新超音波医学 第2巻
消化器

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日本超音波医学会の総力をあげて執筆・編集した、最も信頼できるリファレンスブック。今版より4分冊とすることで、必要な領域についてより多くの情報を得たいという読者のニーズに応えた。最新の知見を含むことはもちろん、第1巻付録には学会制定の用語とその解説、診断基準なども収載し、辞書としても活用できるよう配慮した。
日本超音波医学会
発行 2000年05月判型:B5頁:324
ISBN 978-4-260-10985-7
定価 8,800円 (本体8,000円+税)
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学会が精力的に編集・刊行した超音波医学レファレンスブック
書評者: 北島 政樹 (慶大教授・外科学)
 近年,画像診断に関する出版物および論文が実に多く刊行されていることは周知の通りである。とりわけ超音波に関するものが多く,いわゆる初学者にとってはどれを選択するか迷うところだろう。そのような状況下でこのたび,日本超音波医学会が編んだ本書は,種々の選択条件を満たし,その成り立ちからして大いに注目に値する。

◆臨床の第一線で活躍する医師らの手による

 まず,「序」の中で松尾裕英前学会理事長が記しておられるように,この企画は学会が主体となって刊行された1966年以来3冊目の成書であることがわかる。学会自体が世に問う形で精力的に編集し刊行を行なうことは過去に例をみず,大変なエネルギーと協力が必要であったと推察され,敬意に値する。加えて新世紀の要請に合わせて内容の大改訂をはかり,書名も『超音波医学』から『超音波診断』へ,さらに今回『新超音波医学』へと変遷をたどった経緯も興味深い。
 その第2巻「消化器」を読んでみて最も印象的であったのは,その執筆陣の新鮮さと熱意がひしひしと伝わってくることである。一般に学会主導の書物では通例として高名な大家が筆頭著者に並びがちであることは否めない事実である。しかし,本書においては筆者はいずれも現在一線の臨床の場で超音波診療に携わり,しかも学識・経験も豊かな医師で占められていることが見てとれ,このことは学会の自信の表われと言っても過言ではない。
 徒に冗長な説明を避け,要領よく項目別に解説が行なわれている点は容易に読め,しかもすんなりと理解できることは評価に値する。血流情報など必要な箇所にはカラー印刷がなされ,腹部消化器領域におけるこの種の情報がいかに臨床上有用かが示されている点も本書の工夫とうかがえる。必要最小限に止めた引用文献も特徴の1つである。

◆内科・外科など専門領域を越えて

 全般的な検査の進め方から始まり,各臓器に対する超音波検査の臨床的意義,局所解剖と正常超音波所見および正常におけるvariant,続いて代表的疾患の超音波所見という構成は,読者の気持ちを考えた企画・構成である。さらに急性腹症,外傷,術中超音波といった外科的な内容も豊富であり,最新のharmonic imagingなど造影超音波検査で締めくくっている点はさすがである。
 今回4分冊となった点が,読者にとって便利になったか不便になったかは判断の分かれるところであるが,本書が内科・外科等の専門領域を越えて横断的に消化器診療に携わるすべての医師にとって座右の書となることは確信している。

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