。ここでは,がん細胞に対する効果的な治療の基本的な考え方を十分に身につけてください。
第5章で扱う看護の実際を学ぶには,第4章の理解が必要となります。がん治療の効果を促進し,合併症や副作用対策を効果的に実施するための看護について学びます。また,効果的な看護実践の土台としては,第3章のエビデンスに基づく看護実践,がん患者の苦痛・合併症に対するマネジメント,がん患者の心理的サポートに対する理解が必須です。
第6章では,がんの療養過程を入院や外来,在宅といったさまざまな場で継続していくにあたって,患者・家族の治療と生活のバランスをとるための支援について学びます。
がん看護学において学ぶ,エビデンスに基づく看護やケアアプローチは,医療システムの発展に欠かせない考え方であり,ほかの専門科目にも応用できるものと思われます。がん看護学だけでなく,ほかの専門科目の学習においても,本書を副読本として活用していただけると幸いです。
本書の内容は,がん医療の発展に合わせてつねに新しくしていく必要があります。忌憚のないご意見をくださいますようお願いいたします。
2013年1月
著者を代表して
小松浩子
目次
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第1章 がん医療の現在 (小松浩子)
A がんについて知る
B がん医療が直面する課題と施策
第2章 がんの病態と臨床経過 (中根実)
A がんの病態
B がん患者の臨床経過
第3章 がん患者の看護
A エビデンスに基づく看護実践 (小松浩子)
B がん患者の苦痛・合併症に対するマネジメント (神田清子)
C がん患者の心理的サポート (小松浩子)
D がんの予防と早期発見
第4章 がんの治療
A 手術療法 (嘉和知靖之)
B 薬物療法 (中根実)
C 放射線療法 (星章彦)
第5章 がん治療に対する看護
A がん治療における看護の重要性 (雄西智恵美)
B がん手術療法における看護
C 薬物療法における看護 (田墨惠子)
D 放射線療法における看護 (飯野京子)
E 造血幹細胞移植と看護 (森文子)
第6章 がん治療の場と看護
A 外来がん看護 (矢ヶ崎香)
B がん患者の療養支援 (渡邉眞理・清水奈緒美)
巻末資料 抗がん薬一覧
索引
A がんについて知る
B がん医療が直面する課題と施策
第2章 がんの病態と臨床経過 (中根実)
A がんの病態
B がん患者の臨床経過
第3章 がん患者の看護
A エビデンスに基づく看護実践 (小松浩子)
B がん患者の苦痛・合併症に対するマネジメント (神田清子)
C がん患者の心理的サポート (小松浩子)
D がんの予防と早期発見
第4章 がんの治療
A 手術療法 (嘉和知靖之)
B 薬物療法 (中根実)
C 放射線療法 (星章彦)
第5章 がん治療に対する看護
A がん治療における看護の重要性 (雄西智恵美)
B がん手術療法における看護
C 薬物療法における看護 (田墨惠子)
D 放射線療法における看護 (飯野京子)
E 造血幹細胞移植と看護 (森文子)
第6章 がん治療の場と看護
A 外来がん看護 (矢ヶ崎香)
B がん患者の療養支援 (渡邉眞理・清水奈緒美)
巻末資料 抗がん薬一覧
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