地域理学療法学 第2版
改正介護保険法や障害者自立支援法の内容を盛り込んだ改訂版
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2005年に改正された介護保険法や新たに成立した障害者自立支援法の内容を盛り込み、刷新をはかった。改正された介護保険法では介護予防の重要性が謳われているが、介護予防における理学療法士の取り組みについては、新たに「介護予防と理学療法」と題する章を設けて詳述している。
シリーズ | 標準理学療法学 専門分野 |
---|---|
シリーズ監修 | 奈良 勲 |
編集 | 牧田 光代 |
発行 | 2007年04月判型:B5頁:288 |
ISBN | 978-4-260-00435-0 |
定価 | 5,170円 (本体4,700円+税) |
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目次
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第1章 地域理学療法の概念
I.地域リハビリテーションの広がりとその社会的背景
II.地域理学療法とは何か
III.「地域理学療法学」で学ぶこと
第2章 地域リハビリテーションを支えるシステム
I.福祉関連法的諸制度
II.関連機関との地域連携
III.社会資源
第3章 地域理学療法の展開
I.生活者としての対象者
II.要介護認定とケアマネジメント
III.介護予防と理学療法
IV.介護老人保健施設の役割
V.介護老人保健施設の実際(評価と実施計画書)
VI.介護老人福祉施設
VII.成人障害者施設
VIII.訪問理学療法の展開
IX.運動療法の展開(個人対応と集団対応)
X.地域における連携:入院・入所から在宅への準備
XI.地域における連携:施設の取り組み
XII.地域における他職種との連携
XIII.地域における連携:小児施設の取り組み
第4章 生活環境の整備
I.住宅改修
II.福祉用具
第5章 地域理学療法の実際
I.健康状態の評価
II.居宅高齢者の体力増進とリスク管理
III.脳血管障害
IV.骨折
V.慢性呼吸不全
VI.神経変性疾患
VII.脊髄疾患(脊髄損傷)
VIII.成人脳性麻痺
IX.認知症
X.褥瘡
XI.小児理学療法:乳幼児
XII.小児理学療法:学齢期
索引
I.地域リハビリテーションの広がりとその社会的背景
II.地域理学療法とは何か
III.「地域理学療法学」で学ぶこと
第2章 地域リハビリテーションを支えるシステム
I.福祉関連法的諸制度
II.関連機関との地域連携
III.社会資源
第3章 地域理学療法の展開
I.生活者としての対象者
II.要介護認定とケアマネジメント
III.介護予防と理学療法
IV.介護老人保健施設の役割
V.介護老人保健施設の実際(評価と実施計画書)
VI.介護老人福祉施設
VII.成人障害者施設
VIII.訪問理学療法の展開
IX.運動療法の展開(個人対応と集団対応)
X.地域における連携:入院・入所から在宅への準備
XI.地域における連携:施設の取り組み
XII.地域における他職種との連携
XIII.地域における連携:小児施設の取り組み
第4章 生活環境の整備
I.住宅改修
II.福祉用具
第5章 地域理学療法の実際
I.健康状態の評価
II.居宅高齢者の体力増進とリスク管理
III.脳血管障害
IV.骨折
V.慢性呼吸不全
VI.神経変性疾患
VII.脊髄疾患(脊髄損傷)
VIII.成人脳性麻痺
IX.認知症
X.褥瘡
XI.小児理学療法:乳幼児
XII.小児理学療法:学齢期
索引
書評
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対象者の生き生きとした生活を支えるための理学療法を明示
書評者: 半田 一登 (九州労災病院リハビリテーション科・技師長)
日本リハビリテーション病院・施設協会では,「地域リハビリテーションとは,障害のある人々や高齢者およびその家族が,住み慣れたところで,そこに住む人々と共に,一生安全に生き生きとした生活を送れるよう,医療や保健,福祉,および生活にかかわるあらゆる人々や機関・組織が,リハビリテーションの立場から協力し合って行なう活動のすべてをいう」としている。この文中にある「生活にかかわるあらゆる人々」の中に理学療法士は存在しており,地域理学療法を提供している。理学療法士は急性期医療からこの地域リハビリテーションまで強いかかわりを持っているが,提供される理学療法は各ステージによって根本的な違いがあることを承知しなければならない。またこの「あらゆる人々」には特定の制限を設けずに自由競争的となっており,この領域で力を発揮するためには柔軟な発想と幅広い知識,そして対応能のある技術のすべてが求められている。
近年,この分野の理学療法士に関する2つの話題をよく耳にする。1つは医療機関と比べた場合,理学療法士の数が増えていないということであり,もう1つはこの領域の理学療法士に対する周辺職域からの落胆の声である。これらは理学療法士教育がいまだに理学療法士および作業療法士法でいうところの「身体に障害のあるもの」を狭義に解釈して教育が構成されていることが要因かもしれない。また,長期実習が病院中心に終始していることも大きい。これらを受けて“医療職としての理学療法士”というフレーズを意図的に使い,地域リハビリテーションの領域から理学療法士を排除する動きすら感じる。この領域に地域理学療法を確立することは,地域リハビリテーションを効率的かつ効果的に行なうために必要であり,そのための努力がわれわれ理学療法士に求められている。
編者の牧田光代氏は,本書の序文の中で「理学療法士としては,医学的視点と生活の場での視点を併せ持ってよりよいアプローチを考える必要がある」とし,「理学療法の知識,技術だけでは地域でその力を発揮することはできない」とも記述している。医学の場では患者の文化や個性などは否定され,没個性として存在するが,地域リハビリテーションや地域理学療法の対象者にはその人の文化や個性を尊重したうえでの対応が求められる。「生き生きとした生活」を支えるための理学療法は本当に幅広く難解である。
この難解な地域理学療法を本書ではまず概念としてとらえ,次いでシステムとその展開,生活環境,疾患別の地域理学療法の実際と丹念に構成されている。本書が多くの理学療法士に方向性と勇気を与え,理学療法士が数多くの障害者や高齢者の生活を本質的に支え,そして理学療法士が社会的に評価される日が到来することを期待する。
小児・成人を含めた地域理学療法を理解する
書評者: 丸山 仁司 (国際医療福祉大教授・理学療法学)
地域理学療法学は2003年に初版が出版されたが,今回,改訂第2版として一新された。構成は,第1章:地域理学療法の概念,第2章:地域リハビリテーションを支えるシステム,第3章:地域理学療法の展開,第4章:生活環境の整備,第5章:地域理学療法の実際(各疾患別)であり,初版に比べて内容がたいへん豊富になっている。
第2章では諸制度,地域連携および社会資源について述べられているが,制度,資源などは大きく変化していることから,改訂されたことで新しい内容となっている。第3章では理学療法士が積極的に取り組む必要がある介護予防,老人保健施設,訪問理学療法の展開から,各職種,施設,地域の連携について全体的に網羅されている。第4章は生活環境整備で,住宅改造,福祉用具の制度などが述べられている。第5章では脳血管障害,骨折などをはじめとする10の実際例が述べられている。評価,注意事項,指導のポイントなど具体的に述べられていることから,学生のみではなく,有資格者にとっても非常に参考になる章である。また,地域理学療法というと高齢者を対象としていることが多いが,ここでは小児,成人も含めていることから,本来の地域理学療法を幅広く包括的に理解することができる。
また,執筆者は各領域の第一線で活躍している専門家であり,実践者であることから,具体的な内容が多く簡潔にまとめられているため,非常に理解しやすい。
現在,理学療法士は地域を利用者の生活の場ととらえ,理学療法を実施するうえでADLやQOLを向上させることが非常に重要になってきた。理学療法士は病院などの医療機関のみならず,老人福祉施設,デイケア,在宅などでの活躍も多くなってきている。そのためには,地域のシステム,医療福祉関係の法律などを理解し,社会資源を生かすことは非常に重要である。
この1冊で地域理学療法の全体像の把握が可能であることから,本書は常に手元に置いておきたい書籍の1つである。
書評者: 半田 一登 (九州労災病院リハビリテーション科・技師長)
日本リハビリテーション病院・施設協会では,「地域リハビリテーションとは,障害のある人々や高齢者およびその家族が,住み慣れたところで,そこに住む人々と共に,一生安全に生き生きとした生活を送れるよう,医療や保健,福祉,および生活にかかわるあらゆる人々や機関・組織が,リハビリテーションの立場から協力し合って行なう活動のすべてをいう」としている。この文中にある「生活にかかわるあらゆる人々」の中に理学療法士は存在しており,地域理学療法を提供している。理学療法士は急性期医療からこの地域リハビリテーションまで強いかかわりを持っているが,提供される理学療法は各ステージによって根本的な違いがあることを承知しなければならない。またこの「あらゆる人々」には特定の制限を設けずに自由競争的となっており,この領域で力を発揮するためには柔軟な発想と幅広い知識,そして対応能のある技術のすべてが求められている。
近年,この分野の理学療法士に関する2つの話題をよく耳にする。1つは医療機関と比べた場合,理学療法士の数が増えていないということであり,もう1つはこの領域の理学療法士に対する周辺職域からの落胆の声である。これらは理学療法士教育がいまだに理学療法士および作業療法士法でいうところの「身体に障害のあるもの」を狭義に解釈して教育が構成されていることが要因かもしれない。また,長期実習が病院中心に終始していることも大きい。これらを受けて“医療職としての理学療法士”というフレーズを意図的に使い,地域リハビリテーションの領域から理学療法士を排除する動きすら感じる。この領域に地域理学療法を確立することは,地域リハビリテーションを効率的かつ効果的に行なうために必要であり,そのための努力がわれわれ理学療法士に求められている。
編者の牧田光代氏は,本書の序文の中で「理学療法士としては,医学的視点と生活の場での視点を併せ持ってよりよいアプローチを考える必要がある」とし,「理学療法の知識,技術だけでは地域でその力を発揮することはできない」とも記述している。医学の場では患者の文化や個性などは否定され,没個性として存在するが,地域リハビリテーションや地域理学療法の対象者にはその人の文化や個性を尊重したうえでの対応が求められる。「生き生きとした生活」を支えるための理学療法は本当に幅広く難解である。
この難解な地域理学療法を本書ではまず概念としてとらえ,次いでシステムとその展開,生活環境,疾患別の地域理学療法の実際と丹念に構成されている。本書が多くの理学療法士に方向性と勇気を与え,理学療法士が数多くの障害者や高齢者の生活を本質的に支え,そして理学療法士が社会的に評価される日が到来することを期待する。
小児・成人を含めた地域理学療法を理解する
書評者: 丸山 仁司 (国際医療福祉大教授・理学療法学)
地域理学療法学は2003年に初版が出版されたが,今回,改訂第2版として一新された。構成は,第1章:地域理学療法の概念,第2章:地域リハビリテーションを支えるシステム,第3章:地域理学療法の展開,第4章:生活環境の整備,第5章:地域理学療法の実際(各疾患別)であり,初版に比べて内容がたいへん豊富になっている。
第2章では諸制度,地域連携および社会資源について述べられているが,制度,資源などは大きく変化していることから,改訂されたことで新しい内容となっている。第3章では理学療法士が積極的に取り組む必要がある介護予防,老人保健施設,訪問理学療法の展開から,各職種,施設,地域の連携について全体的に網羅されている。第4章は生活環境整備で,住宅改造,福祉用具の制度などが述べられている。第5章では脳血管障害,骨折などをはじめとする10の実際例が述べられている。評価,注意事項,指導のポイントなど具体的に述べられていることから,学生のみではなく,有資格者にとっても非常に参考になる章である。また,地域理学療法というと高齢者を対象としていることが多いが,ここでは小児,成人も含めていることから,本来の地域理学療法を幅広く包括的に理解することができる。
また,執筆者は各領域の第一線で活躍している専門家であり,実践者であることから,具体的な内容が多く簡潔にまとめられているため,非常に理解しやすい。
現在,理学療法士は地域を利用者の生活の場ととらえ,理学療法を実施するうえでADLやQOLを向上させることが非常に重要になってきた。理学療法士は病院などの医療機関のみならず,老人福祉施設,デイケア,在宅などでの活躍も多くなってきている。そのためには,地域のシステム,医療福祉関係の法律などを理解し,社会資源を生かすことは非常に重要である。
この1冊で地域理学療法の全体像の把握が可能であることから,本書は常に手元に置いておきたい書籍の1つである。
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