脳画像 第2版

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単純な画像の丸暗記ではなく、背景にあるメカニズムを理解することで、なぜそのように見えるのか脳画像への理解が深まる。各論では、症例ごとにCT、MRIの各種画像を並べて示し、モダリティや撮像法の違いによって、所見がどう異なって見えるのかを一から解説している。近年の国家試験出題傾向を踏まえ、脳卒中、頭部外傷、脳腫瘍、認知症、神経難病などの疾患を網羅。学生のみならず臨床に出てからも役に立つ1冊。

シリーズ 標準理学療法学・作業療法学・言語聴覚障害学 別巻
著 前田 眞治
発行 2026年10月判型:B5頁:184
ISBN 978-4-260-06591-7
定価 3,960円 (本体3,600円+税)

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第2版 序

 初版が2017年に出版されてから,現在に至るまでに医療技術・知識・教育内容も変わり,リハビリテーションスタッフにとって脳画像の重要性が増している.理学療法士・作業療法士の国家試験の出題基準に画像診断が追加され,言語聴覚士の知識・教育内容にも重要な位置をしめ,注目されている.この10年近くの間にも臨床における画像が示す所見の把握と解釈は,その後のリハビリテーションにとって必要不可欠な知識となっている.
 CT(X線CT),MRI-CTなどは日常臨床で当然のごとく情報がやり取りされ,通常のカンファレンス内容の一部に組み込まれている.
 本書では,脳画像を学ぶ手ほどきとして基本的な脳画像がどのように作成されるのか,読み方の基本となる脳スライスの高さのポイントや見方をわかりやすく解説している.また,脳画像検査でよくみられるCT,MRIのT1強調画像,T2強調画像,FLAIR画像,拡散強調画像などを同時に提示し,豊富な画像で比較している.
 脳部位の同定についてはブロードマンの脳地図を基本に,その部位を推測しやすく図示している.加えてブロードマンの脳地図番号をもとに,その機能を解説しているとともに,臨床で用いる検査なども示し,脳損傷部位と症状の対比から損傷機能の把握とその後のリハビリテーションの方法についての考え方を示している.さらに第2版では,錐体路(運動神経)の走行を実際の脳画像と同じ方向にして,各スライスを脳画像に合わせ,脳の前方を上に,脳の後方を下にした臨床でみる画像と対比しやすくした図(⇒58,59頁)も新規に追加した.
 もう1つ,第2版には画期的な改訂ポイントがある.これまで脳画像から皮質損傷とその機能障害を考えることが一般的に行われてきたが,最近では脳内ネットワークも加味した脳損傷とその機能障害が注目されてきており,皮質下線維とその走行部位の把握も重要視されつつある.そこで他の脳画像の書籍ではあまり触れられていない皮質下線維について,拡散テンソル画像に基づいたtractographyからその神経線維の走行と損傷による症状を詳細に解説した.ぜひ実際の臨床症状の把握に役立ててほしい.
 疾患の画像については,脳血管障害では経過とともに変化する脳画像をわかりやすく図示するとともに,脳血管支配にもとづく画像所見の見方や,その閉塞に伴う神経症状も解説している.神経疾患の画像所見も多彩な画像所見とともに解説し,もやもや病,脳外傷,多発性硬化症,多系統萎縮症,認知症,脳腫瘍,脳膿瘍,ヘルペス脳炎などの特徴的な画像所見を提示している.
 脳画像所見から,損傷された脳と残された脳の機能を把握し,未来ある脳機能障害者のリハビリテーションに役立てていただけることの期待と,それを担う人材の育成に本書が役立つことを切望するものである.

 2026年9月
 前田眞治

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第1章 人間の脳の特徴
 1 人間の脳の特徴
   Topics  人間の脳とチンパンジーやサルの脳
  ① 脳の解剖学的名称

第2章 脳画像の基本
 1 CT
  ① CTの原理
  ② ヘリカルCT
  ③ 頭部CTの位置決めと撮像断面
 2 MRI
  ① MRIの原理
  ② T1強調画像
  ③ T2強調画像
  ④ FLAIR画像
  ⑤ 拡散強調画像
  ⑥ 各画像の特徴と見分け方
  ⑦ T2*強調画像
  ⑧ MRA
  ⑨ MRIの禁忌
 3 脳機能画像
  ① fMRI
  ② SPECT
  ③ MEG
  ④ tractography

第3章 脳の画像解剖
 1 各スライスの見極め方
  ① 延髄のレベル
  ② 小脳のレベル
  ③ ペンタゴンのレベル
  ④ ダビデの星のレベル
  ⑤ 中脳のレベル
  ⑥ 前交連のレベル
  ⑦ モンロー孔のレベル
  ⑧ 松果体のレベル
  ⑨ 脳梁膨大のレベル
  ⑩ 脳梁膨大と体部の中間(染色体のように見えるレベル)
  ⑪ 脳梁体部のレベル
  ⑫ ハの字のレベル
  ⑬ 高さ不明のレベル
  ⑭ 水平断の各レベルとブロードマン領野の対応
  ⑮ 各スライスの正常像
  ⑯ 冠状断の画像の見方
  ⑰ 矢状断の画像の見方
 2 支配血管
  ① 水平断から見た血管支配
  ② 血管支配の詳細
 3 運動野・感覚野の見極め方
  ① 帯状溝辺縁枝を手がかりとする方法
  ② 運動野・感覚野を見極める補助的方法
 4 言語野の見極め方
  ① ブローカ野の同定
  ② ウェルニッケ野の同定
  ③ 頭頂間溝から同定する頭頂葉
  ④ 皮質下線維

第4章 脳の機能局在
 1 前頭葉
  ① 運動野(4野)
  ② 運動前野(6野)
  ③ 補足運動野(6~8野にかけて)
  ④ 前頭前野
  ⑤ 中心前回下部皮質下と弁蓋部(44野),三角部(45野)
  ⑥ 前帯状回(33野)
  ⑦ 帯状回(24・32野)
  ⑧ 膝下野(25野)
 2 頭頂葉
  ① 体性感覚野(3・1・2野)
  ② 味覚皮質(43野)
  ③ 上頭頂小葉(5・7野)
  ④ 下頭頂小葉:角回(39野),縁上回(40野)
 3 後頭葉
  ① 一次視覚野(17野)
  ② 視覚連合野(18・19野)
 4 側頭葉
  ① ヘシュル回(41・42野)
  ② 聴覚連合野(22・21野)
  ③ 下側頭葉(20野)
  ④ 嗅内野(28野)
  ⑤ 嗅周野(35野)
  ⑥ 海馬傍回(36野)
  ⑦ 紡錘状回(37野:側頭葉後下部)
  ⑧ 側頭葉極(38野)
  ⑨ 扁桃体
  ⑩ 海馬:海馬傍回(27・28・34・35・36野),鉤回
 5 その他
  ① 島回
  ② 脳梁
  ③ 尾状核
  ④ 被殻
  ⑤ 視床下部
  ⑥ 視床

第5章 脳血管障害
 1 脳内出血
  ① CT
  ② MRI
  ③ 種々の脳内出血の画像
 2 脳梗塞
  ① CT
  ② MRI
  ③ 種々の脳梗塞の画像
 3 くも膜下出血
  ① 発症直後の画像
  ② 治療時の画像
  ③ 血管攣縮
   Advanced Study  髄液の産生経路と水頭症
 4 脳動静脈奇形・もやもや病
  ① 脳動静脈奇形
  ② もやもや病(ウィリス動脈輪閉塞症)
 5 症状・症候からみた脳血管障害
  ① 運動麻痺例
  ② 交代性片麻痺
  ③ 高次脳機能障害

第6章 頭部外傷
 1 頭部外傷
  ① 急性硬膜外血腫
  ② 急性硬膜下血腫
  ③ 慢性硬膜下血腫
  ④ 外傷性くも膜下出血
  ⑤ 脳挫傷
  ⑥ びまん性軸索損傷

第7章 脳腫瘍
 1 脳腫瘍
  ① 悪性腫瘍
  ② 良性腫瘍

第8章 認知症
 1 認知症
  ① アルツハイマー型認知症
  ② レビー小体型認知症
  ③ 前頭側頭型認知症
  ④ 脳血管性認知症

第9章 神経難病
 1 神経難病
  ① 脊髄小脳変性症
  ② 多発性硬化症
  ③ 筋萎縮性側索硬化症
  ④ パーキンソン病
  ⑤ 進行性核上性麻痺

第10章 その他の疾患
 1 その他の疾患
  ① 脳膿瘍
  ② ヘルペス脳炎
  ③ 全身性エリテマトーデス
  ④ 脳アミロイドアンギオパチー

Check Sheet

索引

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