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内科レジデントマニュアル 第7版

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「研修医一人でも、最低限必要な治療を、安全に実施できる」ことを目指した元祖レジデントマニュアル。かつて本書を愛用した新責任編集者のもと、第7版では読みやすさの追求から統一感ある記載がされ、ハンディさを維持するためのスリム化も本書全般に採用されている。さらに新臨床研修制度に則った項目、専門医の応援を仰ぐべき場面や医療安全上のピットフォールも加えられた。定評ある聖路加国際病院研修制度の息吹が伝わる実践書。
*「レジデントマニュアル」は株式会社医学書院の登録商標です。

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シリーズ レジデントマニュアル
聖路加国際病院内科レジデント
発行 2009年06月判型:B6変頁:512
ISBN 978-4-260-00812-9
定価 3,740円 (本体3,400円+税)
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推薦の序(五十嵐正男)/第7版 序(堀之内秀仁)

推薦の序
 聖路加国際病院では,日本に研修医制度が導入される数十年以上も前から,この制度を独自に取り入れ,若い医師の教育と育成に努力を重ねてきた.
 その結果,現在日本の医学界の第一線で活躍している人達の中に数多く当院からの卒業生の名前が見られ,それが私どもの喜びと誇りになり,毎日の教育活動の支えになっている.
 この度,内科に在職中の研修医がチーフレジデントの高尾信廣君(昭和54~58年)を中心にして集まり,数多くの会合を重ね,新しく入って来る後輩達のために自分達が病棟で行っている診療の実際をマニュアルの形でまとめて出版したのが,本書である.
 内容は,何を・どれだけ・どのように与えるかと具体的であり,安全を重視する当院の基本的な治療方針がよく書かれてある.
 他人の書いたものをそのまま引用したものではなく,毎日の診療の間から浮かび出てきたものを書いてあるので,これほど説得力のあるマニュアルはないと思う.
 当院では研修医の診断と治療は必ず専門医である医長の指導の下で行われるので,本書はつまり当院の内科スタッフ医師の治療方針を示していることもここで強調したい.
 米国のWashington大学のレジデント達がまとめた「Manual of MedicalTherapeutics」が数多くの版を重ねているが,本書はそれに匹敵する内容を持っていると信ずる.
 本書が研修医のみならず,臨床に携わっているすべての医師のより良い診療を行うための一助になれば幸いである.

 昭和59年5月
 五十嵐正男


第7版 序
 医師,病院に関連した記事・ニュースを見ない日はなく,医療を取り巻く環境が急速に変化しています.聖路加国際病院内科も例外ではなく常に変化を続け,むしろ時代に先んずるかたちでよりよい内科研修を目指しています.ここ数年の最も大きな変化といえば,以前から定評のあった屋根瓦式指導体制をさらに強化すべく,指導医よりもさらに研修医に近い感覚で現場の直接指導を行う後期研修医(当院ではシニアレジデントと呼称)を院内外から大幅増員したことでしょう.聖路加生え抜きのシニアレジデントと,院外から採用された選りすぐりのシニアレジデントの両方から,濃厚な指導を受ける環境が確立しつつあります.
 そんななか,20年以上の歴史ある本書の責任編集者も,初版以来長年つとめられた高尾信廣先生から,堀之内へと代替わりいたしました.読者としてスタートし研修医の指導に本書を利用してきた立場から,今回の改訂ではさらに研修医にとって使いやすい項目,内容を目指しました.具体的には,読みやすさのための統一感ある記載,ハンディさを維持するためのスリム化,そして新しい臨床研修制度に則った項目の追加などを心がけました.また,従来からの特徴である「研修医一人でも,最低限必要な治療を,安全に実施できる」というコンセプトを強化し,専門医の応援を仰ぐべき場面や医療安全上のピットフォールについての記載もふんだんに加えました.
 書籍としてはまだまだ改善の余地は残っていると思われますが,この改訂第7版がこれからを担う若い医師の研修に役立ち,一人でも多くの患者さんに適切な医療が提供されることを期待しています.
 最後に少しだけお礼を.常に刺激を与え続けてくれる聖路加国際病院の仲間と,いつも支えてくれる妻に心から感謝しています.また本書は,執筆してくださった先生方,医学書院医学書籍編集部の中根冬貴さん,制作部の永安徹也さん他たくさんのスタッフの方との共同作業で完成にこぎつけました.この場をかりて御礼申し上げます.

 平成21年4月
 堀之内秀仁

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1.心肺停止─心肺蘇生法
2.ショック
3.意識障害
4.めまい
5.頭痛
6.発熱
7.胸痛
8.喀血
9.関節痛
10.脱水・輸液
11.電解質・酸塩基平衡異常
12.感染症治療
13.貧血・DIC
14.急性冠症候群(狭心症・急性心筋梗塞)
15.急性心不全(慢性心不全の急性増悪を含む)
16.高血圧緊急症および切迫症
17.不整脈
18.肺血栓塞栓症
19.呼吸不全
20.気管支喘息・COPD
21.肺炎
22.脳血管障害
23.痙攣
24.急性腹症
25.消化管出血(吐血・下血と血便)
26.肝不全・肝性昏睡─劇症肝炎や肝硬変患者の管理
27.下痢・便秘
28.急性腎障害
29.慢性腎臓病患者の治療・管理
30.糖尿病,糖尿病の救急
31.甲状腺機能亢進症・低下症
32.うつ病・抑うつ状態への対応
33.悪性腫瘍患者の緊急症
34.救急を要する膠原病
35.病棟で経験するアレルギー
36.疼痛の治療
37.睡眠薬の使い方
38.病棟で経験する中毒
39.術前評価と周術期管理

付録1 間違った血液型を輸血したとき─赤血球ABO不適合輸血
付録2 針刺し事故─HBV,HCV,HIV感染予防
付録3 腎障害時の薬剤投与量
付録4 妊娠,授乳中の薬剤
付録5 抗凝固・抗血小板薬中止基準
付録6 よく使う公式集
付録7 よく使う臨床分類・ガイドライン
付録8 死亡診断書の書き方

索引
薬剤索引

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改訂で最新の治療についてフォロー
書評者: 徳田 安春 (筑波大大学院教授/水戸協同病院総合診療科)
 内科レジデントマニュアルが第7版として3年ぶりに改訂された。昭和59年に初版が世に出て以来,長期にわたり好評を得ている内科マニュアルである。初版時には聖路加国際病院内科レジデント医師によって執筆陣が構成されたが,今回の最新版の大幅な改訂でも多くの先生方が執筆作業に継続して参画されている。そのためか,初版以来続いている良い特徴は維持されており,白衣のポケットに収まるコンパクトサイズで読みやすく,主として内科領域のコモンな症候や病態,疾患が扱われている。改訂が行われたことによって,日進月歩の内科領域の最新治療についてフォローできる内容となった。

 まず改訂版を通読してみて,新たに評価できる点がいくつかあることに気付いた。まず,多くの治療項目では治療内容における個々のレジメンについて,妥当性のレベルが明示されている。エビデンスに基づくガイドラインなどでのコンセンサスがどの程度得られているかどうかがひと目でわかるように★印の数でマークされており,EBMを重視したプラクティスが適切な診療とみなされる今日,治療内容の選択のガイダンスとして大いに役に立つと思われる。

 研修医が日常臨床で迷う場面として,専門科スタッフへのコンサルトのタイミングや,医療安全を配慮したリスク(セーフティー)・マネジメントの具体的実践法が挙げられる。このマニュアルでは,これらの点の重要ポイントとして,「専門診療科紹介のタイミング」と「リスクマネージメントのポイント」として,各項目でわかりやすくまとめられているのが良い。また,臨床現場での使いやすさが大幅にアップしており,充実した和文・欧文索引に加え,臨床現場でよく使用される計算式や主要な薬剤の薬力学的動態,注射薬の配合例などの情報もしっかり整理されている。さらには,医学書院ホームページ上に 特設サイト が設置されており,新たに追加すべき臨床情報などが随時掲載されていくというサービスまで付いている。

 基本的な読者層としては内科系研修医が想定されているが,スタッフ医師や一般医家の先生方の利用にも十分耐えうる高度な内容が盛り込まれている。重要な治療内容は具体的な用法と共に,図表で強調されて記載されており,臨床現場での処方が直ちに実行される形で,コモンディジーズに対しての標準的な治療法を学ぶことができるよう工夫されている。

 一方で,よく使用される診断基準や診断・治療のアルゴリズムなどの図表が豊富であり,死亡診断書の記載法など,初学者のための便宜も図られている。あえて欲を言えば,エビデンスとしての根拠を示す参考文献として,重要な原著論文や英文総説も含めてほしかったぐらいであろうか。

 今回の改訂では,堀之内秀仁氏(2006年チーフレジデント)が責任編集者としての大役に抜擢されている。これだけの充実したコンテンツで,使い勝手にも十分配慮したマニュアルが完成したことに,内科レジデントマニュアルが新しい世代への引継ぎ作業を成功させたことを読み取ることができた。研修医のみならず,内科系疾患を診療する臨床家に広くお薦めしたい。

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本書の記述の正確性につきましては最善の努力を払っておりますが、この度弊社の責任におきまして、下記のような誤りがございました。お詫び申し上げますとともに訂正させていただきます。

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