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耳鼻咽喉科オフィスクリニック
主訴への対応編

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「耳喉頭頸ブックス」第2弾。『耳鼻咽喉科オフィスクリニック―診察・検査編』の姉妹編。症状,症候からなにを考え,どう対処すればよいか,経験豊富な臨床家が,診療の現場で会得したノウハウを惜しみなく開陳。教科書にはない,ビビッドな知識とスキルが満載。
編集 小田 恂
発行 2002年05月判型:B5頁:228
ISBN 978-4-260-13252-7
定価 8,800円 (本体8,000円+税)
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  • 目次
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第I章 耳症状・耳疾患
 1. 耳痛
 2. 耳漏
 3. 外耳道掻痒感
 4. 耳介血腫
 5. 耳閉塞感
 6. 外耳道異物
 7. 難聴
 8. 耳鳴
 9. めまい・平衡障害
 10. 顔面神経麻痺
第II章 鼻症状・鼻疾患
 1. 鼻閉・鼻漏
 2. 鼻出血
 3. 頬部腫脹
 4. 鼻腔異物
 5. 鼻骨骨折
 6. 吹き抜け骨折
 7. 急性副鼻腔炎
第III章 口腔咽頭症状・口腔咽頭疾患
 1. 誤嚥
 2. 口内痛
 3. 咽頭痛
 4. 咽喉頭異常感症
 5. 開口障害
 6. 咀嚼・嚥下障害
 7. 味覚障害
 8. 口腔咽頭異物
 9. 口内乾燥症
 10. 唾石症
 11. 舌白色病変
 12. 扁桃周囲膿瘍
 13. 口腔底蜂窩織炎
 14. 耳下腺腫脹
 15. いびき・睡眠時無呼吸
第IV章 喉頭症状・喉頭疾患
 1. 嗄声
 2. 音声障害
 3. 構音障害
 4. 言語発達遅滞
 5. 咽後膿瘍
 6. 急性喉頭蓋炎
 7. 急性声門下喉頭炎
第V章 頸部症状・頸部疾患
 1. 顔面痛
 2. 頸部腫脹・頸部腫瘤
 3. 甲状腺腫脹

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良医の評価は,主訴への対応できまる
書評者: 藤森 春樹 (藤森病院長)
◆高まるプライマリケアの重要性

 今回発行された『耳鼻咽喉科オフィスクリニック―主訴への対応編』の書評を開業医の立場から述べたい。
 現在,大病院指向がよく言われているが,日常最もよく遭遇する耳鼻咽喉科領域での疼痛,出血,呼吸障害,感覚障害などは,まず開業医を訪れることが多い。それだけにプライマリケアの重要性は,どの開業医の方々も十分認識しておられることで,その主訴をいかに早く取り除くかによってその医師の評価が決まってくる。
 開業医にとってつぎつぎと訪れる患者を目の前において,ゆっくりと主訴を聞いている時間的余裕がなく,つい問診表に書かれた主訴に目を通して,それに基づいて検査を進め,診断を下し,治療を行なうようになってしまいがちである。本来,医療というものは主訴のみでなく,その由来した背景をみつめながら診療を進めなければならない。よく言われるように,「大医は病を癒すのみでなく心をも癒す,中医は病のみを癒す,小医は病を癒さずかえって悪くする」。主訴をいかにとらえるかによって,良医は決まってくるものである。
 現在数多くの耳鼻咽喉科に関する図書が発刊されており,学会での図書展示を見ているとまったく多彩で,それぞれに特徴があり毎回数冊を買い求めるが,座右においていつも参考にしているのは,2―3冊に過ぎない。座右における必要条件としては,(1)平易に書かれて読みやすい,(2)図解などが多くわかりやすい,(3)新しい知見が盛り込まれている,(4)あまり嵩ばらないなどがあげられる。これらの条件を本書は,十分に満たしている。
 本書には,主訴から考えられる疾患が数多くあり,そのため詳しい病歴の聴取,視診,触診,解剖学的特殊性などをいつも考慮に入れて診断を下す上で参考になる。本書は,開業医としての初期治療において重宝なことがよくわかる。

◆役立つ患者への治療説明

 最近では,医学にかんする情報がマスコミを通じてかなり詳しく報道されているため,患者の医学的知識も結構豊富になり,それが正しく理解されるとよいのだが,生半可な知識となっているため,本書は,患者に適切な説明を行ない治療を進める上にも大変役立つ。随所に挿入されたcoffee breakの項も誠に日常臨床上の参考になり,ユニークな編集と感心させられる。
 主訴の分析が十分でなかったため,医事紛争に巻き込まれるおそれもある最近の風潮の中で,本書はこの点から座右において繰り返し読まれることをお勧めしたい。
診療所での日常臨床に役立つコツを開陳
書評者: 神崎 仁 (慶大名誉教授・耳鼻咽喉科学)
このたび,小田恂東邦大学教授の編集による『耳鼻咽喉科オフィスクリニック―主訴への対応編』が出版された。この本は同名の『診察・検査編』の姉妹編であるので,あわせて読まれるとさらに理解を深められるものと思う。内容は耳疾患,鼻疾患,口腔疾患,喉頭疾患,頸部疾患の中で,頻度の高い主訴への対応について記載されている。

◆第一線で活躍中の執筆者による地に足がついた内容

 著者の大部分は新進気鋭の教授,助教授,講師であり第一線で活躍されているので,記載の内容は地に足がついた書き方になっている。また,耳介血管腫の項の「私のコツ」はオフィスの手技として追試したいものである。
 編者も序文で述べておられるように,医療の原点は救急医療であり,本書にはそれにふさわしい項目が取りあげられている。執筆者によって記載の仕方,構成が違うのは内容の点からやむを得ないものであろう。問診のところでは,執筆者によって問診の「要点」であったり,「ポイント」あるいは「コツ」とされていて統一されていないが,本質的なことではない。
 編者もおそらく迷われたと思うが,タイトルを「主訴への対応」とされたにもかかわらず,項目に疾患名がいくつか入っている点が若干気になる人もいるかもしれない。例えば,急性副鼻腔炎の主訴はいくつもあるので疾患名として独立させたのだとも考えられるが,「頭痛」の項目や「頬部痛」の項目に入れることもできたと思われる。同様に急性喉頭蓋炎や急性声門下喉頭炎は呼吸困難の項目に入れることも可能ではなかったか。本書には頭痛,呼吸困難の項目が作られていなかったのは残念であった。
 しかし,これらの点はそれぞれの記載の内容の問題ではない。内容は執筆者の個性が出ており,診療所での日常臨床に十分役に立つものであり,推薦に値するものである。したがって,診療所の医師のみならず,病院勤務の若手医師,看護婦さん方にも一読をお勧めしたい。

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