新超音波医学 第4巻
産婦人科,泌尿器科,体表臓器およびその他の領域

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日本超音波医学会の総力をあげて執筆・編集した、最も信頼できるリファレンスブック。4分冊とすることで、必要な領域についてのみ、より多くの情報を得たいという読者のニーズに応えた。最新の知見を含むことはもちろん、第1巻には学会制定の用語とその解説、診断基準なども収載し、辞書としても活用できるよう配慮した。
日本超音波医学会
発行 2000年05月判型:B5頁:448
ISBN 978-4-260-10988-8
定価 8,800円 (本体8,000円+税)
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現在の超音波医学の到達点
書評者: 佐藤 郁夫 (自治医大教授・産婦人科)
 本書は日本超音波医学会の編集による超音波医学の教科書である。同学会編集の教科書としては,1966年にわが国初めての超音波専門書たる『超音波医学』が発刊され,その後1988年に『超音波診断』として全面改訂されたが,いずれもこの領域を志すもののバイブルとして高い評価を得てきた。そしてここに12年ぶりの全面改訂版である本書が上梓された。
 1990年代に入り,超音波の臨床医学に対する貢献はますます高まっている。フルデジタル回路の装置が登場するとともに,パワードプラ法,3次元エコー,ハーモニックイメージなどが次々と臨床応用され,形態的診断のみならず機能的診断も可能となった。さらには超音波の治療面への応用も各領域で進んでいる。2000年という次の時代を見据えた時期に本書が全面改訂新版として世に出たことは,まさしく時宜を得たものと言うことができよう。
 本書は4分冊のうちの第4巻であるが,その内容は大きく3部に分かれ,第I部:産婦人科,第II部:泌尿器科,第III部:体表臓器およびその他の領域から構成されている。第III部は,1.脳・神経領域 2.末梢血管 3.眼科領域 4.耳鼻咽喉科領域 5.顎下腺 6.乳房 7.甲状腺・上皮小体 8.胸・肺部領域 9.運動器領域 10.皮膚科領域の10領域からなっている。執筆は第一線で活躍中のわが国を代表する超音波専門医の手によってなされ,現在の超音波医学の到達点を示していると言える。

◆治療への応用にも配慮

 本書の題名は,21世紀の超音波医学における治療面への応用の可能性を踏まえ,あえて診断に限らない「新超音波医学」としたとのことである。まさにその内容も治療面への応用にも配慮され,産婦人科領域における超音波ガイド下穿刺,泌尿器科領域における超音波穿刺と術中応用,脳神経外科領域における術中応用などが具体的かつ詳細に述べられている。
 しかしもちろん「診断学」としての超音波医学が主たる内容を占めていることには変わりなく,『超音波診断学』としても必要十分な内容を持っている。各臓器ごとに正常像から始まり,各疾患ごとに最新の知見を盛り込みながらもポイントを押さえた簡明な記述で非常に理解しやすい。超音波写真も鮮明でカラー写真も豊富である。さらに文献・索引も充実しており,辞書的な用い方にも十分耐えられる。また,今回から専門領域ごとに4分冊化されたため,充実した内容を持ちながらハンディであり,利用の便が図られている。
 超音波医学を志す者はもちろんのこと,研修医から一般臨床医まで利用価値の高い1冊と考えられる。

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