放射線治療技術標準テキスト 第2版
認定試験の公式テキストにも認定、放射線治療専門放射線技師の座右の書
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放射線治療の進展と高度化、放射線治療機器の技術革新、放射線治療の質・安全性向上への要請に対応した7年ぶりの増補改訂版。放射線治療専門放射線技師の認定教育、統一講習会をはじめ、臨床の場において広く活用できる。より高度で専門的な知識と判断力、ならびに多職種と連携した実践力が身に付く放射線治療専門放射線技師必携の書。
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序文
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推薦のことば/序 監修を代表して/序 編集を代表して
推薦のことば
がん放射線療法の現場において診療放射線技師が担う役割は,治療用固定具の作成,治療計画用CT撮影,治療計画の立案と評価,放射線量の計測,患者さんへの照射実施,さらにはすべての装置の品質管理に至るまで,極めて多岐にわたっている.国家資格を取得することで診療に携わることはもちろん可能であるが,放射線治療で用いられる放射線は,画像診断分野で使用されるX線とは生体への影響が大きく異なるうえ,がん患者さんの抱えるつらさを理解して良好な関係を築くには高いコミュニケーションスキルが要求される.そのため,国家資格に加えて本分野における専門性を適切に評価・認定することにより,この認定を受けた診療放射線技師が業務を担うことで,患者さんに対してより質の高い,安全な放射線療法を提供できるものと考えられる.
第2版となる本書は,大学において既に履修済みの内容を一部含みつつも,現在の臨床現場における複雑化する実務に必要な知識を網羅的に整理・集約した一冊であり,前述した診療放射線技師の専門性評価に必要と考えられる内容が的確に示されている.各章はいずれも,その分野において先駆的な業績を挙げられてきた方々,あるいは第一線で活躍されている方々によって執筆されており,本書を編集いただいた先生方の放射線治療もしくは放射線治療技術に対する深い造詣が,随所から感じ取られる.前版から内容を見直し,高精度放射線治療を含む幅広い領域を網羅しつつ,要点を的確に盛り込むためには,執筆者と共に多大なご苦労があったことと拝察され,そのご尽力に対し深く感謝申し上げたい.
いわゆる「2040年問題」に代表されるように,高齢化の進展に伴うがん医療需要の増大と,医療・介護人材の不足が大きな課題として指摘されている.こうした状況の中で,がん放射線療法を担う診療放射線技師が,より高い専門性を有する「放射線治療専門放射線技師」として活躍することは,これまで以上に求められることになるであろう.本書は,そのために必要な知識を体系的に学ぶ上で極めて有用であるとともに,日常診療における課題解決の指針としても活用できる一冊である.がん放射線療法に携わるすべての診療放射線技師の方々に,ぜひ本書を手元に置き,活用していただきたいと願っている.
一般社団法人日本放射線治療専門放射線技師認定機構
理事長 佐藤弘史
序 監修を代表して
日本放射線治療専門放射線技師認定機構が2005年に設立されてから昨年で20周年の節目を迎えました.2000年前後に多発した放射線治療のインシデントを経験し,安全・安心な放射線治療技術の提供や,全国の放射線治療技術の均てん化を目指して本機構が設立されましたが,当時は包括的にまとめられた臨床レベルの専門書がなかったため,2007年に放射線治療専門放射線技師の教科書として「放射線治療技術の標準」が発刊されました.その後,強度変調放射線治療,画像誘導放射線治療などさまざまな高精度治療技術の普及に伴い,2019年に「放射線治療技術標準テキスト」として改訂版が出版されました.ここでは,特に物理的な背景を強化し,標準計測法12に準拠した内容に修正されると共に,密封小線源治療や粒子線治療が追加されました.
本書は前回の改訂から7年ぶり,2回目の改訂となります.近年は放射線治療計画や高エネルギー線量計測,装置機器の品質管理など,さらに幅広い知識が必要とされている時代となっているため,より臨床的な内容を充実させることに重点を置き改訂を行いました.「放射線治療の物理」,「高エネルギー光子線の相対線量評価」,「粒子線治療」,標準計測法12関連は軽微な修正としましたが,「放射線計測における不確かさ」や「リニアック標準計測法24による水吸収線量評価」を追加し,「放射線治療概要と放射線生物学」,「ビームデータの取得」,「放射線治療看護」,「放射線安全管理」は最新の情報にアップデートしました.特に充実させたのは,「外部放射線治療技術」,「放射線治療計画システム」,「密封小線源治療・内用療法」,「放射線治療の品質保証と品質管理および医療安全」などの臨床に密着したコンテンツです.日常の診療で必要とされる情報や知識を追加したため,前版より200ページを超える分量となってしまいました.これでも,放射線治療技術の標準とする全てを網羅できず,不足分は参考資料を提示することで読者の皆さんに補っていただくことにいたしました.読者の皆さまに負担をおかけするのは不本意でありますが,何とぞ御了解いただきたくお願い致します.
本書は短期間での出版となったため,編集責任者を6名とし,理事や多くの教育指導者の皆さま,および執筆者の皆さまのお力により発刊に至ることができました.改めて御礼を申し上げます.本書が読者の皆さまの座右の書として役立つことを願うとともに,放射線治療専門放射線技師の認定試験のテキスト,あるいは学生の教科書として広く利用されることを願い,序文といたします.
飯田市立病院 診療技術部 放射線技術科
小口 宏
序 編集を代表して
日本放射線治療専門放射線技師認定機構が主催する統一講習会の教科書として,『放射線治療技術の標準』は2007年4月に初めて発刊された.その後,放射線治療技術の進歩や臨床現場における放射線技師の役割の変化を踏まえ,内容の充実と体系化を図った新版として,2019年1月に『放射線治療技術標準テキスト』初版が発行された.本テキストは,放射線治療専門放射線技師に求められる標準的かつ実践的な知識を整理した教科書として,認定教育ならびに統一講習会をはじめ,臨床の場において広く活用されてきた.
初版の発行から約6年が経過する間に,放射線治療を取り巻く環境は大きく変化した.高精度放射線治療の普及と高度化,画像誘導放射線治療や適応放射線治療の進展,治療計画装置や射装置の性能向上,放射線線量計測機器の開発など技術革新は著しい.また,医療安全や品質保証・品質管理に対する社会的要請は年々高まり,放射線治療専門放射線技師には,より高度で専門的な知識と判断力,ならびに多職種と連携した実践力が求められるようになっている.このような状況を踏まえ,現行の教育内容を見直し,最新の知見を反映させることを目的として,本テキストの改訂版を発刊することとなった.
改訂にあたっては,初版の基本理念と構成を尊重しつつ,内容の精査と再整理を行った.重複する記載や理解を妨げる部分については整理・統合を行い,全体として簡潔で学習しやすい構成となるよう配慮した.その結果,章立ては初版の16章構成から15章へと再編され,よりコンパクトな構成となった.一方で,放射線治療専門放射線技師に必要とされる基礎的知識から臨床に直結する専門的事項までを網羅しており,標準的教科書としての役割を十分に果たす内容となっている.
本改訂版の執筆にあたっては,それぞれの専門分野において第一線で活躍されている先生方に執筆をお願いした.各分野の最新動向を踏まえた記載と,豊富な臨床経験に基づく実践的な内容が盛り込まれており,教育現場のみならず日々の診療においても有用なテキストとなることを目指した.多忙な中にもかかわらず,本書の趣旨にご理解とご協力を賜った執筆者各位に,編者一同,心より感謝申し上げる.
本改訂版が,認定教育および統一講習会をはじめとする各種講習や研修の場において広く活用され,放射線治療専門放射線技師の知識と技能の向上に寄与するとともに,専門技師教育のさらなる発展,ひいては我が国における放射線治療の質と安全性の向上に貢献することを切に
期待する.
森ノ宮医療大学 医療技術学部 診療放射線学科・客員教授
日本放射線治療専門放射線技師認定機構・前理事長
奥村雅彦
序 編集を代表して
本書『放射線治療技術標準テキスト』は,2019年の初版発行以来,放射線治療における線量計測の標準的な考え方と実務を体系的に学ぶための指針として,診療放射線技師および医学物理士を中心に広く活用されてきました.その後,放射線治療を取り巻く技術,装置,計測手法,ならびに関連する制度は着実に進展しており,初版の内容を現状に即したものへ更新する必要性が高まってきました.こうした背景を踏まえ,このたび内容の改訂を行い,第2版を刊行する運びとなりました.
第2版では,全体構成を維持しつつ,記述内容の精査と更新を行うとともに,新たに第3章「放射線計測における不確かさ」を追加しました.放射線治療において患者に対する線量精度を確保することは極めて重要であり,その前提として,線量測定値が持つ不確かさを正しく理解し,評価・管理することが不可欠です.本章は,日常臨床において線量計測を担う医療従事者に,ぜひ理解していただきたい基礎的かつ本質的な内容をまとめたものです.
さらに,2025年からはリニアック標準計測法24に基づく線量計校正サービスが開始されました.今後は,リニアックビームによって校正された線量計の臨床適応が一層拡大していくものと考えられます.本書の第8章では,新たに「リニアック標準計測法24による水吸収線量評価」を取り上げこれまで主流であった60Co γ線を用いた校正との相違点や,臨床使用における注意点についても整理しています.本章が放射線治療における線量評価の根幹を再確認するための一助となることを意図しています.
近年,AIの発展と普及により,放射線治療に関わるテクノロジーは新たな段階に入りました.治療計画,線量評価,品質管理など,さまざまな場面で高度な技術が導入されつつありますが,放射線治療の対象は常に人である患者であり,その治療に携わるのもまた人である医療従事者です.いかに技術が進歩しても,患者の状態を理解し,治療の意義とリスクを考え,安全性と精度に責任を持つ役割は人に委ねられています.AIによる技術革新とともに,医療従事者一人ひとりが専門職としての知識と技能を深め,人として成長し続ける姿勢が,これまで以上に重要になると考えられます.本テキストが,放射線治療に必要とされる人材の育成と,線量の信頼性を支える基盤づくりに寄与し,日々の臨床現場における確かな実践につながることを,編集委員一同,心より願っています.
帝京大学大学院 保健学研究科
川村愼二
目次
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第1章 放射線治療概要と放射線生物学
1-1 放射線治療の役割
1-2 がんの診断と目的別治療法
1-3 放射線生物学の基礎
第2章 放射線治療の物理
2-1 放射線治療に用いる放射線
2-2 放射線場および相互作用にかかわる量の定義
2-3 光子線と物質との相互作用
2-4 荷電粒子と物質との相互作用
2-5 吸収線量
2-6 空洞理論
第3章 放射線計測における不確かさ
3-1 計測における不確かさとは
3-2 不確かさの種別
3-3 不確かさの評価手順
3-4 不確かさ評価の実際
第4章 高エネルギー光子線の相対線量評価
4-1 はじめに
4-2 深部線量関数
4-3 出力係数(OPF)
4-4 空中軸外線量比(OAR0, OAR in air)
4-5 くさび係数
4-6 種々の深部線量関数の関係式
4-7 線量モニタ単位(DMU)
4-8 平坦度と対称性
第5章 ビームデータの取得
5-1 ビームデータの測定の意義
5-2 ビームデータの種類
5-3 検出器の選択と配置
5-4 三次元水ファントムの取り扱い
5-5 スキャン方式と測定パラメータ
5-6 PDD およびTMR(TPR)の測定
5-7 線量プロファイル
5-8 小照射野の測定
5-9 フラットニングフィルタフリー(FFF)ビームの解説と測定
第6章 高エネルギー光子線の吸収線量評価
6-1 吸収線量の決定の基礎
6-2 水吸収線量の国家標準(一次標準)
6-3 実用電離箱による水吸収線量の決定
6-4 標準計測法12に準拠した高エネルギー光子線の吸収線量評価
6-5 高エネルギー光子線の水吸収線量計測の具体例:加速器の出力校正
第7章 高エネルギー電子線の吸収線量評価
7-1 吸収線量評価
7-2 深部電離量百分率曲線と深部(線)量百分率曲線
7-3 深部量百分率(PDD)
7-4 高エネルギー電子線の吸収線量評価の具体例
7-5 高エネルギー電子線の出力校正の具体例
7-6 高エネルギー電子線における平行平板形電離箱の相互校正
7-7 プラスチックファントムを用いた高エネルギー電子線計測法
7-8 深部量百分率における照射野サイズの影響
7-9 深部吸収線量百分率測定に関する補足
7-10 媒質中での高エネルギー電子線エネルギーの変化
第8章 リニアック標準計測法24による水吸収線量評価
8-1 はじめに
8-2 用語とシンボル
8-3 機材
8-4 高エネルギー光子線の吸収線量評価
8-5 高エネルギー電子線の吸収線量評価
8-6 フィールド線量計の相互校正
第9章 外部放射線治療技術
9-1 放射線治療機器と周辺装置
9-2 放射線治療部門の情報ネットワーク
9-3 放射線治療のプロセス
9-4 患者の固定と体動抑制
9-5 照射方法
9-6 照射部位ごとの照射法
9-7 STI/SBRT
9-8 強度変調放射線治療(IMRT)
9-9 IGRT
9-10 四次元放射線治療
9-11 適応放射線治療
9-12 遠隔放射線治療計画
第10章 放射線治療計画システム
10-1 放射線治療計画システムの歴史
10-2 標的体積の定義
10-3 放射線治療計画装置の基本性能
10-4 線量計算アルゴリズム
10-5 治療計画装置の品質保証,品質管理
10-6 MU値計算と独立検証
10-7 照射部位ごとの放射線治療計画
第11章 粒子線治療
11-1 粒子線治療の概要
11-2 陽子線治療
11-3 重粒子(炭素イオン)線治療
11-4 粒子線治療の治療計画
11-5 ホウ素中性子捕捉療法
11-6 粒子線治療のQA
第12章 密封小線源治療・内用療法
12-1 密封小線源治療の技術的総論
12-2 子宮頸がん
12-3 前立腺癌組織内照射
12-4 小線源治療の線量計算アルゴリズム
12-5 小線源治療の品質保証と品質管理
12-6 核医学治療
第13章 放射線治療の品質保証と品質管理および医療安全
13-1 放射線治療に求められる品質マネジメント
13-2 放射線治療装置の品質管理項目
13-3 放射線治療工程における品質マネジメント
13-4 放射線治療の外部線量評価
13-5 放射線治療における医療安全
第14章 放射線治療看護
14-1 はじめに
14-2 患者ケア
14-3 処置が施されている患者への対応
14-4 放射線治療部門で遭遇する患者容態変化
14-5 放射線治療に伴う症状の理解
14-6 感染の防止
14-7 コミュニケーションスキル
14-8 がん患者が抱える不安・つらさ
第15章 放射線安全管理
15-1 はじめに
15-2 放射線安全管理の基本
15-3 放射線治療施設の設計
15-4 外部放射線治療
15-5 密封線源治療
15-6 特定放射性同位元素の管理
15-7 記帳・記録
15-8 漏洩線量管理
15-9 線源管理
15-10 管理区域
15-11 教育訓練
15-12 遵法を損なわないために
索引




