新臨床栄養学 増補版

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好評いただいた、医師のための臨床栄養学のテキストの大幅増補。「日本人の食事摂取基準」および各種疾患ガイドライン、診断基準の最新版に準拠。精細な記述とともに最新情報をさらに充実、多方面の読者にアピールする画期的な教科書。
編集 岡田 正 / 馬場 忠雄 / 山城 雄一郎
編集協力 雨海 照祥 / 佐々木 雅也 / 宮田 剛 / 島田 和典
発行 2011年03月判型:B5頁:656
ISBN 978-4-260-01349-9
定価 10,450円 (本体9,500円+税)
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 最近の30年間における臨床栄養学の目覚ましい進歩・発展に疑いを差し挟むものはいないであろう.それは中心静脈栄養法の導入と発展,引き続いての経腸栄養法の進歩によってトータルの栄養法(栄養治療)が確立され,それまで入院患者に数多くみられた栄養障害に対して大いなる威力を発揮し,また数々の難治疾患に対し栄養代謝面からのアプローチを可能にしたことによるものであろう.さらにまた一方では,飽食の時代が始まり,国民の急速な高齢化の進展とともに糖尿病,脂質異常症(高脂血症),高血圧など生活習慣病の罹患率が高まり,これらの疾患に対し遺伝学,分子生物学的アプローチを駆使しての病因・病態の解明,治療・予防法の展開が得られている.そして今やさまざまな病態の基盤に存する栄養・代謝異常を正しくとらえ,早期に的確な治療を行うことが求められている.
 このような時代にあって,日常臨床に従事するすべての医師に求められているのが,医学栄養学の基本的な知識の把握と実践である.さらに,栄養士,看護師,薬剤師とともに医療チームを構成し,栄養診断・治療の判断を下すべきリーダーとしての立場も求められている.しかしながら,臨床の現場においてはいまだ多くの医師が患者の栄養管理に無関心であり,また各医師が独自の判断基準に基づいて誤った,あるいは不十分な栄養管理を行っていたり,重症になって初めて栄養障害に気づいて治療を開始するといった事実にも遭遇するのが現状である.輸液・栄養に関連した医療事故の発生も後を絶たずに起こっている.そこで,わが国の第一線で活躍中の方々を網羅し,臨床医学に携わる医師が誰しも身につけておくべき“スタンダード”な医学栄養学(臨床栄養学)の知識・技術を簡潔にわかりやすくまとめた教科書を作成することを考えた.編集者3人が十分な相談を重ね,まず全体的な梗概を定め,次いでこれを細目に分けそれぞれ最適と考えられる執筆者を厳選し,執筆を依頼した.
 本書が今後,臨床医学を志すすべての医学生,研修医,さらには各診療科の専門医に愛読され,栄養学に関するバイブルとして広く用いられ,また日常の医療において患者の診療に役立ち,威力を発揮することを信じている.

 2007年3月
 岡田 正 馬場忠雄 山城雄一郎


【増補版の刊行にあたって】
今般増刷にあたって,「日本人の食事摂取基準2010年版」また各種疾患ガイドラインや診断基準の最新版に対応した『増補版』として刊行することになった.これに伴い,各執筆者には初版の内容を見直し,古くなった記述などを改めていただいた.最新版として読者の要望に応えられたら幸甚である.

 2011年3月
 馬場忠雄 山城雄一郎

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総論
 1.医学栄養学の歴史
 2.栄養教育の重要性

基礎編
I.病態生化学
 1.水・電解質代謝(脱水症)
 2.糖質代謝
 3.たん白質・アミノ酸代謝
 4.脂質代謝
 5.脂溶性ビタミンの欠乏・過剰
 6.水溶性ビタミンの欠乏・過剰
 7.微量元素の欠乏・過剰
 8.食物繊維(プレバイオティクス)
 9.過酸化脂質
II.病態生理学
 1.食欲の調節
 2.消化・吸収の調節機構
 3.妊娠・授乳と栄養
 4.乳幼児の成長・発育
 5.加齢と栄養
 6.創傷治癒と栄養
 7.栄養障害と免疫
 8.遺伝子発現と栄養
 9.栄養とサイトカイン
 10.栄養と神経内分泌反応
 11.成長因子と栄養
 12.腸内細菌叢とプロバイオティクス
III.日本人の食事摂取基準(2010年版)
 日本人の食事摂取基準(2010年版)

臨床編
I.栄養アセスメント
 1.身体構成成分
 2.呼気ガス分析
 3.食事調査法
 4.栄養評価指標としての血清たん白
 5.尿中窒素化合物─3メチルヒスチジンを中心に
 6.生理機能による評価
II.栄養法
 1.経口摂取(経口食)
 2.経腸栄養
 3.経皮内視鏡的胃瘻造設術
 4.静脈栄養
 5.経腸栄養法と静脈栄養法の選択基準
 6.健康(栄養)補助食品
 7.在宅経腸・静脈栄養
 8.オーダーメイド栄養(テーラーメイド栄養)
 9.栄養治療チーム(NST)
III.疾患と栄養
 1.肥満
 2.脂質異常症,動脈硬化
 3.糖尿病
 4.高血圧
 5.アレルギー疾患
 6.骨粗鬆症
 7.神経性食欲不振症
 8.精神・神経疾患
 9.摂食・嚥下障害
 10.先天性代謝異常症
 11.食物アレルギー
 12.低出生体重児(LBWI)
 13.アルコール依存症
 14.貧血
 15.呼吸不全(慢性閉塞性肺疾患)
 16.心不全,心臓悪液質
 17.HIV感染症における栄養アセスメント─HAARTに伴う脂質代謝異常
 18.消化性潰瘍
 19.慢性下痢
 20.炎症性腸疾患
 21.短腸症候群
 22.腸管不全
 23.脂肪肝
 24.肝炎(急性・慢性)
 25.肝硬変,肝癌
 26.胆汁うっ滞
 27.肝移植
 28.食道癌,胃癌
 29.大腸癌
 30.胆石症
 31.膵炎(急性・慢性)
 32.膵癌(術後,特に膵全摘)
 33.腎不全と栄養療法
 34.急性腎炎・ネフローゼ
 35.術前術後管理
 36.多臓器不全

欧文索引
和文索引

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