身体機能作業療法学 第2版

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身体機能とその機能障害について解説した後、各種身体機能作業療法の治療原理および実践課程と事例を、図・写真を多用してわかりやすく紹介。第2版では新しい国家試験出題基準に対応させ、「第1章・II 身体機能障害の治療原理」に「運動制御・運動学習」と「リスク管理」を、第3章に対象者が増えつつある糖尿病と循環器疾患の実践事例を収載。
*「標準作業療法学」は株式会社医学書院の登録商標です。
シリーズ 標準作業療法学 専門分野
シリーズ監修 矢谷 令子
編集 岩崎 テル子
編集協力 山口 昇
発行 2011年02月判型:B5頁:484
ISBN 978-4-260-00896-9
定価 5,170円 (本体4,700円+税)
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第2版 序

 作業療法が実施される分野は,大きく分けて身体機能・精神機能・発達過程・高齢期・地域の分野がある.どの分野で実施される作業療法であっても,作業療法は対象者が望む“意味ある作業”に取り組めるようにすることを目指している.そのために,作業療法士は対象者が抱える障害や問題だけでなく利点(機能している点)をも含めて,また心身両面にわたって対象者を包括的にとらえアプローチ(治療・指導・援助)している.分野を分けるのは,どの側面により重点をおいてアプローチしているかであろう.その点からいえば,本書は身体機能の側面に重点をおいた作業療法を解説している.
 本書は初版と同じく,本シリーズの『作業療法評価学』とも関連性をもたせ,理解しやすいよう考慮してある.構成も初版と同じく3章構成となっているが,作業療法に求められるものは日々拡大してきており,それに応じて細部にわたる見直しと追加を行った.第1章の「身体機能作業療法学の基礎」では運動制御・運動学習,リスク管理の項を,第3章の「身体機能作業療法の実践事例」ではXI節として「糖尿病・心疾患」を追加し,初版と同じ項目も可能なかぎり構成を統一した.初版よりも読みやすさ,学びやすさが増したと思う.新たに追加した2つの疾患は,それだけでは作業療法の診療報酬請求の対象とはならないが,対象者が望む“意味ある作業”に取り組めるようにするという観点からは作業療法が貢献できる面は多い.また,作業療法の対象者はこれらの疾患を合併していることが多い.しっかりとした知識をもっておくことはきわめて重要である.
 身体機能作業療法の分野では,医療施設から回復期リハビリテーション病棟や介護老人保健施設を経て地域生活へという流れが定着してきたと思われる.そして,病院を含めた施設の滞在期間を可能なかぎり短縮することが求められ,在宅での生活が強調されるようになってきた.
 医療色が強い施設ではより医学的な知識と技術が,地域もしくは在宅生活を援助するうえではより福祉的な知識と技術が必要ではある.しかし,作業療法士は医療職である.どの場面で働くにしても,しっかりとした医学的知識と技術がベースになる.本書ではそれを学んでほしい.そのうえで,対象者の求めに応えられるような豊かな“引出し!”を増やす必要がある.それを可能にするのは,本書初版の序にあるように“出逢い体験”と“作業体験”である.勉学とともに,多くの体験をしてほしいと願う.

 2011年2月
 執筆者を代表して
 編者一同

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序章 身体機能作業療法学を学ぶ皆さんへ
第1章 身体機能作業療法学の基礎
 I 身体機能作業療法学の基礎
 II 身体機能障害の治療原理
第2章 身体機能作業療法実践の枠組み
 I 作業療法の過程
 II 病期に応じた治療・指導・援助内容の違い
 III 実施場所に応じた治療・指導・援助内容の違い
 IV ライフサイクルに応じた治療・指導・援助の違い
第3章 身体機能作業療法の実践事例
 I 脳血管障害と脳外傷
 II 頸髄損傷
 III 神経変性疾患
 IV 末梢神経損傷
 V 神経・筋疾患
 VI 熱傷
 VII 関節リウマチ
 VIII 骨・関節疾患
 IX 切断
 X 呼吸器疾患
 XI 糖尿病と心疾患
 XII ターミナルケアと作業療法
身体機能作業療法学の発展に向けて
 さらに深く学ぶために
 索引

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