視能訓練学 第2版
本邦初の体系的な視能訓練学成書、最新情報を盛り込みリニューアル!
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視能訓練士に必要な知識を集積。エビデンスを踏まえた視能訓練、多岐にわたる視機能検査の方法、留意点、結果の評価などをわかりやすく系統立ててまとめた《視能学エキスパート》シリーズより、「視能訓練学」のタイトルを改訂。「臨床現場での検査のポイント」や「視能訓練の実際」について、可能な限り多くの「臨床症例」を提示。卒前の学習から卒後の自己研鑽まで、広く活用できる「いつも傍らに必携する一生涯の専門書」。
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2024.07.03
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序文
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視能学エキスパートシリーズ 第2版刊行にあたって(南雲 幹)/第2版の序
視能学エキスパートシリーズ
第2版刊行にあたって
このたび,《視能学エキスパート》シリーズは第2版を刊行することになりました.本シリーズは,視能訓練士に必要とされる視能検査学,視能訓練学,光学・眼鏡に関するさまざまな知識を集積し,すでに臨床で活躍している方々が日常業務を行ううえで熟思する際の参考に,またこれから視能訓練士を目指す学生の卒前教育にも広く役立てていただいています.
初版が刊行されてから約5年が経ち,この間,2021(令和3)年には厚生労働省で視能訓練士学校養成所カリキュラム等改善検討会が実施されました.指定規則および教育ガイドラインの一部改正について検討が行われ,視能訓練士のさらなる資質の向上が求められています.年々,医療技術や検査機器は高度化しており,また加速する人口減少による社会構造の変化および国民のための医療,保健,福祉等へのニーズの高まりに対応できる視能訓練士であるためには,日々努力し専門性を向上させる必要があることは言うまでもありません.
第2版では,可能な限り基礎から最新情報までを網羅し「具体的症例を取り入れた臨床に応用できる内容」「常に手元に置きたい教本」というコンセプトを踏襲し,各シリーズの内容のさらなる充実や,最新知識のアップデートを中心に企画し,臨床・研究の第一線でご活躍の先生方に改訂のご執筆のお願いをいたしました.
この《視能学エキスパート》シリーズ第2版のすべての巻が研鑽を続ける視能訓練士の皆様の一助となること,また日本の国民がその長寿な人生においてできる限り快適な視能を保持するために貢献できることを心より願っております.
2023年1月
公益社団法人 日本視能訓練士協会
会長 南雲 幹
第2版の序
《視能学エキスパート》シリーズは,2006年に開始された公益社団法人 日本視能訓練士協会の生涯教育制度の教育内容に対応できる,視能訓練士に必要な専門性の高い専門書として2018年に「視能訓練学」の初版を出版しました.臨床では多くの視能訓練士や先生方,そして教育の場面では視能訓練士を目指す多くの学生の専門書となりました.そしてこのたび皆様からご好評をいただき,さらにアップデートさせた『視能訓練学』の第2版を発行する運びとなりました.
「視能訓練学」は,視能訓練士の原点であり,根幹をなす領域です.私たちは常に医療の変化や進歩に対応しながら,この領域の専門性をさらに高め,継承し発展させていきたいと思っております.初版の序でも述べましたが,本書は『視能矯正─理論と実際』(金原出版1973)に委ねられた「日本の視能訓練士の世界の中でのレベルを確立したい」という思いを胸に,理論に基づく視能訓練の実施を目指し,常に考え,最善の方法を選択できる視能訓練士の育成に役立つものでありたいと思っております.
第2版の発行にあたり,視能訓練について基礎から実践までを網羅した質の高い専門書という初版の方針を踏襲するとともに,基礎的な項目はわかりやすく,臨床的な項目は実践の場でどう考え,どうするべきか,という観点で各章を見直しました.新たな執筆者を迎え,そして新たな「臨床症例」を加え,視能訓練の羅針盤となる専門書を目指し進めてまいりました.臨床症例を通して検査のポイントや視能訓練の実際について具体的にわかりやすく提示しており,臨床症例を通して視能訓練への理解を深めることができると思っております.本書が,卒前や卒後を通して皆様の自己研鑽に欠かせない,いつでも傍に置いて開いて考えるための一生涯の1冊になれば嬉しく思います.
最後になりましたが,我々の思いをご理解いただき,ご執筆いただいた先生方,出版にあたりご尽力いただきました皆様に心よりお礼申し上げます.視能訓練学の発展に寄与する本であることを願います.
2023年1月
編集者一同
目次
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第1部 総論
第1章 視能訓練学総論
I 視能訓練学とは
II 弱視視能訓練の歴史
III 斜視視能訓練の歴史
IV 脳の可塑性と視能訓練
V 視能訓練学におけるリハビリテーション
第2章 視覚発達
I 視覚発達
II 視覚系の臨界期
III 感覚適応(両眼視機能の異常)
第3章 視覚生理学
I 入力系
II 統合系
III 出力系
第4章 視覚認知学
I 視覚認知総論
II 錯視
III 高次脳機能障害
第5章 検査学
I 問診(病歴聴取)
II 入力系
III 統合系
IV 出力系
V 問題指向型診療記録(POMR)
VI 臨床症例
第2部 弱視の視能訓練
第6章 弱視概論
I 弱視
II 弱視の視能特性
III 弱視の神経回路の再編成
IV 視機能検査とその評価
第7章 弱視の視能訓練
I 総論
II 方法
III 訓練評価
IV 臨床症例
第3部 斜視の視能訓練
第8章 斜視概論
I 斜視とは
II 斜視各論
III 視機能検査とその評価
IV 斜視視能訓練総論
第9章 内斜視の視能訓練
I 総論
II プリズム療法
III 抑制除去訓練
IV 網膜対応異常の矯正訓練
V 臨床症例
第10章 間欠性外斜視の視能訓練
I 総論
II 抑制除去訓練
III 輻湊訓練
IV 融像訓練
V 臨床症例
第11章 後天眼球運動障害の視能訓練
I 総論
II 眼球運動訓練
III 輻湊訓練
IV 融像野拡大訓練
V fusion lock training
VI 臨床症例
第12章 光学的視能矯正
I 光学的視能訓練
II プリズムの光学的働き,種類
III プリズム療法
IV 臨床症例
第4部 視能訓練以外の治療
第13章 観血療法
I 術式
II 合併症
III 手術の適応と臨床症例
IV ボツリヌス療法
第14章 再生医療と視能訓練
I 再生医療学
II 人工網膜における視能訓練士の役割
Column
先天性聴覚障害児に対する人工内耳装用訓練
ことばの発達を促す言語訓練の実際
索引
正誤表
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本書の記述の正確性につきましては最善の努力を払っておりますが、この度弊社の責任におきまして、下記のような誤りがございました。お詫び申し上げますとともに訂正させていただきます。