看護教育における授業設計 第4版
2009年4月実施の新カリキュラムに合わせて改訂
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本書は、看護教員が看護教育の理念・目的・目標をふまえた授業設計を構築できるよう、その基本を講義、演習、実習の授業形態に分け、例題とともに具体的に示し、授業評価や授業研究、教授・学習方法まで提示する。第4版は、2009年4月に改正される保健師助産師看護師法に基づく保健師、助産師、看護師の教育課程(新カリキュラム)に沿って改訂されている。
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序文
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第4版 まえがき
年号が平成に変わって20年,21世紀に入って10年弱が経過した。その間,社会は今までにない変化が世界的規模ではじまり,現在も進行している。日本国内においても,政治・経済・社会制度などあらゆる面で大幅に変わらざるを得ない状況となりつつあり,時代の転機にあることが感じさせられる。
教育界においても,教育基本法の見直しや教育体制の改革があげられている。差しあたって「ゆとり教育」から学力の強化を図る方向への転換がなされ,それに伴う対策が実行されはじめている。
医療の分野でも医療技術の進歩はめざましく,不治とされてきた疾病の治療をはじめ,神秘・奇跡とされてきた生命についても解明が進むだけでなく,人工的な操作を容易にするところまできている。一方,それらがもたらす自然淘汰の乱れに対する危惧や人間社会における倫理観についての論議が高まっている。これらのことは,人間の誕生から死までを対象とする看護ともかかわりをもち,看護職の育成にも大きな影響を及ぼすと考えられる。
2009(平成21)年4月からは,保健師助産師看護師法にもとづく保健師,助産師,看護師の教育課程が改正される。趣旨は看護実践能力の強化であり,その方策として技術項目の精選と到達目標の明確化,統合分野・科目の設置,学内演習の充実があげられている。加えて,看護教員の資質の向上が示唆され,教育方法や看護実践の場での研修,自己研鑽に努めることが望ましいとある。教育課程が改正されても,それに沿った看護職を育成できるかは,教育に携わる看護教員の力量によって成果に差が出ることは言をまたない。その歪みに対する警鐘がようやく鳴らされたとみることができる。
看護教員が確実にマスターすべきことは,看護教育の理念・目的・目標をふまえた授業設計を構築できること,それにもとづく実践方略をもつことである。
本書は,授業設計の基本を講義・演習・実習の授業形態に分けて,例題を用いて具体的に示すとともに,授業評価や授業研究,教授―学習方法についてもふれている。看護学生や新人の教育,現任教育,管理者教育など,さまざまな看護教育に携わる方々の道しるべ,あるいは看護教育の原点や基本のふり返りに役立つことを願って改訂を重ね,内容の充実に努めてきたが,今般,教育課程の改正を受けて第4版を発刊することになった。看護教員,臨地実習指導者,教育委員をはじめ教育,指導にかかわりのある多くの方々にご活用いただけることを期待してやまない。
2009年1月
青木康子/佐藤みつ子/宇佐美千恵子
年号が平成に変わって20年,21世紀に入って10年弱が経過した。その間,社会は今までにない変化が世界的規模ではじまり,現在も進行している。日本国内においても,政治・経済・社会制度などあらゆる面で大幅に変わらざるを得ない状況となりつつあり,時代の転機にあることが感じさせられる。
教育界においても,教育基本法の見直しや教育体制の改革があげられている。差しあたって「ゆとり教育」から学力の強化を図る方向への転換がなされ,それに伴う対策が実行されはじめている。
医療の分野でも医療技術の進歩はめざましく,不治とされてきた疾病の治療をはじめ,神秘・奇跡とされてきた生命についても解明が進むだけでなく,人工的な操作を容易にするところまできている。一方,それらがもたらす自然淘汰の乱れに対する危惧や人間社会における倫理観についての論議が高まっている。これらのことは,人間の誕生から死までを対象とする看護ともかかわりをもち,看護職の育成にも大きな影響を及ぼすと考えられる。
2009(平成21)年4月からは,保健師助産師看護師法にもとづく保健師,助産師,看護師の教育課程が改正される。趣旨は看護実践能力の強化であり,その方策として技術項目の精選と到達目標の明確化,統合分野・科目の設置,学内演習の充実があげられている。加えて,看護教員の資質の向上が示唆され,教育方法や看護実践の場での研修,自己研鑽に努めることが望ましいとある。教育課程が改正されても,それに沿った看護職を育成できるかは,教育に携わる看護教員の力量によって成果に差が出ることは言をまたない。その歪みに対する警鐘がようやく鳴らされたとみることができる。
看護教員が確実にマスターすべきことは,看護教育の理念・目的・目標をふまえた授業設計を構築できること,それにもとづく実践方略をもつことである。
本書は,授業設計の基本を講義・演習・実習の授業形態に分けて,例題を用いて具体的に示すとともに,授業評価や授業研究,教授―学習方法についてもふれている。看護学生や新人の教育,現任教育,管理者教育など,さまざまな看護教育に携わる方々の道しるべ,あるいは看護教育の原点や基本のふり返りに役立つことを願って改訂を重ね,内容の充実に努めてきたが,今般,教育課程の改正を受けて第4版を発刊することになった。看護教員,臨地実習指導者,教育委員をはじめ教育,指導にかかわりのある多くの方々にご活用いただけることを期待してやまない。
2009年1月
青木康子/佐藤みつ子/宇佐美千恵子
目次
開く
まえがき
本書の特徴と使い方
序章 授業設計の前に
1 教育課程(カリキュラム)と授業設計
2 教育の目的と授業設計
3 授業設計に及ぼす諸因子
第I章 授業設計と指導案
1 授業設計とは
2 指導案作成の基本
第II章 「講義」の指導案
1 単元の指導案
2 1単位時間の指導案
第III章 「演習(技術)」指導案
1 1単位時間の指導案
第IV章 「臨地実習」指導案
1 実習指導案とは
2 実習指導案の構成要素・形式
3 本実習の指導案
4 週の指導計画(週案)の作成
5 日単位の指導計画(日案)の作成
6 評価計画
7 略案の作成
第V章 模擬授業
1 模擬授業の意義
2 「講義」の模擬授業
3 「演習(技術)」の模擬授業
第VI章 授業研究
1 授業研究とその意義
2 授業研究の場
3 授業研究の進め方
第VII章 看護教育における教授-学習方法
1 教授-学習方法とは
2 学習形態による分類
3 教授-学習方法による分類
4 試験問題のつくり方と評価方法
付録1 母性看護学実習指導案(日案)-褥婦の看護
付録2 小児看護学実習指導案(週案)
付録3 精神看護学実習指導案(週案)
索引
本書の特徴と使い方
序章 授業設計の前に
1 教育課程(カリキュラム)と授業設計
2 教育の目的と授業設計
3 授業設計に及ぼす諸因子
第I章 授業設計と指導案
1 授業設計とは
2 指導案作成の基本
第II章 「講義」の指導案
1 単元の指導案
2 1単位時間の指導案
第III章 「演習(技術)」指導案
1 1単位時間の指導案
第IV章 「臨地実習」指導案
1 実習指導案とは
2 実習指導案の構成要素・形式
3 本実習の指導案
4 週の指導計画(週案)の作成
5 日単位の指導計画(日案)の作成
6 評価計画
7 略案の作成
第V章 模擬授業
1 模擬授業の意義
2 「講義」の模擬授業
3 「演習(技術)」の模擬授業
第VI章 授業研究
1 授業研究とその意義
2 授業研究の場
3 授業研究の進め方
第VII章 看護教育における教授-学習方法
1 教授-学習方法とは
2 学習形態による分類
3 教授-学習方法による分類
4 試験問題のつくり方と評価方法
付録1 母性看護学実習指導案(日案)-褥婦の看護
付録2 小児看護学実習指導案(週案)
付録3 精神看護学実習指導案(週案)
索引