これなら使える看護介入
厳選47 NANDA-I看護診断ラベルへの看護介入
看護診断への看護介入法を提示した初の実践書
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臨床でよく使われる47の診断ラベルに対する、活用可能な看護介入を具体的に示した初めての書。診断ラベルの定義と解釈を示し、①看護介入行為の選択→②図解による看護介入の実際→③事例に基づく看護介入計画→④SOAP方式の経過記録→⑤評価方法で構成される。臨床者・看護学生らが、看護診断に対する臨床への適応可能な看護介入法を認識でき、それを効果検証できる内容にした。
編集 | 江川 隆子 |
---|---|
発行 | 2009年06月判型:A5頁:436 |
ISBN | 978-4-260-00886-0 |
定価 | 3,740円 (本体3,400円+税) |
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序文
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はじめに
日本人は外来のものを好んで盲目的に受け入れる習癖があり,看護界においても同様の傾向が見られる.昨今のわが国の臨床において電子カルテ化が進む中で,看護記録の1つの方法として,看護診断(NANDA)と看護介入分類(NIC),看護成果分類(NOC)のリンケージを利用する病院が多くなっている.これは,外来もの好みのわが国の風潮そのものといえるが,ではNICやNOCのように体系だてて看護問題あるいは看護診断に対応する成果分類や看護介入(援助)行為をまとめたものはというと,わが国では皆無に等しいことも事実である.
しかしながらNICとNOCは元来,NANDA-Iの看護診断を念頭においてまとめられたものではないため,看護診断の診断指標や関連因子に対応する内容とはなっていない.「看護診断」と「看護成果」と「看護介入(看護治療)」との理論的な関係づけを確立することの重要性は共通の理解であるが,これら3つを内容的にリンケージし,臨床に応用しようと考えるのは,相互の関係やその整合性が十分かつ綿密に検証されていないため,無謀な試みとすら言えるかもしれない.具体的には,NICが提示している看護介入のための「行動」を,看護者が実践できないといった事態が容易に想像できる.
本書では,こうした状況を考慮したうえで,これまで研究された看護治療(看護行為)について文献レビューし,実際に活用しうる看護治療(看護行為)を具体的に示そうと考えた.これら看護治療の技術は,今後とも看護師自身が臨床で患者に対して実施しながら獲得し,かつ検証すべきものである.
ここでは,NANDA-Iの提示する看護診断のうち,臨床でよく用いられる47の看護診断に対応する看護治療を中心に取り上げている.具体的には以下の内容である.
① 看護診断に対する看護治療(行為)の選択
看護治療の選択にあたっては,ICN国際看護分類,看護にかかわる主要な用語の解説(日本看護協会),日本看護科学学会看護用語分類,NIC(看護介入分類)を参考にした.
② 看護治療のための基礎理論およびその方法の提示
研究論文等の文献レビューを基にして基礎となる理論を提示し,その具体的な方法・内容・手順を図式等で詳しく概説する.また,臨床で看護治療を正確かつ安全に,また効率的に実施できるヒントを,〈介入のためのワンポイント〉として示している.
③ 47の看護診断それぞれに活用可能な看護治療法,内容・手順などの提示
さらに,具体例を用いて診断―成果の立案―看護治療計画の立案―看護治療実施後の看護記録という臨床での実際の流れにそって,看護記録方法を臨床的視点から,また研究および教育的視点から紹介している.
本書を熟読することで,臨床家および研究者・看護学生が,これなら看護診断に対して実際に臨床で使える看護治療であると理解していただければ幸いである.それと同時に,以下のような事柄について習熟する学習を重ねていっていただくことを期待している.
① 看護診断に対する現実的な看護治療(行為)を認識できるようになる
② 看護診断に対する看護治療の効果を検証しようとする研究的視点を獲得できる
③ 臨床における看護診断に対する看護治療の適応,および計画立案について学ぶことができる
④ 臨床に根ざした研究の視点を広げ,研究実践にまでつなげることができる
現在,看護系学会等社会保険連合は,看護問題に対するEBN(エビデンスに基づく看護援助)を提示できる看護治療(行為)の提案を勧めている.本書で紹介するいくつかの看護治療(看護行為・援助)も,平成20年度の厚生労働省への看護界からの提案事項として盛り込まれたものである.
本書が,臨床家にとってほんとうに役に立つ,かつ臨床への適応可能な看護治療に関するバイブルとなると信じている.
2009年6月
関西看護医療大学看護学部長
江川 隆子
日本人は外来のものを好んで盲目的に受け入れる習癖があり,看護界においても同様の傾向が見られる.昨今のわが国の臨床において電子カルテ化が進む中で,看護記録の1つの方法として,看護診断(NANDA)と看護介入分類(NIC),看護成果分類(NOC)のリンケージを利用する病院が多くなっている.これは,外来もの好みのわが国の風潮そのものといえるが,ではNICやNOCのように体系だてて看護問題あるいは看護診断に対応する成果分類や看護介入(援助)行為をまとめたものはというと,わが国では皆無に等しいことも事実である.
しかしながらNICとNOCは元来,NANDA-Iの看護診断を念頭においてまとめられたものではないため,看護診断の診断指標や関連因子に対応する内容とはなっていない.「看護診断」と「看護成果」と「看護介入(看護治療)」との理論的な関係づけを確立することの重要性は共通の理解であるが,これら3つを内容的にリンケージし,臨床に応用しようと考えるのは,相互の関係やその整合性が十分かつ綿密に検証されていないため,無謀な試みとすら言えるかもしれない.具体的には,NICが提示している看護介入のための「行動」を,看護者が実践できないといった事態が容易に想像できる.
本書では,こうした状況を考慮したうえで,これまで研究された看護治療(看護行為)について文献レビューし,実際に活用しうる看護治療(看護行為)を具体的に示そうと考えた.これら看護治療の技術は,今後とも看護師自身が臨床で患者に対して実施しながら獲得し,かつ検証すべきものである.
ここでは,NANDA-Iの提示する看護診断のうち,臨床でよく用いられる47の看護診断に対応する看護治療を中心に取り上げている.具体的には以下の内容である.
① 看護診断に対する看護治療(行為)の選択
看護治療の選択にあたっては,ICN国際看護分類,看護にかかわる主要な用語の解説(日本看護協会),日本看護科学学会看護用語分類,NIC(看護介入分類)を参考にした.
② 看護治療のための基礎理論およびその方法の提示
研究論文等の文献レビューを基にして基礎となる理論を提示し,その具体的な方法・内容・手順を図式等で詳しく概説する.また,臨床で看護治療を正確かつ安全に,また効率的に実施できるヒントを,〈介入のためのワンポイント〉として示している.
③ 47の看護診断それぞれに活用可能な看護治療法,内容・手順などの提示
さらに,具体例を用いて診断―成果の立案―看護治療計画の立案―看護治療実施後の看護記録という臨床での実際の流れにそって,看護記録方法を臨床的視点から,また研究および教育的視点から紹介している.
本書を熟読することで,臨床家および研究者・看護学生が,これなら看護診断に対して実際に臨床で使える看護治療であると理解していただければ幸いである.それと同時に,以下のような事柄について習熟する学習を重ねていっていただくことを期待している.
① 看護診断に対する現実的な看護治療(行為)を認識できるようになる
② 看護診断に対する看護治療の効果を検証しようとする研究的視点を獲得できる
③ 臨床における看護診断に対する看護治療の適応,および計画立案について学ぶことができる
④ 臨床に根ざした研究の視点を広げ,研究実践にまでつなげることができる
現在,看護系学会等社会保険連合は,看護問題に対するEBN(エビデンスに基づく看護援助)を提示できる看護治療(行為)の提案を勧めている.本書で紹介するいくつかの看護治療(看護行為・援助)も,平成20年度の厚生労働省への看護界からの提案事項として盛り込まれたものである.
本書が,臨床家にとってほんとうに役に立つ,かつ臨床への適応可能な看護治療に関するバイブルとなると信じている.
2009年6月
関西看護医療大学看護学部長
江川 隆子
目次
開く
はじめに
第1章 看護介入のための基礎知識
第2章 本書の読み方
第3章 看護介入(看護治療)
DOMAIN(領域)1:ヘルスプロモーション
非効果的自己健康管理
DOMAIN(領域)2:栄養
栄養摂取消費バランス異常:必要量以下
嚥下障害
体液量過剰
DOMAIN(領域)3:排泄と交換
腹圧性尿失禁
反射性尿失禁
切迫性尿失禁
機能性尿失禁
下痢
便失禁
便秘
DOMAIN(領域)4:活動/休息
睡眠パターン混乱
移乗能力障害
身体可動性障害
床上移動障害
車椅子移動障害
歩行障害
摂食セルフケア不足
入浴セルフケア不足
更衣セルフケア不足
排泄セルフケア不足
活動耐性低下
DOMAIN(領域)5:知覚/認知
片側無視
言語的コミュニケーション障害
知識不足
DOMAIN(領域)6:自己知覚
絶望
無力
自己尊重状況的低下
ボディイメージ混乱
DOMAIN(領域)9:コーピング/ストレス耐性
非効果的コーピング
悲嘆
悲嘆複雑化
不安
死の不安
リスク傾斜健康行動
DOMAIN(領域)11:安全/防御
感染リスク状態
非効果的気道浄化
誤嚥リスク状態
周手術期体位性身体損傷リスク状態
転倒リスク状態
組織統合性障害
皮膚統合性障害
皮膚統合性障害リスク状態
自殺リスク状態
DOMAIN(領域)12:安楽
悪心
慢性疼痛
急性疼痛
第1章 看護介入のための基礎知識
第2章 本書の読み方
第3章 看護介入(看護治療)
DOMAIN(領域)1:ヘルスプロモーション
非効果的自己健康管理
DOMAIN(領域)2:栄養
栄養摂取消費バランス異常:必要量以下
嚥下障害
体液量過剰
DOMAIN(領域)3:排泄と交換
腹圧性尿失禁
反射性尿失禁
切迫性尿失禁
機能性尿失禁
下痢
便失禁
便秘
DOMAIN(領域)4:活動/休息
睡眠パターン混乱
移乗能力障害
身体可動性障害
床上移動障害
車椅子移動障害
歩行障害
摂食セルフケア不足
入浴セルフケア不足
更衣セルフケア不足
排泄セルフケア不足
活動耐性低下
DOMAIN(領域)5:知覚/認知
片側無視
言語的コミュニケーション障害
知識不足
DOMAIN(領域)6:自己知覚
絶望
無力
自己尊重状況的低下
ボディイメージ混乱
DOMAIN(領域)9:コーピング/ストレス耐性
非効果的コーピング
悲嘆
悲嘆複雑化
不安
死の不安
リスク傾斜健康行動
DOMAIN(領域)11:安全/防御
感染リスク状態
非効果的気道浄化
誤嚥リスク状態
周手術期体位性身体損傷リスク状態
転倒リスク状態
組織統合性障害
皮膚統合性障害
皮膚統合性障害リスク状態
自殺リスク状態
DOMAIN(領域)12:安楽
悪心
慢性疼痛
急性疼痛
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